◇No.55◇水着は好きですか?
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船長室に戻って来たローは、お気に入りの大きなソファに腰を降ろすと、なまえを隣に座らせ、彼女の水着姿を堪能していました。
服を着ているか、裸か———両極端ばかりを見せられていましたから、小さな布でかろうじて隠されて、見せそうで見えないそれが、ローの男心をくすぐります。
「ローは水着は好きですか?」
胸元からうなじへ伸びてリボン結びされている水着の紐を指で触れると、なまえが訊ねました。
正直に言えば、ローが、ペンギンやシャチのように、若い女の水着姿に興奮するようなことはありません。
性的な目で見るのは、自分がそれを欲している時だけですし、その場合は、水着ですら邪魔な布に過ぎません。
ですが、その水着をなまえが身につけているとなると、全く意味が変わります。
それを、ローもついさっき、知ったばかりでしたが。
「俺だけの視界に閉じ込めてぇ程度には、好きだな。」
「それは、とても好きということですか?」
「伝わったみてぇでよかった。」
ローがククッと喉を鳴らしました。
すると、なまえは、躊躇いもなく、うなじのリボンを解きました。
結び目を解かれた水着の紐がハラりと落ちて、綺麗な胸が露になります。
そして、なまえは、器用に背中のリボンも解いて、水着を脱ぎだしました。
「どうぞ、ローにあげます。」
脱いだばかりの水着を握り、なまえはローに差し出しました。
呆気にとられた後、ローは、全く彼女に伝わっていないことを知りました。
思わず小さく吹き出してしまいます。
こんな風にローを笑わせてくれるのは、きっと、この広い世界で彼女だけでしょう。
そもそも、他の誰かが同じようなことをすれば、ローに冷めた視線を向けられて終わりでしょうけれど。
なまえだけが、ローの優しさと寵愛を真っすぐに受けて、甘やかされているのです。
それは、ロー自身も無意識ですから、それが恋の怖いところです。
ローは、なまえから水着を受け取ることはせずに、その代わりに彼女の両脇に手を差し入れました。
そして、軽々と彼女を持ち上げて、自分の膝の上に座らせます。
とうとう、なまえは、小さな布1枚だけのあられもない姿になっています。
「水着より、俺はこっちが欲しい。」
「はい、私の所有者は、ローです。」
なまえが当然のように答えたそれに、ローは思わず眉を顰めます。
そして、すかさず否定をしました。
「俺はお前の恋人だ。
船長だとは言ったが、所有者になったつもりは1度もねぇ。」
「それなら、私の今の所有者は誰ですか?」
「お前だ。」
「私ですか?」
なまえは、よく分からないという様子で首を傾げました。
だから、ローは教えてやります。
「お前は、お前のもんだ。やりてぇことをして、やりてぇように生きればいい。
———俺の目の届く範囲でな。」
「分かりました。
私は、ローと一緒にいたいので、ずっとそばにいます。
それが、私の生きたい生き方です。」
「そりゃいいな。」
ローは満足気に口の端を上げると、なまえの頬に手を添えました。
なまえも、それが何を示すのかを覚えたのでしょう。
自然と、彼女の瞼が閉じて、2人の唇が重なりました。
もしも、ローが抱きしめている彼女が、機械でなければ———。
今夜、ローはなまえを抱いて眠ったはずです。
でも、彼は、彼女にパジャマを着せてベッドに入ると、ただ包むように優しく抱きしめました。
殺戮兵器として生まれた彼女が、男女の行為に対応しているのかは分かりません。
確かめようとも、ローは望んでいませんでした。
なまえと身体を重ねたいと思わないわけではありません。
恋をしている相手の裸を前にして、欲情しないわけがありません。
でも、そばにいて、手を握って、抱きしめて、唇を重ねるだけで、幸せでした。
そして、何よりも、ローは、なまえが大切だったのです。
眠ることは出来ないのに、ローの腕の中で瞼を閉じたなまえの髪を、ローは優しく撫でました。
