◇No.13◇逃げましょう
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よろけるように前に倒れながら、なまえはケージに押し込まれました。
早くしろと急かすように、海兵の男が華奢な背中を蹴れば、白いワンピースに黒い靴の痕がつきます。
「ハートの海賊団は捕らえたか!?」
なまえの背中を蹴った海兵が、ケージに鍵をかけながら叫びました。
海兵達の話を聞くところによると、ハートの海賊団はうまく逃げられたようでした。
彼らを追いかけた海兵達が、ポーラータング号の出向を確認したそうです。
とりあえず、今回はH0(エイチゼロ)の捕獲が最優先だった海兵達は、深追いはしないことに決めます。
そして、H0(エイチゼロ)を捕獲したケージを軍艦に運ぶ準備を始めました。
なまえは、ケージの中で座り込み、折り曲げた膝を抱えます。
顔を上げれば、青い空が見えました。
ポーラータング号の丸窓から見た青い海のように、澄んでいて綺麗な青です。
でも、ケージの格子があるせいで、とても狭く見えました。
ポーラータング号の船室で、一晩中見上げていたケージのない天井の方が広かったように感じるくらいです。
ケージ越しに見る青い空はまるで、このケージに捕らえられてしまった青い海のようです。
もう二度と、あの青い海に触れることは許されません。
このまま本当にスクラップ行きなのでしょうか。
それとも、プログラムを修正されて、また海賊専用の殺人兵器として働くことになるのでしょうか。
どちらにしろ、なまえは、このケージの中で一生を終えるH0(エイチゼロ)に戻ったのです。
名前はもうありません。
そのはず、だったのですが——。
ガシャン!という音とともに、見上げていた格子越しの狭い空の風景に突然、黒い影が現れました。
「なまえ、もう二度とケージに戻るなと命令したはずだ。」
ケージの上に飛び乗り、失くしたはずのなまえの名前を呼んだのは、ローでした。
出向したはずのローの登場に、海兵達は驚きと戸惑いを隠せません。
トラファルガーだ!捕えろ!と騒ぎ出した海兵達の声を無視して、ローはケージの中のなまえに訊ねます。
「それとも、またケージに戻りてぇのか?」
「・・・・ケージには戻りません。」
「なら、頭を下げて屈め。」
なまえが言われた通りに頭を屈めると、ローが、背中に抱えていた大太刀の妖刀『鬼哭』を抜きました。
海兵達が「あ!」と思ったときにはもう、ローが振り下ろした鬼哭によって、ケージが斜めに真っ二つになっていました。
なまえから見える視界は一気に開け、その中心でローが自分を見下ろして手を差し伸べています。
でも、その手の意味を、なまえは理解出来ません。
自分が誰かに手を差し伸べたこともなければ、手を差し伸べられたこともないのですから、その手をどうすればいいのか、分かるはずがないのです。
でも、海兵達は今まさに攻撃を仕掛けようとしていて、時間もありません。
「チッ。」
苛立ったように舌打ちをしたローが、強引になまえの腕を掴んで壊れたケージの中から引きあげます。
細く華奢な女性の身体つきをしているなまえですが、機械で出来ているロボットなので、それなりに重いのですが、ローはなまえの腰に腕をまわして、片手で軽々と持ち上げました。
そうすると、腰で折れ曲がるように持ち上げられたなまえの背中が、ちょうどローの視界に入ります。
ボロボロの白いワンピースに残る黒い靴跡を見つけたローが、眉を顰めました。
「お前の背中を蹴ったのはどいつだ?」
「彼です。」
なまえが1人の海兵を指さしました
そうか——、そう呟くように言って、ローがROOMを唱えます。
そして、オペオペの実の能力によって、最初に身体を持ち上げられたのは、なまえの背中を蹴った海兵でした。
悲鳴を上げた彼の身体が、バラバラになりました。
早くしろと急かすように、海兵の男が華奢な背中を蹴れば、白いワンピースに黒い靴の痕がつきます。
「ハートの海賊団は捕らえたか!?」
なまえの背中を蹴った海兵が、ケージに鍵をかけながら叫びました。
海兵達の話を聞くところによると、ハートの海賊団はうまく逃げられたようでした。
彼らを追いかけた海兵達が、ポーラータング号の出向を確認したそうです。
とりあえず、今回はH0(エイチゼロ)の捕獲が最優先だった海兵達は、深追いはしないことに決めます。
そして、H0(エイチゼロ)を捕獲したケージを軍艦に運ぶ準備を始めました。
なまえは、ケージの中で座り込み、折り曲げた膝を抱えます。
顔を上げれば、青い空が見えました。
ポーラータング号の丸窓から見た青い海のように、澄んでいて綺麗な青です。
でも、ケージの格子があるせいで、とても狭く見えました。
ポーラータング号の船室で、一晩中見上げていたケージのない天井の方が広かったように感じるくらいです。
ケージ越しに見る青い空はまるで、このケージに捕らえられてしまった青い海のようです。
もう二度と、あの青い海に触れることは許されません。
このまま本当にスクラップ行きなのでしょうか。
それとも、プログラムを修正されて、また海賊専用の殺人兵器として働くことになるのでしょうか。
どちらにしろ、なまえは、このケージの中で一生を終えるH0(エイチゼロ)に戻ったのです。
名前はもうありません。
そのはず、だったのですが——。
ガシャン!という音とともに、見上げていた格子越しの狭い空の風景に突然、黒い影が現れました。
「なまえ、もう二度とケージに戻るなと命令したはずだ。」
ケージの上に飛び乗り、失くしたはずのなまえの名前を呼んだのは、ローでした。
出向したはずのローの登場に、海兵達は驚きと戸惑いを隠せません。
トラファルガーだ!捕えろ!と騒ぎ出した海兵達の声を無視して、ローはケージの中のなまえに訊ねます。
「それとも、またケージに戻りてぇのか?」
「・・・・ケージには戻りません。」
「なら、頭を下げて屈め。」
なまえが言われた通りに頭を屈めると、ローが、背中に抱えていた大太刀の妖刀『鬼哭』を抜きました。
海兵達が「あ!」と思ったときにはもう、ローが振り下ろした鬼哭によって、ケージが斜めに真っ二つになっていました。
なまえから見える視界は一気に開け、その中心でローが自分を見下ろして手を差し伸べています。
でも、その手の意味を、なまえは理解出来ません。
自分が誰かに手を差し伸べたこともなければ、手を差し伸べられたこともないのですから、その手をどうすればいいのか、分かるはずがないのです。
でも、海兵達は今まさに攻撃を仕掛けようとしていて、時間もありません。
「チッ。」
苛立ったように舌打ちをしたローが、強引になまえの腕を掴んで壊れたケージの中から引きあげます。
細く華奢な女性の身体つきをしているなまえですが、機械で出来ているロボットなので、それなりに重いのですが、ローはなまえの腰に腕をまわして、片手で軽々と持ち上げました。
そうすると、腰で折れ曲がるように持ち上げられたなまえの背中が、ちょうどローの視界に入ります。
ボロボロの白いワンピースに残る黒い靴跡を見つけたローが、眉を顰めました。
「お前の背中を蹴ったのはどいつだ?」
「彼です。」
なまえが1人の海兵を指さしました
そうか——、そう呟くように言って、ローがROOMを唱えます。
そして、オペオペの実の能力によって、最初に身体を持ち上げられたのは、なまえの背中を蹴った海兵でした。
悲鳴を上げた彼の身体が、バラバラになりました。