◇No.60◇〝今〟と〝未来〟は繋がっていると信じます
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イッカクの部屋にもなまえを見つけられなかったローは、それなら、と彼女の部屋に行ってみましたが、そこにもいませんでした。
ついでにと一緒についてきたベポ達も、何処に行ったのだろうかと首を傾げます。
食堂にでも見つけられなかったロー達は、また甲板に戻ってきました。
そして奥に、賑やかな一角を見つけます。
船員達が何かを取り囲んで騒いでいるよでした。
「何やってんだー?」
シャチが、好奇心旺盛に声をかけると、船員達が振り返りました。
船員の輪の中から出て来たのは、イッカクでした。
彼女は、誰かの手を引いていました。
それがなまえだということは、ロー達にもすぐに分かったはずでした。
でも、〝誰か〟だと思ってしまったのです。
淡いイエローのドレスと髪飾りが、太陽の光を反射させてキラキラと輝きます。
綺麗に化粧を施した顔は、普段のなまえに色気を足したようでした。
髪も緩く巻いていて、彼女が歩く度にふわりふわりと揺れて、まるで踊っているようでした。
イッカクに手を引かれて、なまえがローの目の前までやって来ます。
そして、美しさに息を呑んだローに、イッカクが話しかけました。
「どうっすか。アタシの親友、綺麗でしょ。」
「あぁ…、そうだな。」
自慢気なイッカクに、ローはそう答えるのが精一杯でした。
出逢ったときから、綺麗な容姿をしているとは思っていました。
恋をしていると気づいたときにはもう、彼女のことが、他の誰よりも綺麗に見えていました。
でも、息が止まる程に綺麗な女性を見るのは、初めてだったのです。
海賊船にこんなことを言うのは可笑しいのかもしれませんが、女神が舞い降りたという表現が一番しっくりきました。
「そうじゃなくて、ちゃんと言ってやってくださいよ。
キャプテンの為に、お洒落したんですから。」
「あぁ…、綺麗、だ。」
仲間達の視線と、素直に女性を褒めることへの気恥ずかしさが、ローの声を途切れがちにしました。
それでもきっと、なまえには十分だったのでしょう。
「よかったです。」
なまえはそう言って、ローの頬に触れました。
誰もが、大好きなローに『綺麗』だと言われたことに、彼女が喜んだのだと思いました。
でも、彼女は、こう続けます。
「ローが、私を見てくれました。」
彼女が、真っすぐにローを見上げて言います。
その時、ズキッと胸に痛みが走りました。
それでやっと、ローは、自分がずっとなまえの顔を見ていなかったことに気がつきました。
これからもずっと笑顔を見ているために頑張っているつもりだったのに、大切な彼女に寂しい思いをさせ、その寂しい顔すらも見てやれていなかったのですから。
そばで、ニヤニヤと成り行きを見守っていた男達も、自分達の間違いを知ったのか、気まずそうに頭をかいていました。
ついでにと一緒についてきたベポ達も、何処に行ったのだろうかと首を傾げます。
食堂にでも見つけられなかったロー達は、また甲板に戻ってきました。
そして奥に、賑やかな一角を見つけます。
船員達が何かを取り囲んで騒いでいるよでした。
「何やってんだー?」
シャチが、好奇心旺盛に声をかけると、船員達が振り返りました。
船員の輪の中から出て来たのは、イッカクでした。
彼女は、誰かの手を引いていました。
それがなまえだということは、ロー達にもすぐに分かったはずでした。
でも、〝誰か〟だと思ってしまったのです。
淡いイエローのドレスと髪飾りが、太陽の光を反射させてキラキラと輝きます。
綺麗に化粧を施した顔は、普段のなまえに色気を足したようでした。
髪も緩く巻いていて、彼女が歩く度にふわりふわりと揺れて、まるで踊っているようでした。
イッカクに手を引かれて、なまえがローの目の前までやって来ます。
そして、美しさに息を呑んだローに、イッカクが話しかけました。
「どうっすか。アタシの親友、綺麗でしょ。」
「あぁ…、そうだな。」
自慢気なイッカクに、ローはそう答えるのが精一杯でした。
出逢ったときから、綺麗な容姿をしているとは思っていました。
恋をしていると気づいたときにはもう、彼女のことが、他の誰よりも綺麗に見えていました。
でも、息が止まる程に綺麗な女性を見るのは、初めてだったのです。
海賊船にこんなことを言うのは可笑しいのかもしれませんが、女神が舞い降りたという表現が一番しっくりきました。
「そうじゃなくて、ちゃんと言ってやってくださいよ。
キャプテンの為に、お洒落したんですから。」
「あぁ…、綺麗、だ。」
仲間達の視線と、素直に女性を褒めることへの気恥ずかしさが、ローの声を途切れがちにしました。
それでもきっと、なまえには十分だったのでしょう。
「よかったです。」
なまえはそう言って、ローの頬に触れました。
誰もが、大好きなローに『綺麗』だと言われたことに、彼女が喜んだのだと思いました。
でも、彼女は、こう続けます。
「ローが、私を見てくれました。」
彼女が、真っすぐにローを見上げて言います。
その時、ズキッと胸に痛みが走りました。
それでやっと、ローは、自分がずっとなまえの顔を見ていなかったことに気がつきました。
これからもずっと笑顔を見ているために頑張っているつもりだったのに、大切な彼女に寂しい思いをさせ、その寂しい顔すらも見てやれていなかったのですから。
そばで、ニヤニヤと成り行きを見守っていた男達も、自分達の間違いを知ったのか、気まずそうに頭をかいていました。