◇No.21◇夜が終わりました

Name change

What's your name?
What's your First Name?【洋名】
What's your Last Name?【洋名】
あなたの名前は?【和名】
あなたの名字は?【和名】

なまえに夜食を作らせたローがやって来たのは、ポーラータング号の自慢のバーでした。
天井は一面が生け簀になっていて、船員が釣り上げた魚が、今夜もたくさん泳いでいます。

「ロー、大変です。天井に海があります。」

初めてバーにやってきたなまえは、興味深そうに天井を見上げます。
海ではなく生け簀だと教えてやっても、「天井に海が。」と言いながら、痛そうなくらいに首を曲げて天井を見上げ続けました。
クスリと笑って、ローは一番大きなソファに腰を降ろします。
そして、バーに来る途中に船長室に寄って持ってきた医学本を広げると、おにぎりを頬張りました。
しばらくすると、天井の海にいる魚の観察を終えたなまえがローの隣に座りました。

「どうして天井に海がありますか?」

さっきのローの説明は聞いていなかったようです。
もう一度、天井は生け簀になっているのだと教えてやると、漸く納得したように頷きました。

「今度からは、ここにきて天井の海を眺めればいい。
 真夜中に眠れないまま天井の染みを数えるのも飽きただろ。」
「ここに来てもいいんですか?」
「好きに使えばいい。」
「はい、わかりました。」

なまえは頷くと、また天井を見上げました。
食べられる運命にある魚達は、何も知らずに、天井の海を優雅に泳いでいます。
あぁ、そういえば——。

「ローが食べている焼き魚も、この天井の海を泳ぎましたか?」

なまえが天井を指さしながら訊ねました。

「だろうな。」

焼き魚を齧りながら、ローが答えます。

「そうですか。
 彼は、最期にハートの海賊団の船員になれて幸運でしたね。」

なまえがそう言って、何度も頷きます。
船員になったわけではないのですけれど——。

「だな。」

焼き魚を食べ終えたローは、フッと笑いました。
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