◇No.51◇愛する人を愛せばいいのです
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なまえとローが、ポーラータング号に戻り、仲間達の集まる甲板にやってくると、ベポやイッカク達が駆け寄って来ました。
そして、手を繋いでいる彼らを見て、2人の関係が変わったことを知ったのです。
そして、とても驚いた顔をした後、嬉しそうに頬を緩ませました。
ですが、なまえは大好きな友人達のそばにシェリーを見つけてしまいました。
行方が分からなくなってしまったなまえのことを心配して、一緒に帰りを待ってくれていたのです。
ですが、なまえにとって、シェリーは、大好きなローを奪っていく敵でした。
だから、彼女は、シェリーを見つけた途端に、ローの手を握ったままで、彼の腰に強く抱き着きました。
まるで、お気に入りのオモチャをとられまいとする小さな子供のようなその仕草に、シェリーは少し驚いたようにした後、可笑しそうにクスリと吹き出しました。
「心配しないで。ローをとって食べたりしないから。」
「ローは食べ物ではありません。」
意味の通じないなまえに、呆気にとられたシェリーでしたが、すぐにまた可笑しそうに吹き出します。
「そうね、ごめんなさいね。
食べられるのはあなたの方だったわ。」
「私も食べ物ではありません。」
なまえが真剣に否定します。
そして、ローを見上げて、訴えます。
「ローは、私を食べますか?私は食べ物ではありません。
彼女はおかしいです。」
「…あぁ、そうだな。お前のことは食わねぇよ。」
少し困った顔をしつつも、なまえの意志を尊重したローのことも面白くて、シェリーは、もうたまらないとばかりにアハハと声を上げて笑います。
ペンギン達にまで笑われて、ローは苦虫を嚙み潰したような顔をしていましたが、それは確かに幸せが成す光景に違いありませんでした。
だって、今ここに、悲しい気持ちでいるものは誰一人もいないのです。
なまえがロボットだということは、シェリーもペンギン達から聞いていました。
それでも、彼女のことを愛してしまったローに驚きはしました。
そして、それを応援しようとしているペンギン達にも驚きました。
でも、とても素敵なことだと思ったのです。
どんな困難や障害があっても、愛してしまったのなら、立ち向かうべきです。
自分の気持ちに嘘を吐いて背を向け、手遅れになってから後悔しても遅いのですから———。
なまえとローのことが心配なだけだったシェリーは、彼らの幸せそうな姿を見れて、満足しました。
そして、すぐに帰るシェリーを、ローが見送るとついてこようとします。
腰には、抱き着くなまえが絡まったままです。
歩きづらそうなローに苦笑して、シェリーは、見送りは必要ないと答えます。
ただ、最後にひとつだけ、彼に伝えておきたいことがありました。
「初めて会った時に、ロー、私に
どうして海賊なんて相手にするのかって聞いたわよね。」
「あぁ。」
なぜ、突然そんなことを聞いてくるのか不思議に思ったローでしたが、素直に頷きました。
腰に抱き着くなまえは、相変わらず、シェリーを敵視していて、言葉を交わせば交わすほど、腕の力が強くなっていました。
ロボットのなまえに〝愛〟という感情が宿ったことが分かった今、彼女に心が生まれたことは、紛れもない事実でした。
だから、腰に加わる彼女の力が、嫉妬という感情から来るものだということをローはもう理解しています。
心などないと思っていた彼女から、感情を見つけることが出来るのは、ローにとって嬉しいことでした。
ですが、そろそろローの腰は折れてしまいそうだったので、出来れば、早く会話を終わらせたいのが、彼の正直な気持ちでした。
「昔、愛した人が海賊だったの。
新聞で彼のことを知ってからずっと、私はあの日をやり直そうとしてる。
もう一度、彼に会えたら、私は気持ちを伝えて、絶対について行きたいから。」
死んだ人とは、もう二度とやり直せないのにね———。
シェリーは、とても寂しそうに言いました。
澄んだ綺麗な瞳は凛としていましたが、とても弱々しく泣いてもいました。
そして、シェリーは「だから、」と続けます。
「私みたいにならないで。
隣に愛する人がいてくれるときに、ちゃんと愛してあげて。
たくさん大切なものはあるだろうけど、愛以上に大切なものなんてないはずだから。」
シャリーは、同じことをなまえにも言いました。
なまえが、その言葉の意味を理解したかは分かりません。
ですが、なまえは、堂々と答えます。
「ローは私の愛です。世界で一番大好きで、大切です。
ロー以上に大切なものはありません。私は、ローの為なら壊れてもいいです。
誰よりも愛し———。」
「なまえ、もういい。お前の気持ちは十分わかった。」
ローが、なまえの口を両手で塞ぎました。
ペンギン達のニヤけた顔が、いたたまれなかったのです。
シェリーは可笑しそうに笑った後、少し晴れ晴れした顔をして帰っていきました。
もう二度とやり直せない後悔を、自分の代わりにローとなまえが、やり直してくれたような気持ちだったのかもしれません。
「なまえ、もう離せ。俺が死ぬ。」
「死んでも、私はローが愛おしいです。」
「…お前は俺をどうしたいんだ。」
