◇No.33◇探しています
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雨が止んで少し経った頃、漸くポーラータング号に帰ってきたのは、ベポでした。
世にも珍しい温かいかき氷が食べられるという噂を聞いて街中を探し回っていましたが、そんなものは見つからないどころか、よく考えたら、かき氷が温かかったら氷が溶けて水になっていることに、ついさっきやっと気づいたのです。
嘘ばかりの噂だった、とベポは不機嫌を見せびらかすように大股で船内に入って来ました。
お腹もすいたので食堂へ向かおうとしていた廊下の途中、帰ってきたベポに気づいてシャチが駆け寄って来ました。
「あ!シャチ!!聞いてよ!!嘘ばっかりの噂でさ!!
温かいかき氷なんてあるわけないのに——。」
「ベポ!!なまえ、見なかったか!?」
「なまえ?」
首を傾げたベポは、焦ったように捲し立てるシャチの説明を聞いて、状況を理解しました。
途端に、さっきまでの怒りをすっかり忘れたベポは、焦り出します。
いつもなら、なまえが洗濯物を干しているときも取り込むときも、ベポはそばにいました。
それがどうして今日に限って、自分がありえない噂に踊らされてしまったばかりに——。
自分を責めて凹むベポと未だに見つからないなまえに焦るシャチの元へ、船内の地下を探検していた子供達がやって来ました。
そして、ベポを見つけると、珍しくエレンの方から声をかけてきました。
「お前、森で迷子になってたんだろ。何やってんだよ、熊のくせに。」
熊のくせに——。
いつもなら凹むセリフではありましたが、その言葉の意味が理解出来なかったベポは首を傾げました。
代わりに訊ねたのはシャチでした。
「ベポ、迷子になってたのか?」
「ううん、温かいかき氷があるって噂聞いて、街に探しに行ってた。
でも、嘘だったけど。」
「え、でも、なまえさんが、ベポさんが迷子だって・・・っ!」
そこまで言って、アルミンが慌てた様に口で両手を塞ぎました。
ですが、なまえという名前にシャチとベポはすぐさまに反応します。
「どういうこと!?なまえに会ったの!?」
「どこで会った!?話せ!!」
ベポとシャチが、驚いて怯えるアルミンを壁際に追い詰めました。
そして、ミカサに背負い投げをされて向かいの壁に背中を強打しました。
ガタイの良い船員から教えてもらった護身術は、こんなところで役に立ったようです。
世にも珍しい温かいかき氷が食べられるという噂を聞いて街中を探し回っていましたが、そんなものは見つからないどころか、よく考えたら、かき氷が温かかったら氷が溶けて水になっていることに、ついさっきやっと気づいたのです。
嘘ばかりの噂だった、とベポは不機嫌を見せびらかすように大股で船内に入って来ました。
お腹もすいたので食堂へ向かおうとしていた廊下の途中、帰ってきたベポに気づいてシャチが駆け寄って来ました。
「あ!シャチ!!聞いてよ!!嘘ばっかりの噂でさ!!
温かいかき氷なんてあるわけないのに——。」
「ベポ!!なまえ、見なかったか!?」
「なまえ?」
首を傾げたベポは、焦ったように捲し立てるシャチの説明を聞いて、状況を理解しました。
途端に、さっきまでの怒りをすっかり忘れたベポは、焦り出します。
いつもなら、なまえが洗濯物を干しているときも取り込むときも、ベポはそばにいました。
それがどうして今日に限って、自分がありえない噂に踊らされてしまったばかりに——。
自分を責めて凹むベポと未だに見つからないなまえに焦るシャチの元へ、船内の地下を探検していた子供達がやって来ました。
そして、ベポを見つけると、珍しくエレンの方から声をかけてきました。
「お前、森で迷子になってたんだろ。何やってんだよ、熊のくせに。」
熊のくせに——。
いつもなら凹むセリフではありましたが、その言葉の意味が理解出来なかったベポは首を傾げました。
代わりに訊ねたのはシャチでした。
「ベポ、迷子になってたのか?」
「ううん、温かいかき氷があるって噂聞いて、街に探しに行ってた。
でも、嘘だったけど。」
「え、でも、なまえさんが、ベポさんが迷子だって・・・っ!」
そこまで言って、アルミンが慌てた様に口で両手を塞ぎました。
ですが、なまえという名前にシャチとベポはすぐさまに反応します。
「どういうこと!?なまえに会ったの!?」
「どこで会った!?話せ!!」
ベポとシャチが、驚いて怯えるアルミンを壁際に追い詰めました。
そして、ミカサに背負い投げをされて向かいの壁に背中を強打しました。
ガタイの良い船員から教えてもらった護身術は、こんなところで役に立ったようです。