◇26ページ◇飲み会
Name change
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「…ねぇ、アンタ達。
なんかすごい怖い顔した男が、こっちに向かってきてるんだけど。」
最初に俺に気づいたのは、小柄の目つきの悪い金髪の女だった。
その声で俺に気づいた長身の男が、その女を守るように肩を抱いて自分の方に引き寄せた。
その横を素通りして、俺は名前の元へ真っすぐに歩いた。
「ねぇ、見て、ジャン。私、魔法の絨毯に乗ってるの~。」
「そりゃ、よかったな。今度は魔法の電車に乗って帰るぞ。」
「でも、どこに連れて帰るんだい、ジャン?」
「俺の家に連れて帰るしかねぇだろ。
この状態の名前をあの家には連れていけねぇよ。」
「まぁ、そうなるわな。
送り狼になっちまわないようにしないとなぁ。」
そばかすの女がニヤニヤと楽しそうに口元を歪めた。
「うるせぇな。俺はー。」
「心配するな。俺が連れて帰る。」
顔を赤くして言い返そうとしていたジャンの言葉を遮って、俺は名前の手首を掴んだ。
「あんた…!?」
ジャンは、驚きで目を見開いて固まった。
顔を覚えていたのか、俺が誰かはすぐにわかったようだった。
「ジャン、知ってる人?」
そばかすの男が、ジャンに訊ねた。
「あー…、えっと…この人は…。」
「もしかして、“リヴァイさん”?」
ジャンが言い淀んでいると、金髪の小柄の女が小さく首を傾げた。
名前が耳に届いたのか、名前が俺を見た。
そして、俺と目が合うと、途端に花が咲いたように笑って俺に飛びついてきた。
「魔法の絨毯がリヴァイさん連れて来たぁ~っ。」
勢いよく抱き着いてきた名前を受け止めた。
「飛び掛かられてビクともしねぇのか。体幹がすごいな。
この身体のどこがどうなってるんだ?見てみたいもんだ。」
ガタイのいい男が、俺の身体をまじまじと見てきて気持ち悪かった。
目つきの悪い小柄な女も同じことを思ったのか、その男に冷たい視線を向けていた。
「へぇ~。あんたがあの“リヴァイさん”か。
何て言うか…、思ってたより、だいぶ小せぇな。」
「ちょっと、ユミル!そういうこと言うのは失礼だよ!」
ニヤニヤしながら俺を見るそばかすの女を小柄な金髪の女が叱りつけた。
失礼な女だと睨みつけてやれば、そばかすの女は「おー、こわ~。」とわざとらしく肩を震わせた。
「リヴァイさんも一緒に魔法の絨毯乗る~?」
「乗らねぇ。」
当然断ると、名前は俺に抱き着いた格好のままでつまらないと口を尖らせて文句を言い出した。
聞き流している俺にジャンが話しかける。
「リヴァイさんも今日は歓迎会だったんじゃないんですか?」
「あぁ、そこで呑んでた。今から帰るところでお前らを見つけたんだ。」
俺は居酒屋の方を指さした。
ちょうどハンジ達も移動をしようとしていたところだったらしく、「またなー!」と楽しそうに手を振られた。
無視をした。
なぜか長身の男と目つきの悪い小柄な金髪女は、小さく手を振り返していた。
「それにしても飲み過ぎじゃねぇのか。
終電までに帰れと言っておいたはずだが。」
「えへへ~。」
「すみません。エレンの野郎が、あ、バカな友人が、久しぶりに名前が来たからって
調子に乗って酒を飲ませまくって…。名前も気を遣ったのか、
少し無理して飲んじまって。」
笑って誤魔化した名前の代わりに、ジャンが申し訳なさそうに言い訳をした。
「まぁいい。ほら、帰るぞ。」
「魔法の絨毯で?」
「もうそれでいい。」
俺は、酔っぱらって足元の覚束ない名前を横抱きに抱え上げた。
フラフラと歩かれるよりは、こうした方が楽だった。
名前の友人達は驚いたようだったが、抱きかかえられた張本人は、魔法の絨毯だとハシャぎ出した。
「お姫様抱っこ、初めて見た…!いいなぁ~。」
「俺がしてやろうか?」
「いや、ユミル。そこは俺がしてやるからいい。」
金髪の小柄の女を誰がお姫様抱っこするかで、そばかす女とガタイのいい男が騒ぎ出した。
いちいち騒がないと気が済まないところにも、俺にはない彼らの若さが見えた気がした。
