◇23ページ◇高熱
Name change
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風呂から上がると、名前がリビングのソファの上で横になっていて驚かされた。
ソファからダラリと腕を落としてまるで死体のような名前だったが、いるはずのない人間に驚愕させられた俺と目が合うと、弱々しく微笑んだ。
「何やってんだ。部屋で寝てろと言ったはずだが?」
「・・・・さみしくて、ねむれなかったんれす…。」
「ガキか。」
呆れた言い訳にため息を吐いた俺は、名前の腕を強引に引き上げてから横抱きにした。
そして、驚くというリアクションすら出来ないくらいに弱っている名前を、自分の部屋のベッドに強制送還した。
「今日は一緒に寝てやるから、ちゃんと寝やがれ。」
名前の隣に横になってから、2人の身体を包むように布団をかけ直した。
セミダブルサイズのベッドのおかげで狭くはなかったし、それなりに広々と眠れそうだったが、名前は嬉しそうに俺の胸元にすり寄るように身体をくっつけた。
冬が近づいてきていた季節は、夜は肌寒い。
熱のある名前の身体は温かくて、まるでカイロのようだった。
だから、俺は名前を腕の中で包むように抱きしめた。
すると、名前が、ふふ、と小さく笑った。
「きょうのリヴァイさん、いっぱい、あまやかしてくれる。うれしい。」
「感謝しとけ。」
「はい、きょうのリヴァイさん、やさしい。」
「馬鹿言え。俺は元々優しい。」
「ふふ、そうでした。」
弱々しい小さな声は、それでもどこか嬉しそうだった。
すぐに眠れるようにと思って頭を撫でていれば、薬も効いてきたのか、胸元から規則正しい寝息が聞こえてきた。
眠ったようだった。
たくさん甘やかしてくれるー、名前が言った通りだ。
意識してそうしたわけではないけれど、自分でもどうしてここまでしてやっているのだろうと、熱を出して寝ている名前を抱きしめている自分自身に驚いていた。
でも、何か適当に買っていこうとコンビニに寄ったら、あれもこれもとカゴの中に名前の好きそうなスイーツが幾つも入っていたし、寂しくて眠れないと言われたら、一緒にいてやりたくなった。
(あぁ、仔犬からガキに格上げされたんだったっけな。)
ふ、と思い出して、納得した。
子供の頃、俺が熱を出すと、母さんはいつもアイスやゼリーを買ってきてくれていた。
熱が出ると、なぜか寂しくなって、寝るまで母さんにそばにいてもらっていた。
きっと、そういう経験が、今に繋がっているのだろうと思った。
「ん~…、まほうつ、かい、さん…。
いつ、か…、わたしを、およめさん、にして、ね…。」
名前が俺の胸に頬を擦りよせ、抱きつきながら寝言を呟いた。
子供のような寝言に、どんな夢を見ているのかと思わずクスリと笑ってしまう。
「そこは魔法使いじゃねぇーだろ。王子の嫁になっとけ。」
バカにしたように言った俺は、かすかに何かが引っかかった。
遠い昔、似たようなことを言ったことがある気がする。
それはいつだったかー。
でも、幾ら記憶を辿っても、そんなものは見つからなかった。
俺の過去に、魔法だとか王子だとか、そんなファンタジーな台詞が出るような場面があったとも思えない。
それなら、このデジャヴのような感覚はなんなのか。
「まほ、つかいさん…、だいすき。」
俺の腕の中で眠る名前は、ひどく幸せそうに微笑んでいた。
ソファからダラリと腕を落としてまるで死体のような名前だったが、いるはずのない人間に驚愕させられた俺と目が合うと、弱々しく微笑んだ。
「何やってんだ。部屋で寝てろと言ったはずだが?」
「・・・・さみしくて、ねむれなかったんれす…。」
「ガキか。」
呆れた言い訳にため息を吐いた俺は、名前の腕を強引に引き上げてから横抱きにした。
そして、驚くというリアクションすら出来ないくらいに弱っている名前を、自分の部屋のベッドに強制送還した。
「今日は一緒に寝てやるから、ちゃんと寝やがれ。」
名前の隣に横になってから、2人の身体を包むように布団をかけ直した。
セミダブルサイズのベッドのおかげで狭くはなかったし、それなりに広々と眠れそうだったが、名前は嬉しそうに俺の胸元にすり寄るように身体をくっつけた。
冬が近づいてきていた季節は、夜は肌寒い。
熱のある名前の身体は温かくて、まるでカイロのようだった。
だから、俺は名前を腕の中で包むように抱きしめた。
すると、名前が、ふふ、と小さく笑った。
「きょうのリヴァイさん、いっぱい、あまやかしてくれる。うれしい。」
「感謝しとけ。」
「はい、きょうのリヴァイさん、やさしい。」
「馬鹿言え。俺は元々優しい。」
「ふふ、そうでした。」
弱々しい小さな声は、それでもどこか嬉しそうだった。
すぐに眠れるようにと思って頭を撫でていれば、薬も効いてきたのか、胸元から規則正しい寝息が聞こえてきた。
眠ったようだった。
たくさん甘やかしてくれるー、名前が言った通りだ。
意識してそうしたわけではないけれど、自分でもどうしてここまでしてやっているのだろうと、熱を出して寝ている名前を抱きしめている自分自身に驚いていた。
でも、何か適当に買っていこうとコンビニに寄ったら、あれもこれもとカゴの中に名前の好きそうなスイーツが幾つも入っていたし、寂しくて眠れないと言われたら、一緒にいてやりたくなった。
(あぁ、仔犬からガキに格上げされたんだったっけな。)
ふ、と思い出して、納得した。
子供の頃、俺が熱を出すと、母さんはいつもアイスやゼリーを買ってきてくれていた。
熱が出ると、なぜか寂しくなって、寝るまで母さんにそばにいてもらっていた。
きっと、そういう経験が、今に繋がっているのだろうと思った。
「ん~…、まほうつ、かい、さん…。
いつ、か…、わたしを、およめさん、にして、ね…。」
名前が俺の胸に頬を擦りよせ、抱きつきながら寝言を呟いた。
子供のような寝言に、どんな夢を見ているのかと思わずクスリと笑ってしまう。
「そこは魔法使いじゃねぇーだろ。王子の嫁になっとけ。」
バカにしたように言った俺は、かすかに何かが引っかかった。
遠い昔、似たようなことを言ったことがある気がする。
それはいつだったかー。
でも、幾ら記憶を辿っても、そんなものは見つからなかった。
俺の過去に、魔法だとか王子だとか、そんなファンタジーな台詞が出るような場面があったとも思えない。
それなら、このデジャヴのような感覚はなんなのか。
「まほ、つかいさん…、だいすき。」
俺の腕の中で眠る名前は、ひどく幸せそうに微笑んでいた。