◇No.55◇水着は好きですか?
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なまえの目の前には、2人の男が立っていました。
力加減を誤ってスイカを粉々にしてしまった為、怒ったベポに、新しいスイカを買ってくるように命令をされたのです。
そのスイカを買いに行った帰りに、なまえに声をかけてきたのが、彼らでした。
カラフルな水着の彼らは、小麦色に焼けた肌が自慢のこの島を地元とする若者です。
こうして海水浴場で若い女を物色しては、気に入った娘に声をかけ、食い物にしています。
その為、地元の人間には危険人物としてよく知られていますが、初めてこの島にやってくる観光客はもちろんそんなこと知りません。
ですから、俗に言うイケメンという部類の容姿をしている彼らに、若い女達は簡単にお持ち帰りされてしまうのです。
「すっごい可愛いよね。名前、何て言うの~?」
「胸のタトゥーもカッコいい~。すげぇお洒落じゃん。」
彼らは、なまえの肩や腰に馴れ馴れしく触れながら、楽しそうに話しかけます。
「なまえです。
これは、ハートです。ローがくれました。」
感触や温度は分からないなまえですが、彼らの手から逃れようと身体を小さくよじります。
嫌悪感というのを覚えたのです。
「えー、もしかして、彼氏?
ねぇ、そんな男よりさ、俺達と遊ぼうよ。」
「絶対に俺達と遊んだ方が楽しいよ~。」
「あなた達とは遊びません。
私は今から、ベポ達とスイカ割りをします。」
「だからスイカ持ってんだ~!
いいね、俺達、スイカ割り得意なんだよ。」
「友達も一緒にスイカ割りしようよ~!」
若い男の1人が、そう言いながら、なまえが抱えていたスイカを取り上げました。
そして、なまえに届かないように、持ち上げてしまいます。
「返してください。」
「だーめ。」
「返してください。ベポ達が待っています。」
「俺達と一緒に遊んでくれるなら、返してあげるって。」
「遊びません。」
スイカを取り返そうと、なまえは、つま先立ちになって両手をあげます。
ですが、どうしても、身長差があって届きません。
空を飛ぶということも出来ますが、ローからは、翼やビームを出したりして、目立つようなことはするなと言われています。
それに、無理やり取り返そうとすると、また力加減を誤ってスイカを粉々に割ってしまうかもしれないと考えて、出来なかったのです。
なまえが、必死に両腕を伸ばせば伸ばすほど、胸が揺れて、水着の小さな面積の布から零れ落ちそうになっていました。
若い男達は、揺れる胸に、鼻の下を伸ばして、意地悪くニヤけました。
「返してください。ベポがスイカを食べるのを楽しみにしています。」
「俺達も一緒に食べさせてよ~。大勢だと楽しいよ~。」
「ダメです。ベポがたくさん食べると言っていました。
あなた達の分はありません。」
「なら、俺達はなまえちゃん、食べるからいいよ~。」
「私は食べ物ではありません。」
「なまえちゃん、すげぇ面白いじゃん。」
若い男達は、楽しそうに声を上げて笑いました。
ですから、真後ろからやってくる恐ろしい殺気に気づかなかったようです。
バゴッ————!
頭上で何かが爆発するような音がした後、ぬるい液体が彼らの髪を濡らし、額や頬を濡らしました。
驚いた彼らは視線を上げます。
そこには、粉々に割れたスイカの残骸を片手で握り潰し、自分達を恐ろしい形相で見下ろしている悪魔がいました。
「俺の女を、誰が食うって?」
「あ…、あの…。」
若い男の声はか細く、震えていました。
その隣で、スイカを持っていたはずの男は、呆然とした様子で、自分の両手を見下ろしていました。
まさか、スイカを片手で粉々に割れる人間がいるなんて、想像もしていなかったのです。
赤い実が垂れているそれは、まるで真っ赤な血のようでした。
自分の両手を凝視していた男から、サーッと血の気が引いて行きます。
なまえの胸元にあったハートのマークと、世界を震撼させている海賊団の名前が、繋がってしまったのです。
「あ~ぁ、お前ら馬鹿だなぁ。キャプテン、ブチギレてるぜ?