俺が君の魔法の絨毯になって
永遠に解けない魔法の世界へ君を連れて行ってあげるよ、俺を信じて
なんかすごい怖い顔した男が、こっちに向かってきてるんだけど。」
最初に俺に気づいたのは、小柄の目つきの悪い金髪の女だった。
その声で俺に気づいた長身の男が、その女を守るように肩を抱いて自分の方に引き寄せた。
その横を素通りして、俺は名前の元へ真っすぐに歩いた。
「ねぇ、見て、ジャン。私、魔法の絨毯に乗ってるの~。」
「そりゃ、よかったな。今度は魔法の電車に乗って帰るぞ。」
「でも、どこに連れて帰るんだい、ジャン?」
「俺の家に連れて帰るしかねぇだろ。
この状態の名前をあの家には連れていけねぇよ。」
「まぁ、そうなるわな。
送り狼になっちまわないようにしないとなぁ。」
そばかすの女がニヤニヤと楽しそうに口元を歪めた。
「うるせぇな。俺はー。」
「心配するな。俺が連れて帰る。」
顔を赤くして言い返そうとしていたジャンの言葉を遮って、俺は名前の手首を掴んだ。
「あんた…!?」
ジャンは、驚きで目を見開いて固まった。
顔を覚えていたのか、俺が誰かはすぐにわかったようだった。
「ジャン、知ってる人?」
そばかすの男が、ジャンに訊ねた。
「あー…、えっと…この人は…。」
「もしかして、“リヴァイさん”?」
ジャンが言い淀んでいると、金髪の小柄の女が小さく首を傾げた。
名前が耳に届いたのか、名前が俺を見た。
そして、俺と目が合うと、途端に花が咲いたように笑って俺に飛びついてきた。
「魔法の絨毯がリヴァイさん連れて来たぁ~っ。」
勢いよく抱き着いてきた名前を受け止めた。
「飛び掛かられてビクともしねぇのか。体幹がすごいな。
この身体のどこがどうなってるんだ?見てみたいもんだ。」
ガタイのいい男が、俺の身体をまじまじと見てきて気持ち悪かった。
目つきの悪い小柄な女も同じことを思ったのか、その男に冷たい視線を向けていた。
「へぇ~。あんたがあの“リヴァイさん”か。
何て言うか…、思ってたより、だいぶ小せぇな。」
「ちょっと、ユミル!そういうこと言うのは失礼だよ!」
ニヤニヤしながら俺を見るそばかすの女を小柄な金髪の女が叱りつけた。
失礼な女だと睨みつけてやれば、そばかすの女は「おー、こわ~。」とわざとらしく肩を震わせた。
「リヴァイさんも一緒に魔法の絨毯乗る~?」
「乗らねぇ。」
当然断ると、名前は俺に抱き着いた格好のままでつまらないと口を尖らせて文句を言い出した。
聞き流している俺にジャンが話しかける。
「リヴァイさんも今日は歓迎会だったんじゃないんですか?」
「あぁ、そこで呑んでた。今から帰るところでお前らを見つけたんだ。」
俺は居酒屋の方を指さした。
ちょうどハンジ達も移動をしようとしていたところだったらしく、「またなー!」と楽しそうに手を振られた。
無視をした。
なぜか長身の男と目つきの悪い小柄な金髪女は、小さく手を振り返していた。
「それにしても飲み過ぎじゃねぇのか。
終電までに帰れと言っておいたはずだが。」
「えへへ~。」
「すみません。エレンの野郎が、あ、バカな友人が、久しぶりに名前が来たからって
調子に乗って酒を飲ませまくって…。名前も気を遣ったのか、
少し無理して飲んじまって。」
笑って誤魔化した名前の代わりに、ジャンが申し訳なさそうに言い訳をした。
「まぁいい。ほら、帰るぞ。」
「魔法の絨毯で?」
「もうそれでいい。」
俺は、酔っぱらって足元の覚束ない名前を横抱きに抱え上げた。
フラフラと歩かれるよりは、こうした方が楽だった。
名前の友人達は驚いたようだったが、抱きかかえられた張本人は、魔法の絨毯だとハシャぎ出した。
「お姫様抱っこ、初めて見た…!いいなぁ~。」
「俺がしてやろうか?」
「いや、ユミル。そこは俺がしてやるからいい。」
金髪の小柄の女を誰がお姫様抱っこするかで、そばかす女とガタイのいい男が騒ぎ出した。
いちいち騒がないと気が済まないところにも、俺にはない彼らの若さが見えた気がした。
俺が君の魔法の絨毯になって
永遠に解けない魔法の世界へ君を連れて行ってあげるよ、俺を信じて