◇15ページ◇謝罪
Name change
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自宅マンションに帰ってからも、名前はどうしたらいいのか分からないような様子だった。
家に上がろうとはせずに、顔を伏せて、玄関に立ち尽くしていた。
びしょ濡れの身体から雨粒が幾つも流れ落ちて、名前の足元に水たまりを作っていた。
「入れ。」
「…ここで、充分です。雨にも濡れないし、ありがとうございます。」
「風呂に入るぞ。風邪を引く。」
動きそうにない名前の手を引っ張って、靴を脱がしてから家に上げた。
びしょ濡れの俺達が歩く度に廊下に小さな水たまりが出来ていった。
それも気にならないくらい、俺は名前に何と言うべきかを考えていた。
謝ればよかっただけだったのだと思う。
それは、俺も分かっていたけれど、どうも、素直じゃない性格が回りくどくさせていた。
風呂場に辿り着いた俺は、お湯張りのボタンを押してから、濡れて重たくなったジャケットとシャツを乱暴に脱ぎ捨てた。
あっという間に上半身裸になった俺の姿に名前は顔を赤くして、慌てて目を伏せていた。
「何やってんだ。名前も脱げ。いつまで濡れた服なんか着てるつもりだ。」
「え…!?」
驚いて顔を上げた名前に、雨で濡れた身体を温めるために風呂に入るのだと説明してやれば、数秒放心した後に、早口で捲し立てだした。
「そっ、それなら、リヴァイさんだけ入ってください!
私は玄関で丸まっときます!それで大丈夫です!この家はとても温かいので!!」
風呂場の脱衣所から逃げ出そうとする名前の背中に、声をかけた。
「…おい、名前。お前、俺の裸を見ただろ。」
そう言った瞬間、名前は勢いよく振り返った。
「…見てません。見てません。見てません!
タオルでバッて隠しましたから!バッて!バババッて!」
名前は、両手で自分の顔を覆うと、まるで呪文でも唱えるように、見てない、とバッというわけのわからない擬音を繰り返した。
だが、両手の下に隠れた顔は真っ赤に染まっていて『ハッキリ見た。』と言っているようなものだった。
「俺の裸を見ておいて、自分は見せねぇってのは不公平じゃねぇか。」
「そんな…!あれは不可抗力です!!」
「ほら、見たんじゃねぇか。」
「あ…!!!」
簡単に引っかかった名前は、自分の口を両手で押さえたが、もう飛び出した言葉は消せない。
そう、消せないのだ。
俺が、名前を傷つけた言葉はもうなかったことには出来ない。
ちゃんと、謝らないといけないー。
「雷が怖ぇんだろ。1人で風呂に入れんのか。」
「…玄関でー。」
「風邪を引くから風呂で温まれって言ってんだよ。
一緒に風呂に入りてぇと言ってたのはどこのどいつだ。」
「…いや、まさか本当に一緒にお風呂に入ることになるとは思わなー。」
「先に入っとくから、ちゃんと来いよ。
恥ずかしいならタオルでも巻いとけ。」
言い訳をしていた名前を無視して、俺は強引に会話を終わらせた。
服をすべて脱ぎ終わる俺のそばで、名前は居心地悪そうに目を伏せて、必死に見ないようにしているようだった。
家に上がろうとはせずに、顔を伏せて、玄関に立ち尽くしていた。
びしょ濡れの身体から雨粒が幾つも流れ落ちて、名前の足元に水たまりを作っていた。
「入れ。」
「…ここで、充分です。雨にも濡れないし、ありがとうございます。」
「風呂に入るぞ。風邪を引く。」
動きそうにない名前の手を引っ張って、靴を脱がしてから家に上げた。
びしょ濡れの俺達が歩く度に廊下に小さな水たまりが出来ていった。
それも気にならないくらい、俺は名前に何と言うべきかを考えていた。
謝ればよかっただけだったのだと思う。
それは、俺も分かっていたけれど、どうも、素直じゃない性格が回りくどくさせていた。
風呂場に辿り着いた俺は、お湯張りのボタンを押してから、濡れて重たくなったジャケットとシャツを乱暴に脱ぎ捨てた。
あっという間に上半身裸になった俺の姿に名前は顔を赤くして、慌てて目を伏せていた。
「何やってんだ。名前も脱げ。いつまで濡れた服なんか着てるつもりだ。」
「え…!?」
驚いて顔を上げた名前に、雨で濡れた身体を温めるために風呂に入るのだと説明してやれば、数秒放心した後に、早口で捲し立てだした。
「そっ、それなら、リヴァイさんだけ入ってください!
私は玄関で丸まっときます!それで大丈夫です!この家はとても温かいので!!」
風呂場の脱衣所から逃げ出そうとする名前の背中に、声をかけた。
「…おい、名前。お前、俺の裸を見ただろ。」
そう言った瞬間、名前は勢いよく振り返った。
「…見てません。見てません。見てません!
タオルでバッて隠しましたから!バッて!バババッて!」
名前は、両手で自分の顔を覆うと、まるで呪文でも唱えるように、見てない、とバッというわけのわからない擬音を繰り返した。
だが、両手の下に隠れた顔は真っ赤に染まっていて『ハッキリ見た。』と言っているようなものだった。
「俺の裸を見ておいて、自分は見せねぇってのは不公平じゃねぇか。」
「そんな…!あれは不可抗力です!!」
「ほら、見たんじゃねぇか。」
「あ…!!!」
簡単に引っかかった名前は、自分の口を両手で押さえたが、もう飛び出した言葉は消せない。
そう、消せないのだ。
俺が、名前を傷つけた言葉はもうなかったことには出来ない。
ちゃんと、謝らないといけないー。
「雷が怖ぇんだろ。1人で風呂に入れんのか。」
「…玄関でー。」
「風邪を引くから風呂で温まれって言ってんだよ。
一緒に風呂に入りてぇと言ってたのはどこのどいつだ。」
「…いや、まさか本当に一緒にお風呂に入ることになるとは思わなー。」
「先に入っとくから、ちゃんと来いよ。
恥ずかしいならタオルでも巻いとけ。」
言い訳をしていた名前を無視して、俺は強引に会話を終わらせた。
服をすべて脱ぎ終わる俺のそばで、名前は居心地悪そうに目を伏せて、必死に見ないようにしているようだった。