◇No.40◇彼女は喜ばせたかっただけなのです
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瞼を押し上げるように開けたローは、ぼんやりとした視界の向こうに見慣れた天井を見ました。
いつの間にか眠ってしまっていたようです。
起き上がろうとして、ローは思わず眉を顰めました。
変な時間に眠ってしまったせいで、頭痛がしてしまったのです。
鼻頭を摘まみ、頭痛を落ち着かせてから、今度こそ、ローはゆっくりと身体を起こしました。
それと同時に、腹から空腹を知らせる音が鳴りました。
壁掛けの時計を見れば、もう夜の10時を過ぎています。
朝から何も食べていないのですから、お腹が空くのも当然です。
なまえが「夜になりました。」と船長室を訪れる時間はとっくに過ぎています。
もしかしたら、呼びに来たけれど、ローが眠っているのを見て、ひとりでバーに行ってしまったのかもしれません。
(また、アイツに何か作らせるか。)
ソファから立ち上がったローは、なまえが作る美味しい料理を想像しました。
そのせいで、余計にお腹が空いて来てしまいました。
だから、船長室を出て、バーに向かう足も無意識に速くなります。
いつもよりも早く辿り着いたバーの扉の前で、ローは立ち止まりました。
扉に手をかけたまま、開こうとはしません。
手に振動が伝わってくるほどに、騒がしい声が聞こえてくるせいです。
ゆっくりと過ごせるから、夜になったらバーに来ていたのに、これではのんびりも出来ません。
そう思っていると、扉が勢いよく開いて、シャチが飛び出してきました。
「うわぁ!?あ…!キャプテン!!さっき、俺が呼びに行ったんすよ!!
やっと起きたんすね!!」
「…お前が?」
「そうっすよ~。キャプテンだけ、なまえに夜食作ってもらってたんでしょ!?
ズルイっすよ!!いつもバーで2人でコソコソしてると思ったら、
美味いもん食ってたなんて!!」
飛び出してくるなり、シャチは文句を言い始めた。
ローは、彼の背中越しに、バーをチラリと覗きました。
騒いでいる船員達とその中心にいるなまえが見えます。
「なまえから聞いたのか?」
「そうっすよ!!で、俺達にも作ってもらっちゃいました~!
リクエストしたもん、何でも作ってくれるんすね!!」
シャチが嬉しそうに言います。
確かに、いつもはローの為だけに作った1人分の食事が置かれているだけのテーブルの上には、美味しそうな料理が所狭しと並んでいるのが見えます。
腹を刺激する美味しそうな匂いは、そこから流れてきているようです。
「キャプテンも朝から何も食ってないんでしょ?
一緒に食いましょうよ!!」
シャチがそう言って誘いながら、ローの腕を掴んでバーの中に連れて行こうとします。
ですが、ローはその手を振りほどきました。
「腹は減ってねぇ。こんなうるせぇところじゃゆっくり本も読めねぇ。
自分の部屋に戻る。」
ローはそう言って、バーの扉から背を向けました。
来た道を戻って行くローの背中を見送りながら、シャチは首を傾げます。
「本?持って来てねぇのに、どうやって本を読む気だったんだ?」
シャチの疑問に答えられる人は、誰もいませんでした。
いつの間にか眠ってしまっていたようです。
起き上がろうとして、ローは思わず眉を顰めました。
変な時間に眠ってしまったせいで、頭痛がしてしまったのです。
鼻頭を摘まみ、頭痛を落ち着かせてから、今度こそ、ローはゆっくりと身体を起こしました。
それと同時に、腹から空腹を知らせる音が鳴りました。
壁掛けの時計を見れば、もう夜の10時を過ぎています。
朝から何も食べていないのですから、お腹が空くのも当然です。
なまえが「夜になりました。」と船長室を訪れる時間はとっくに過ぎています。
もしかしたら、呼びに来たけれど、ローが眠っているのを見て、ひとりでバーに行ってしまったのかもしれません。
(また、アイツに何か作らせるか。)
ソファから立ち上がったローは、なまえが作る美味しい料理を想像しました。
そのせいで、余計にお腹が空いて来てしまいました。
だから、船長室を出て、バーに向かう足も無意識に速くなります。
いつもよりも早く辿り着いたバーの扉の前で、ローは立ち止まりました。
扉に手をかけたまま、開こうとはしません。
手に振動が伝わってくるほどに、騒がしい声が聞こえてくるせいです。
ゆっくりと過ごせるから、夜になったらバーに来ていたのに、これではのんびりも出来ません。
そう思っていると、扉が勢いよく開いて、シャチが飛び出してきました。
「うわぁ!?あ…!キャプテン!!さっき、俺が呼びに行ったんすよ!!
やっと起きたんすね!!」
「…お前が?」
「そうっすよ~。キャプテンだけ、なまえに夜食作ってもらってたんでしょ!?
ズルイっすよ!!いつもバーで2人でコソコソしてると思ったら、
美味いもん食ってたなんて!!」
飛び出してくるなり、シャチは文句を言い始めた。
ローは、彼の背中越しに、バーをチラリと覗きました。
騒いでいる船員達とその中心にいるなまえが見えます。
「なまえから聞いたのか?」
「そうっすよ!!で、俺達にも作ってもらっちゃいました~!
リクエストしたもん、何でも作ってくれるんすね!!」
シャチが嬉しそうに言います。
確かに、いつもはローの為だけに作った1人分の食事が置かれているだけのテーブルの上には、美味しそうな料理が所狭しと並んでいるのが見えます。
腹を刺激する美味しそうな匂いは、そこから流れてきているようです。
「キャプテンも朝から何も食ってないんでしょ?
一緒に食いましょうよ!!」
シャチがそう言って誘いながら、ローの腕を掴んでバーの中に連れて行こうとします。
ですが、ローはその手を振りほどきました。
「腹は減ってねぇ。こんなうるせぇところじゃゆっくり本も読めねぇ。
自分の部屋に戻る。」
ローはそう言って、バーの扉から背を向けました。
来た道を戻って行くローの背中を見送りながら、シャチは首を傾げます。
「本?持って来てねぇのに、どうやって本を読む気だったんだ?」
シャチの疑問に答えられる人は、誰もいませんでした。