◇No.6◇質問に答えます
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事の始まりは、1週間ほど前。研究施設の彼女の部屋に男が現れたことでした。
その男が誰なのか彼女は分かりませんでしたが、もしかすると、過去にデータを全消去されただけかもしれません。
少なくとも、彼女の手を引いて逃げるように急かす男は、研究施設の至るところに配置してある監視電伝虫の位置も隙も知り尽くしていたので、何らかのかたちで研究施設に関連する人物の可能性が高いはずです。
それから男は、彼女を脱出用の船に乗せると、彼女のプログラムの中枢をかきかえました。
それによって、海賊を見つけ次第始末するところを、海兵や世界政府の関係者を見つけ次第逃亡するように変わったのです。
「それで、その男はどこへ行った?」
「分かりません。私を船に乗せた後、どこかへ行きました。」
ローから無意識に舌打ちが漏れました。
世界政府が秘密裏に作っていた人間兵器を手に入れたのですから、出来る限りの情報を引き出したかったのです。
その男は彼女について詳しい情報を持っていそうなだけに、残念でなりません。
「とりあえず、助けちまったからには、次の島まではお前を乗せておいてやる。
後は自分で逃げるなり、捕まるなりすればいい。」
「え!?キャプテン、彼女を船から降ろしちゃうの!?
俺が世話すればいいって言ったのに!!」
ベポが叫ぶように抗議しました。
ですが、ローはもう次の島で彼女を船から降ろすと決めているようでした。
納得出来ずに、どうしてだと繰り返すベポに答えたのは、ペンギンでした。
「世界政府が作った対海賊専用の殺人兵器なんて危険なものは置いてられねぇだろ。
ソイツがいる限り、俺達まで世界政府に狙われることになるんだぞ。
ソイツの為に仲間の命も危険に晒す気か。」
ペンギンの言うことは、至極真っ当でした。
実際、CP0から逃げてきたときも、ハートの海賊団に負傷者が出なかったのは運がよかったのと、潜水艦で出向するところだったために圧倒的有利だったことが大きかったのは理解しています。
ベポはグッと堪えて、抗議を諦めました。
ビームを出せるロボットが仲間になるかもしれないと、実はコッソリ期待していたシャチも、残念そうに肩を落とします。
「それなら、彼女の行きたい島に降ろしてあげようよ。
ね?それくらいはしてあげてもいいでしょ?」
ベポが、ローの腕を握りしめて甘えるように懇願します。
少し考えるようなそぶりを見せたローでしたが、ペンギンとシャチには、考える必要もなく答えは分かりきっていました。
だって、ローはいつも、ベポには、呆れるくらいに甘いですから。
ほらー。
「勝手にしろ。」
ため息交じりにローは言いましたが、結局はベポの願いを聞いてやることにしたようです。
やっぱり、ペンギンとシャチの思った通りでした。
「ありがとう!!キャプテン!!」
感激した様子で、ベポがローに抱き着きました。
モフモフに包まれて、ローはまんざらでもない顔をして口の端を上げます。
本当に、ローはベポが大好きなようです。
「キャプテンがお前の行きたい島に連れてってくれるって!
ねぇ、何処に行きたい?俺は世界一の航海士だから、何処にだって連れていけるよ!!」
「どこでもですか?」
「うん!何処か行きたいところがあるのか?!」
「愛のない島に。」
「へ?」
「愛のない島に連れて行ってください。」
彼女は、真っすぐにベポを見て言いました。
とても悲しいリクエストに、何と答えてやればいいのかベポには分かりませんでした。
それでも彼女は、まるで壊れた機械のように繰り返します。
愛のない島に連れて行ってくれ、とー。
その男が誰なのか彼女は分かりませんでしたが、もしかすると、過去にデータを全消去されただけかもしれません。
少なくとも、彼女の手を引いて逃げるように急かす男は、研究施設の至るところに配置してある監視電伝虫の位置も隙も知り尽くしていたので、何らかのかたちで研究施設に関連する人物の可能性が高いはずです。
それから男は、彼女を脱出用の船に乗せると、彼女のプログラムの中枢をかきかえました。
それによって、海賊を見つけ次第始末するところを、海兵や世界政府の関係者を見つけ次第逃亡するように変わったのです。
「それで、その男はどこへ行った?」
「分かりません。私を船に乗せた後、どこかへ行きました。」
ローから無意識に舌打ちが漏れました。
世界政府が秘密裏に作っていた人間兵器を手に入れたのですから、出来る限りの情報を引き出したかったのです。
その男は彼女について詳しい情報を持っていそうなだけに、残念でなりません。
「とりあえず、助けちまったからには、次の島まではお前を乗せておいてやる。
後は自分で逃げるなり、捕まるなりすればいい。」
「え!?キャプテン、彼女を船から降ろしちゃうの!?
俺が世話すればいいって言ったのに!!」
ベポが叫ぶように抗議しました。
ですが、ローはもう次の島で彼女を船から降ろすと決めているようでした。
納得出来ずに、どうしてだと繰り返すベポに答えたのは、ペンギンでした。
「世界政府が作った対海賊専用の殺人兵器なんて危険なものは置いてられねぇだろ。
ソイツがいる限り、俺達まで世界政府に狙われることになるんだぞ。
ソイツの為に仲間の命も危険に晒す気か。」
ペンギンの言うことは、至極真っ当でした。
実際、CP0から逃げてきたときも、ハートの海賊団に負傷者が出なかったのは運がよかったのと、潜水艦で出向するところだったために圧倒的有利だったことが大きかったのは理解しています。
ベポはグッと堪えて、抗議を諦めました。
ビームを出せるロボットが仲間になるかもしれないと、実はコッソリ期待していたシャチも、残念そうに肩を落とします。
「それなら、彼女の行きたい島に降ろしてあげようよ。
ね?それくらいはしてあげてもいいでしょ?」
ベポが、ローの腕を握りしめて甘えるように懇願します。
少し考えるようなそぶりを見せたローでしたが、ペンギンとシャチには、考える必要もなく答えは分かりきっていました。
だって、ローはいつも、ベポには、呆れるくらいに甘いですから。
ほらー。
「勝手にしろ。」
ため息交じりにローは言いましたが、結局はベポの願いを聞いてやることにしたようです。
やっぱり、ペンギンとシャチの思った通りでした。
「ありがとう!!キャプテン!!」
感激した様子で、ベポがローに抱き着きました。
モフモフに包まれて、ローはまんざらでもない顔をして口の端を上げます。
本当に、ローはベポが大好きなようです。
「キャプテンがお前の行きたい島に連れてってくれるって!
ねぇ、何処に行きたい?俺は世界一の航海士だから、何処にだって連れていけるよ!!」
「どこでもですか?」
「うん!何処か行きたいところがあるのか?!」
「愛のない島に。」
「へ?」
「愛のない島に連れて行ってください。」
彼女は、真っすぐにベポを見て言いました。
とても悲しいリクエストに、何と答えてやればいいのかベポには分かりませんでした。
それでも彼女は、まるで壊れた機械のように繰り返します。
愛のない島に連れて行ってくれ、とー。