◇サイト再開記念特別編◇貴方と私と永遠の愛、それがすべてです
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淡くなっていくなまえの笑顔をぼんやりと眺めていたローは、ゆっくりと瞼を押し上げます。
最初に見えたのは、見慣れた船長室の天井でした。
(あぁ…、夢…。)
ローは、右手を瞳の上に重ねて視界を隠します。
なんて優しくて、残酷で、悲しく、愛に溢れた切ない夢でしょうか。
夢の中にいたのは、自分にフランクに話しかけて、無邪気に笑うなまえと、ただただ彼女が愛おしくて仕方がない自分でした。
願いのすべてが叶った夢だったのです。
(どうして———。)
どうして、夢だったのでしょうか。
あれが現実なら、どんなによかったことでしょう。
願いはただ一つなのです。
ただずっと、彼女と一緒にいたい。それだけです。
「ロー、どうしましたか?悲しい夢を見ましたか?」
隣から、いつもの話し方のなまえがの声がしました。
その途端に、胸に溢れるのは〝悲しみ〟でも〝寂しさ〟でもなく、ただ〝愛おしさ〟でした。
とても不思議ですが、夢だと気づいたとき、フランクに話しかけてくれたなまえの姿を恋しく思ったはずなのに、丁寧に話すその言葉遣いが、彼女らしくて『あぁ、よかった。』と思ったのです。
「いや————。
あぁ、少し・・・哀しい夢を見た。」
否定をしようとしたローですが、すぐに思い直しました。
理由なら簡単です。
愛おしい人に、甘えたくなっただけです。
優しすぎて残酷な夢を見た夜くらい、たまには、甘えたくなったのです。
「分かりました。
私がギューをして、哀しいのを忘れさせます。
さぁ、どうぞ。どんとこい。」
なまえが、寝たままこちらを向いて両手を広げます。
真剣な瞳は『どんとこい。』というセリフがとても似合っていました。
どこで覚えたのか———。
思ってたのとは何か違いましたが、それが彼女の可愛いところで、呆気なくローを笑わせます。
「あぁ、よろしく。」
少し吹き出した後、苦笑いを噛み殺して、ローはなまえの腕の中に潜り込みました。
彼の大きな背中を、なまえの細く華奢な腕が包み込みます。
休みなく動き続ける機械の音が、自身の心臓の音と重なって、ローの心を穏やかにしていきます。
(今、があればいい。なまえと音を重ねてる今が、あれば———。)
以前、イッカクが言った言葉を思い返しながら、自分に言い聞かせるように、ローは心の中で同じ言葉を繰り返します。
そうやって、いつかやってくる未来の寂しさに打ちのめされそうになっている自分自身を救いたかったのです。
あぁ、でも———。
「私達はずっと一緒ですよ。」
柔らかいなまえの声は、愛と優しさで出来ているみたいでした。
それは、幸せな体温になって、寂しさに支配されそうになっていたローの心を包みこみます。
「あぁ、そうだな。」
少しだけ唇を噛んで、ローはなまえの背中をギュッと抱きしめ返しました。
いつの時代も、それが人間でも、機械でも、〝心〟を救うのは、自分を騙す言葉ではなくて、愛する人からの愛の言葉なのかもしれません。
そして気づくのです。
今、ここにいるのは、いつものように話しかけて、無邪気に愛してくれるなまえと、ただただ彼女が愛おしくて仕方がない自分なのです。
願いのすべてはもう、ローが強く抱きしめる腕の中にありました。
最初に見えたのは、見慣れた船長室の天井でした。
(あぁ…、夢…。)
ローは、右手を瞳の上に重ねて視界を隠します。
なんて優しくて、残酷で、悲しく、愛に溢れた切ない夢でしょうか。
夢の中にいたのは、自分にフランクに話しかけて、無邪気に笑うなまえと、ただただ彼女が愛おしくて仕方がない自分でした。
願いのすべてが叶った夢だったのです。
(どうして———。)
どうして、夢だったのでしょうか。
あれが現実なら、どんなによかったことでしょう。
願いはただ一つなのです。
ただずっと、彼女と一緒にいたい。それだけです。
「ロー、どうしましたか?悲しい夢を見ましたか?」
隣から、いつもの話し方のなまえがの声がしました。
その途端に、胸に溢れるのは〝悲しみ〟でも〝寂しさ〟でもなく、ただ〝愛おしさ〟でした。
とても不思議ですが、夢だと気づいたとき、フランクに話しかけてくれたなまえの姿を恋しく思ったはずなのに、丁寧に話すその言葉遣いが、彼女らしくて『あぁ、よかった。』と思ったのです。
「いや————。
あぁ、少し・・・哀しい夢を見た。」
否定をしようとしたローですが、すぐに思い直しました。
理由なら簡単です。
愛おしい人に、甘えたくなっただけです。
優しすぎて残酷な夢を見た夜くらい、たまには、甘えたくなったのです。
「分かりました。
私がギューをして、哀しいのを忘れさせます。
さぁ、どうぞ。どんとこい。」
なまえが、寝たままこちらを向いて両手を広げます。
真剣な瞳は『どんとこい。』というセリフがとても似合っていました。
どこで覚えたのか———。
思ってたのとは何か違いましたが、それが彼女の可愛いところで、呆気なくローを笑わせます。
「あぁ、よろしく。」
少し吹き出した後、苦笑いを噛み殺して、ローはなまえの腕の中に潜り込みました。
彼の大きな背中を、なまえの細く華奢な腕が包み込みます。
休みなく動き続ける機械の音が、自身の心臓の音と重なって、ローの心を穏やかにしていきます。
(今、があればいい。なまえと音を重ねてる今が、あれば———。)
以前、イッカクが言った言葉を思い返しながら、自分に言い聞かせるように、ローは心の中で同じ言葉を繰り返します。
そうやって、いつかやってくる未来の寂しさに打ちのめされそうになっている自分自身を救いたかったのです。
あぁ、でも———。
「私達はずっと一緒ですよ。」
柔らかいなまえの声は、愛と優しさで出来ているみたいでした。
それは、幸せな体温になって、寂しさに支配されそうになっていたローの心を包みこみます。
「あぁ、そうだな。」
少しだけ唇を噛んで、ローはなまえの背中をギュッと抱きしめ返しました。
いつの時代も、それが人間でも、機械でも、〝心〟を救うのは、自分を騙す言葉ではなくて、愛する人からの愛の言葉なのかもしれません。
そして気づくのです。
今、ここにいるのは、いつものように話しかけて、無邪気に愛してくれるなまえと、ただただ彼女が愛おしくて仕方がない自分なのです。
願いのすべてはもう、ローが強く抱きしめる腕の中にありました。