◇No.16◇女友達が出来ました
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船縁には、騒ぎを聞きつけた船員が大勢集まって来ていました。
偶々、海の様子を見に来たローとペンギンも、慌てふためくベポから事情を聞いて、船縁から海を覗き込みます。
なまえは海水で電子回路がショートしてしまったという経験がありますから、ベポは余計に心配だったのです。
「俺が行きます。」
船縁に飛び乗ったペンギンが繋ぎのシャツの裾を捲り上げて、腕を出しました。
その他にも、彼女達を助けて海に飛び込もうと、数名の船員達が船縁の上に飛び乗りました。
ですが、彼らが飛び込む必要もなく、イッカクを片手で抱えたなまえが、海面から顔を出しました。
「なまえ!!大丈夫!?」
船縁から海面を覗き込み、ベポがなまえとイッカクに声をかけました。
飛び込もうとしていた船員達も、似たようなことを彼女達に訊ねます。
「はい、少し海水を飲んだようですが、
ハートの海賊団、その他大勢の意識はあります。」
「…っ、ハァ…ッ、ク、ソが…っ。
ま、た言いやがっ、て…ッ、ハァ…ッ。」
なまえに片手で抱えられたイッカクが、苦々し気に悪態を吐きました。
どうやら、本当に無事のようです。
ベポだけではなく、ローとペンギン、他の船員達も、とりあえずは彼女達の姿を確認することが出来て、胸を撫でおろしました。
「俺の手に掴まれ。」
「はい、わかりました。」
身体の大きなジャンバールが、船縁から上半身を出して手を差し伸べました。
その手をなまえが掴みます。
ジャンバールによって軽々と引きあげられたなまえとイッカクが甲板に降ろされると、座り込んだ彼女達の周りに海水の大きな水たまりが出来ました。
「ありがとう。」
なまえが、座ったままで、ジャンバールを見上げて礼を言います。
「あぁ、よくやったな。」
人相の悪い顔をしているジャンバールですが、見ようによっては柔らかい表情を浮かべて、全身びしょ濡れのなまえの頭に大きな手を乗せました。
なまえは、ローにされたときのように、視線だけを上にあげて頭の上に乗っている大きな手を見ました。
「悪かったよ…。」
イッカクが、顔を伏せたままで、ポツリと零しました。
プライドの高い彼女のびしょ濡れの身体は、悔しそうな空気に包まれ、いつもよりも小さく見えました。
すると、なまえが立ちあがって、彼女の前に立ちました。
なぜ、イッカクが海に落ちることになったのかは、焦ったベポの要領を得ない叫ぶような説明で、ここにいる船員、全員がなんとなく理解しています。
なまえだから仕方がないとも思いますし、イッカクが腹が立ったのも分からなくもありません。
だから、なまえがイッカクに何を言うのか、とても興味がありました。
「違います、ハートの海賊団、その他大勢。
こういうときは、ありがとうと言うんです。」
「・・・・は?」
「私達は仲間になりました。
それは、ハートの海賊団、その他大勢が困ってたらいつでも助けてあげるということです。
私が、仲間を助けることを迷惑だと思うことは絶対にありません。」
「仲間、か。そうか、そうだな。仲間を助けるのは迷惑ではねぇよな。」
イッカクが、フッと小さく笑いました。
「だから、何かあったら1人で考えてないで、私を呼んでください。
そしたら、すぐに手を差し伸べますから、ハートの海賊団、その他大勢は、迷わずに私の手を掴んで、
ありがとうと言ってください。それでいいんです。」
そう言って、なまえが差し伸べた手を、イッカクが握りしめました。
「あぁ、ありがとうな。」
なまえの手を借りて立ち上がったイッカクが、感謝の言葉を伝えました。
いつもなら、恥ずかしくて、こんなこと言えません。
どう頑張っても、照れ臭くて、強がるような言い方しか出来ません。
でも、ただただひたすら真っすぐななまえを見ていたら、イッカク自身も驚くほど素直に、感謝の言葉が口から零れていたのです。
でも、なまえがイッカクの頭に手をポンと優しく乗せると、さすがに恥ずかしくなって赤面させます。
「おい!なにやってんだ…!ガキじゃねぇんだよ!!」
イッカクが顔を真っ赤にして怒ります。
でも、普段なら乱暴に手を振りほどきそうな彼女が、なまえの手は振りほどこうとはしませんでした。
頭になまえの手を乗せたまま、真っ赤な顔で怒っているイッカクは、強がりだけど甘えん坊な子供みたいでとても可愛くて、船員達の頬は無意識に緩みます。
海賊専用の殺人兵器として造られたなまえのことを毛嫌いしていたり、否定的だった船員がいたのも確かです。