無理をさせて、彼女の身体に何か不具合が起きてしまうくらいなら、このままで、ただずっと、このままで———。
服を着ているか、裸か———両極端ばかりを見せられていましたから、小さな布でかろうじて隠されて、見せそうで見えないそれが、ローの男心をくすぐります。
「ローは水着は好きですか?」
胸元からうなじへ伸びてリボン結びされている水着の紐を指で触れると、なまえが訊ねました。
正直に言えば、ローが、ペンギンやシャチのように、若い女の水着姿に興奮するようなことはありません。
性的な目で見るのは、自分がそれを欲している時だけですし、その場合は、水着ですら邪魔な布に過ぎません。
ですが、その水着をなまえが身につけているとなると、全く意味が変わります。
それを、ローもついさっき、知ったばかりでしたが。
「俺だけの視界に閉じ込めてぇ程度には、好きだな。」
「それは、とても好きということですか?」
「伝わったみてぇでよかった。」
ローがククッと喉を鳴らしました。
すると、なまえは、躊躇いもなく、うなじのリボンを解きました。
結び目を解かれた水着の紐がハラりと落ちて、綺麗な胸が露になります。
そして、なまえは、器用に背中のリボンも解いて、水着を脱ぎだしました。
「どうぞ、ローにあげます。」
脱いだばかりの水着を握り、なまえはローに差し出しました。
呆気にとられた後、ローは、全く彼女に伝わっていないことを知りました。
思わず小さく吹き出してしまいます。
こんな風にローを笑わせてくれるのは、きっと、この広い世界で彼女だけでしょう。
そもそも、他の誰かが同じようなことをすれば、ローに冷めた視線を向けられて終わりでしょうけれど。
なまえだけが、ローの優しさと寵愛を真っすぐに受けて、甘やかされているのです。
それは、ロー自身も無意識ですから、それが恋の怖いところです。
ローは、なまえから水着を受け取ることはせずに、その代わりに彼女の両脇に手を差し入れました。
そして、軽々と彼女を持ち上げて、自分の膝の上に座らせます。
とうとう、なまえは、小さな布1枚だけのあられもない姿になっています。
「水着より、俺はこっちが欲しい。」
「はい、私の所有者は、ローです。」
なまえが当然のように答えたそれに、ローは思わず眉を顰めます。
そして、すかさず否定をしました。
「俺はお前の恋人だ。
船長だとは言ったが、所有者になったつもりは1度もねぇ。」
「それなら、私の今の所有者は誰ですか?」
「お前だ。」
「私ですか?」
なまえは、よく分からないという様子で首を傾げました。
だから、ローは教えてやります。
「お前は、お前のもんだ。やりてぇことをして、やりてぇように生きればいい。
———俺の目の届く範囲でな。」
「分かりました。
私は、ローと一緒にいたいので、ずっとそばにいます。
それが、私の生きたい生き方です。」
「そりゃいいな。」
ローは満足気に口の端を上げると、なまえの頬に手を添えました。
なまえも、それが何を示すのかを覚えたのでしょう。
自然と、彼女の瞼が閉じて、2人の唇が重なりました。
もしも、ローが抱きしめている彼女が、機械でなければ———。
今夜、ローはなまえを抱いて眠ったはずです。
でも、彼は、彼女にパジャマを着せてベッドに入ると、ただ包むように優しく抱きしめました。
殺戮兵器として生まれた彼女が、男女の行為に対応しているのかは分かりません。
確かめようとも、ローは望んでいませんでした。
なまえと身体を重ねたいと思わないわけではありません。
恋をしている相手の裸を前にして、欲情しないわけがありません。
でも、そばにいて、手を握って、抱きしめて、唇を重ねるだけで、幸せでした。
そして、何よりも、ローは、なまえが大切だったのです。
眠ることは出来ないのに、ローの腕の中で瞼を閉じたなまえの髪を、ローは優しく撫でました。
無理をさせて、彼女の身体に何か不具合が起きてしまうくらいなら、このままで、ただずっと、このままで———。