俺みたいにバラバラにされるだけならまだマシな方だと思えよ~。」
どこからか間の抜けた声がして、若い男達はその出所を探しました。
そして、すぐに見つけました。
それは、悪魔が肩に乗せた大太刀に括りつけられている網袋の中に、いました。
身体が、バラバラになっている若い男が————。
「ギャーーーーーーーッ!!」
無謀にもなまえをナンパしてお持ち帰りしようとしていた若い男達は、こうして泣きながら逃げていきました。
これで、彼らの悪行が少しはおとなしくなれば良いのですけれど———。
力加減を誤ってスイカを粉々にしてしまった為、怒ったベポに、新しいスイカを買ってくるように命令をされたのです。
そのスイカを買いに行った帰りに、なまえに声をかけてきたのが、彼らでした。
カラフルな水着の彼らは、小麦色に焼けた肌が自慢のこの島を地元とする若者です。
こうして海水浴場で若い女を物色しては、気に入った娘に声をかけ、食い物にしています。
その為、地元の人間には危険人物としてよく知られていますが、初めてこの島にやってくる観光客はもちろんそんなこと知りません。
ですから、俗に言うイケメンという部類の容姿をしている彼らに、若い女達は簡単にお持ち帰りされてしまうのです。
「すっごい可愛いよね。名前、何て言うの~?」
「胸のタトゥーもカッコいい~。すげぇお洒落じゃん。」
彼らは、なまえの肩や腰に馴れ馴れしく触れながら、楽しそうに話しかけます。
「なまえです。
これは、ハートです。ローがくれました。」
感触や温度は分からないなまえですが、彼らの手から逃れようと身体を小さくよじります。
嫌悪感というのを覚えたのです。
「えー、もしかして、彼氏?
ねぇ、そんな男よりさ、俺達と遊ぼうよ。」
「絶対に俺達と遊んだ方が楽しいよ~。」
「あなた達とは遊びません。
私は今から、ベポ達とスイカ割りをします。」
「だからスイカ持ってんだ~!
いいね、俺達、スイカ割り得意なんだよ。」
「友達も一緒にスイカ割りしようよ~!」
若い男の1人が、そう言いながら、なまえが抱えていたスイカを取り上げました。
そして、なまえに届かないように、持ち上げてしまいます。
「返してください。」
「だーめ。」
「返してください。ベポ達が待っています。」
「俺達と一緒に遊んでくれるなら、返してあげるって。」
「遊びません。」
スイカを取り返そうと、なまえは、つま先立ちになって両手をあげます。
ですが、どうしても、身長差があって届きません。
空を飛ぶということも出来ますが、ローからは、翼やビームを出したりして、目立つようなことはするなと言われています。
それに、無理やり取り返そうとすると、また力加減を誤ってスイカを粉々に割ってしまうかもしれないと考えて、出来なかったのです。
なまえが、必死に両腕を伸ばせば伸ばすほど、胸が揺れて、水着の小さな面積の布から零れ落ちそうになっていました。
若い男達は、揺れる胸に、鼻の下を伸ばして、意地悪くニヤけました。
「返してください。ベポがスイカを食べるのを楽しみにしています。」
「俺達も一緒に食べさせてよ~。大勢だと楽しいよ~。」
「ダメです。ベポがたくさん食べると言っていました。
あなた達の分はありません。」
「なら、俺達はなまえちゃん、食べるからいいよ~。」
「私は食べ物ではありません。」
「なまえちゃん、すげぇ面白いじゃん。」
若い男達は、楽しそうに声を上げて笑いました。
ですから、真後ろからやってくる恐ろしい殺気に気づかなかったようです。
バゴッ————!
頭上で何かが爆発するような音がした後、ぬるい液体が彼らの髪を濡らし、額や頬を濡らしました。
驚いた彼らは視線を上げます。
そこには、粉々に割れたスイカの残骸を片手で握り潰し、自分達を恐ろしい形相で見下ろしている悪魔がいました。
「俺の女を、誰が食うって?」
「あ…、あの…。」
若い男の声はか細く、震えていました。
その隣で、スイカを持っていたはずの男は、呆然とした様子で、自分の両手を見下ろしていました。
まさか、スイカを片手で粉々に割れる人間がいるなんて、想像もしていなかったのです。
赤い実が垂れているそれは、まるで真っ赤な血のようでした。
自分の両手を凝視していた男から、サーッと血の気が引いて行きます。
なまえの胸元にあったハートのマークと、世界を震撼させている海賊団の名前が、繋がってしまったのです。
「あ~ぁ、お前ら馬鹿だなぁ。キャプテン、ブチギレてるぜ?
俺みたいにバラバラにされるだけならまだマシな方だと思えよ~。」
どこからか間の抜けた声がして、若い男達はその出所を探しました。
そして、すぐに見つけました。
それは、悪魔が肩に乗せた大太刀に括りつけられている網袋の中に、いました。
身体が、バラバラになっている若い男が————。
「ギャーーーーーーーッ!!」
無謀にもなまえをナンパしてお持ち帰りしようとしていた若い男達は、こうして泣きながら逃げていきました。
これで、彼らの悪行が少しはおとなしくなれば良いのですけれど———。