でも、その彼らの目でさえも、いつの間にか柔らかいものになっているから、なまえを中心にして、春の気候とはまた違う温かい空気が包んでいるようでした。
偶々、海の様子を見に来たローとペンギンも、慌てふためくベポから事情を聞いて、船縁から海を覗き込みます。
なまえは海水で電子回路がショートしてしまったという経験がありますから、ベポは余計に心配だったのです。
「俺が行きます。」
船縁に飛び乗ったペンギンが繋ぎのシャツの裾を捲り上げて、腕を出しました。
その他にも、彼女達を助けて海に飛び込もうと、数名の船員達が船縁の上に飛び乗りました。
ですが、彼らが飛び込む必要もなく、イッカクを片手で抱えたなまえが、海面から顔を出しました。
「なまえ!!大丈夫!?」
船縁から海面を覗き込み、ベポがなまえとイッカクに声をかけました。
飛び込もうとしていた船員達も、似たようなことを彼女達に訊ねます。
「はい、少し海水を飲んだようですが、
ハートの海賊団、その他大勢の意識はあります。」
「…っ、ハァ…ッ、ク、ソが…っ。
ま、た言いやがっ、て…ッ、ハァ…ッ。」
なまえに片手で抱えられたイッカクが、苦々し気に悪態を吐きました。
どうやら、本当に無事のようです。
ベポだけではなく、ローとペンギン、他の船員達も、とりあえずは彼女達の姿を確認することが出来て、胸を撫でおろしました。
「俺の手に掴まれ。」
「はい、わかりました。」
身体の大きなジャンバールが、船縁から上半身を出して手を差し伸べました。
その手をなまえが掴みます。
ジャンバールによって軽々と引きあげられたなまえとイッカクが甲板に降ろされると、座り込んだ彼女達の周りに海水の大きな水たまりが出来ました。
「ありがとう。」
なまえが、座ったままで、ジャンバールを見上げて礼を言います。
「あぁ、よくやったな。」
人相の悪い顔をしているジャンバールですが、見ようによっては柔らかい表情を浮かべて、全身びしょ濡れのなまえの頭に大きな手を乗せました。
なまえは、ローにされたときのように、視線だけを上にあげて頭の上に乗っている大きな手を見ました。
「悪かったよ…。」
イッカクが、顔を伏せたままで、ポツリと零しました。
プライドの高い彼女のびしょ濡れの身体は、悔しそうな空気に包まれ、いつもよりも小さく見えました。
すると、なまえが立ちあがって、彼女の前に立ちました。
なぜ、イッカクが海に落ちることになったのかは、焦ったベポの要領を得ない叫ぶような説明で、ここにいる船員、全員がなんとなく理解しています。
なまえだから仕方がないとも思いますし、イッカクが腹が立ったのも分からなくもありません。
だから、なまえがイッカクに何を言うのか、とても興味がありました。
「違います、ハートの海賊団、その他大勢。
こういうときは、ありがとうと言うんです。」
「・・・・は?」
「私達は仲間になりました。
それは、ハートの海賊団、その他大勢が困ってたらいつでも助けてあげるということです。
私が、仲間を助けることを迷惑だと思うことは絶対にありません。」
「仲間、か。そうか、そうだな。仲間を助けるのは迷惑ではねぇよな。」
イッカクが、フッと小さく笑いました。
「だから、何かあったら1人で考えてないで、私を呼んでください。
そしたら、すぐに手を差し伸べますから、ハートの海賊団、その他大勢は、迷わずに私の手を掴んで、
ありがとうと言ってください。それでいいんです。」
そう言って、なまえが差し伸べた手を、イッカクが握りしめました。
「あぁ、ありがとうな。」
なまえの手を借りて立ち上がったイッカクが、感謝の言葉を伝えました。
いつもなら、恥ずかしくて、こんなこと言えません。
どう頑張っても、照れ臭くて、強がるような言い方しか出来ません。
でも、ただただひたすら真っすぐななまえを見ていたら、イッカク自身も驚くほど素直に、感謝の言葉が口から零れていたのです。
でも、なまえがイッカクの頭に手をポンと優しく乗せると、さすがに恥ずかしくなって赤面させます。
「おい!なにやってんだ…!ガキじゃねぇんだよ!!」
イッカクが顔を真っ赤にして怒ります。
でも、普段なら乱暴に手を振りほどきそうな彼女が、なまえの手は振りほどこうとはしませんでした。
頭になまえの手を乗せたまま、真っ赤な顔で怒っているイッカクは、強がりだけど甘えん坊な子供みたいでとても可愛くて、船員達の頬は無意識に緩みます。
海賊専用の殺人兵器として造られたなまえのことを毛嫌いしていたり、否定的だった船員がいたのも確かです。
でも、その彼らの目でさえも、いつの間にか柔らかいものになっているから、なまえを中心にして、春の気候とはまた違う温かい空気が包んでいるようでした。