聞き覚えのある寒気がするような甘い台詞に、ローは呟くように訊ねました。
爆笑してしまったシャチは、この後、ローにバラバラにされました。
そして、手を繋いでいる彼らを見て、2人の関係が変わったことを知ったのです。
そして、とても驚いた顔をした後、嬉しそうに頬を緩ませました。
ですが、なまえは大好きな友人達のそばにシェリーを見つけてしまいました。
行方が分からなくなってしまったなまえのことを心配して、一緒に帰りを待ってくれていたのです。
ですが、なまえにとって、シェリーは、大好きなローを奪っていく敵でした。
だから、彼女は、シェリーを見つけた途端に、ローの手を握ったままで、彼の腰に強く抱き着きました。
まるで、お気に入りのオモチャをとられまいとする小さな子供のようなその仕草に、シェリーは少し驚いたようにした後、可笑しそうにクスリと吹き出しました。
「心配しないで。ローをとって食べたりしないから。」
「ローは食べ物ではありません。」
意味の通じないなまえに、呆気にとられたシェリーでしたが、すぐにまた可笑しそうに吹き出します。
「そうね、ごめんなさいね。
食べられるのはあなたの方だったわ。」
「私も食べ物ではありません。」
なまえが真剣に否定します。
そして、ローを見上げて、訴えます。
「ローは、私を食べますか?私は食べ物ではありません。
彼女はおかしいです。」
「…あぁ、そうだな。お前のことは食わねぇよ。」
少し困った顔をしつつも、なまえの意志を尊重したローのことも面白くて、シェリーは、もうたまらないとばかりにアハハと声を上げて笑います。
ペンギン達にまで笑われて、ローは苦虫を嚙み潰したような顔をしていましたが、それは確かに幸せが成す光景に違いありませんでした。
だって、今ここに、悲しい気持ちでいるものは誰一人もいないのです。
なまえがロボットだということは、シェリーもペンギン達から聞いていました。
それでも、彼女のことを愛してしまったローに驚きはしました。
そして、それを応援しようとしているペンギン達にも驚きました。
でも、とても素敵なことだと思ったのです。
どんな困難や障害があっても、愛してしまったのなら、立ち向かうべきです。
自分の気持ちに嘘を吐いて背を向け、手遅れになってから後悔しても遅いのですから———。
なまえとローのことが心配なだけだったシェリーは、彼らの幸せそうな姿を見れて、満足しました。
そして、すぐに帰るシェリーを、ローが見送るとついてこようとします。
腰には、抱き着くなまえが絡まったままです。
歩きづらそうなローに苦笑して、シェリーは、見送りは必要ないと答えます。
ただ、最後にひとつだけ、彼に伝えておきたいことがありました。
「初めて会った時に、ロー、私に
どうして海賊なんて相手にするのかって聞いたわよね。」
「あぁ。」
なぜ、突然そんなことを聞いてくるのか不思議に思ったローでしたが、素直に頷きました。
腰に抱き着くなまえは、相変わらず、シェリーを敵視していて、言葉を交わせば交わすほど、腕の力が強くなっていました。
ロボットのなまえに〝愛〟という感情が宿ったことが分かった今、彼女に心が生まれたことは、紛れもない事実でした。
だから、腰に加わる彼女の力が、嫉妬という感情から来るものだということをローはもう理解しています。
心などないと思っていた彼女から、感情を見つけることが出来るのは、ローにとって嬉しいことでした。
ですが、そろそろローの腰は折れてしまいそうだったので、出来れば、早く会話を終わらせたいのが、彼の正直な気持ちでした。
「昔、愛した人が海賊だったの。
新聞で彼のことを知ってからずっと、私はあの日をやり直そうとしてる。
もう一度、彼に会えたら、私は気持ちを伝えて、絶対について行きたいから。」
死んだ人とは、もう二度とやり直せないのにね———。
シェリーは、とても寂しそうに言いました。
澄んだ綺麗な瞳は凛としていましたが、とても弱々しく泣いてもいました。
そして、シェリーは「だから、」と続けます。
「私みたいにならないで。
隣に愛する人がいてくれるときに、ちゃんと愛してあげて。
たくさん大切なものはあるだろうけど、愛以上に大切なものなんてないはずだから。」
シャリーは、同じことをなまえにも言いました。
なまえが、その言葉の意味を理解したかは分かりません。
ですが、なまえは、堂々と答えます。
「ローは私の愛です。世界で一番大好きで、大切です。
ロー以上に大切なものはありません。私は、ローの為なら壊れてもいいです。
誰よりも愛し———。」
「なまえ、もういい。お前の気持ちは十分わかった。」
ローが、なまえの口を両手で塞ぎました。
ペンギン達のニヤけた顔が、いたたまれなかったのです。
シェリーは可笑しそうに笑った後、少し晴れ晴れした顔をして帰っていきました。
もう二度とやり直せない後悔を、自分の代わりにローとなまえが、やり直してくれたような気持ちだったのかもしれません。
「なまえ、もう離せ。俺が死ぬ。」
「死んでも、私はローが愛おしいです。」
「…お前は俺をどうしたいんだ。」
聞き覚えのある寒気がするような甘い台詞に、ローは呟くように訊ねました。
爆笑してしまったシャチは、この後、ローにバラバラにされました。