◇No.65◇漂流船は救いを求めています
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漂流の途中で見つけた島の港へと船をつけたハートの海賊団は、船長のローを先頭に、数名の仲間を残し、上陸することに決まりました。
船に残った仲間のまとめることを指示されたペンギンら居残り組は、船縁からスロープを降りていく上陸組を見送ります。
「なまえが起きても、俺が戻るまで待ってるように伝えろ。」
昼寝から起きる様子のなかったなまえを船長室のベッドに眠らせてきたローは、ペンギンにそう指示を出すと、返事を待たずに早足で上陸組の最後尾に並びました。
「キャプテンは、何を見てるんですか。」
ペンギンが、ローの背中に訊ねます。
ピタリ、と足を止めたローは、後ろを振り向きました。
対峙するかたちになると、ペンギンは途端に震える手で拳を握り、不安を誤魔化しました。
訊ねたのに、彼の返事を聞くのは怖かったのかもしれません。
ローは、呆気なく答えることはありませんでした。
ですが、勿体ぶって、長い沈黙があったわけでもありません。
ローが口を開くために息を吸ったのが分かると、ペンギンはゴクリと生唾を飲み込みました。
「頼んだぞ。」
ローは、ペンギンの予想した答えは言いませんでした。
そもそも、返事はしなかったのです。
短くそう言った後、ローは、先にスロープを降りたベポ達を早足で追いかけます。
「———あいあい、キャプテン。」
怖いくらいに島の奥を睨みつけたペンギンは、震える拳にさらに力を込めて握りしめました。
本当は、彼が答えを口にしないことは、分かっていたのです。
だって、その答えを知っている者に、わざわざ教えてやることなど、ありませんから———。
船に残った仲間のまとめることを指示されたペンギンら居残り組は、船縁からスロープを降りていく上陸組を見送ります。
「なまえが起きても、俺が戻るまで待ってるように伝えろ。」
昼寝から起きる様子のなかったなまえを船長室のベッドに眠らせてきたローは、ペンギンにそう指示を出すと、返事を待たずに早足で上陸組の最後尾に並びました。
「キャプテンは、何を見てるんですか。」
ペンギンが、ローの背中に訊ねます。
ピタリ、と足を止めたローは、後ろを振り向きました。
対峙するかたちになると、ペンギンは途端に震える手で拳を握り、不安を誤魔化しました。
訊ねたのに、彼の返事を聞くのは怖かったのかもしれません。
ローは、呆気なく答えることはありませんでした。
ですが、勿体ぶって、長い沈黙があったわけでもありません。
ローが口を開くために息を吸ったのが分かると、ペンギンはゴクリと生唾を飲み込みました。
「頼んだぞ。」
ローは、ペンギンの予想した答えは言いませんでした。
そもそも、返事はしなかったのです。
短くそう言った後、ローは、先にスロープを降りたベポ達を早足で追いかけます。
「———あいあい、キャプテン。」
怖いくらいに島の奥を睨みつけたペンギンは、震える拳にさらに力を込めて握りしめました。
本当は、彼が答えを口にしないことは、分かっていたのです。
だって、その答えを知っている者に、わざわざ教えてやることなど、ありませんから———。