◇79ページ◇魔法使いの使者
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白いウェディングドレス姿のシンデレラが、鏡に映っていた。
彼女はもうすぐ、本物のお姫様になる。
私は鏡に手を添えて、彼女に訊ねる。
「ねぇ…、今から魔法使いさんを探しに行かない?
もう一度、魔法をかけてもらいましょうよ。」
鏡の向こうでは、シンデレラは相変わらず泣きそうな顔をしてる。
でも、ここから逃げ出す勇気はないらしい。
白鹿家にとって、表千家流の家元である西門家との縁談はとても重要な意味を持つ。
今さら断るなんて非常識なことをすれば、茶道界からだって追放されかねない。
だからそう、シンデレラの結末は決まっている。
でもー。
『攫ってー。』
私はリヴァイさんに、そうお願いしたのに。
どうして、いなくなってしまったんだろう。
両親や妹、家族の為だけじゃない。
白鹿流を名乗るすべての茶道家の未来が、私の結婚にかかっている。
キクの言う通り、あの日記帳の記憶は不要なものだ。
壁に寄り掛かって、ため息を吐いたとき、新婦控室の扉がノックされた。
返事をすると、すぐに扉が開いた。入って来たのは、エレンとアルミン、ミカサだった。
「わぁ…!綺麗だね…!」
アルミンが感激した様子で言った。
でも、素直に喜べない。
「ありがとう。」
ぎこちない笑みで返せば、アルミンが少し悲しそうに微笑んだ。
その隣で、ミカサが口を開いた。
「私達は今日、結婚式には招待されてない。
さっき、馬に私達は元ネズミだって言われた。」
「え?ネズミ?」
「違う、元ネズミ。今は馭者。」
「馭者?」
「ミカサ、今はその話はいいから。
ごめん、気にしないで。ちょっと根に持ってるんだ。」
「えっと…、招待されてないってどういうこと?
お友達はみんな呼ぶって言ってたのに。」
「それは、お金持ちのお友達だけ。私達は除外された。
あとエレンは断った。」
「そっか…。ごめんね。」
「別にそれは構わない。元から出るつもりもないから。
それより、私達は、この手紙を名前に渡すために来た。」
「手紙?」
ミカサが私に差し出したのは、真っ白な封筒だった。
不思議に思いながら、私はその封筒を受け取った。
差出人も宛名もないそれに首を傾げると、エレンが急かすように口を開いた。
「今すぐ見てくれ。外で馬が待ってるから。」
「馬?」
「まぁ、いいから。とりあえず見てくれる?」
アルミンに促されて、私は封筒を開いた。
魔法使いに命令されてカボチャの馬車の馭者になった元ネズミの3人が言ったの
貴方のところに連れて行ってもいいけど、もう二度と素敵なお城には戻れなくなるよって
【 シンデレラへ
解けない魔法を見せてやる。
魔法の世界を開く鍵は、ガラスの靴だ。
忘れずに持って来いよ。
魔法使いより 】
「魔法使いはすごく怖いよ。僕達の扱いも雑なんだ。」
「チビだし、エレンに対しての態度が気に入らない。」
「お前の大切な家族を裏切るんだ。その覚悟はあるのか?」
彼女はもうすぐ、本物のお姫様になる。
私は鏡に手を添えて、彼女に訊ねる。
「ねぇ…、今から魔法使いさんを探しに行かない?
もう一度、魔法をかけてもらいましょうよ。」
鏡の向こうでは、シンデレラは相変わらず泣きそうな顔をしてる。
でも、ここから逃げ出す勇気はないらしい。
白鹿家にとって、表千家流の家元である西門家との縁談はとても重要な意味を持つ。
今さら断るなんて非常識なことをすれば、茶道界からだって追放されかねない。
だからそう、シンデレラの結末は決まっている。
でもー。
『攫ってー。』
私はリヴァイさんに、そうお願いしたのに。
どうして、いなくなってしまったんだろう。
両親や妹、家族の為だけじゃない。
白鹿流を名乗るすべての茶道家の未来が、私の結婚にかかっている。
キクの言う通り、あの日記帳の記憶は不要なものだ。
壁に寄り掛かって、ため息を吐いたとき、新婦控室の扉がノックされた。
返事をすると、すぐに扉が開いた。入って来たのは、エレンとアルミン、ミカサだった。
「わぁ…!綺麗だね…!」
アルミンが感激した様子で言った。
でも、素直に喜べない。
「ありがとう。」
ぎこちない笑みで返せば、アルミンが少し悲しそうに微笑んだ。
その隣で、ミカサが口を開いた。
「私達は今日、結婚式には招待されてない。
さっき、馬に私達は元ネズミだって言われた。」
「え?ネズミ?」
「違う、元ネズミ。今は馭者。」
「馭者?」
「ミカサ、今はその話はいいから。
ごめん、気にしないで。ちょっと根に持ってるんだ。」
「えっと…、招待されてないってどういうこと?
お友達はみんな呼ぶって言ってたのに。」
「それは、お金持ちのお友達だけ。私達は除外された。
あとエレンは断った。」
「そっか…。ごめんね。」
「別にそれは構わない。元から出るつもりもないから。
それより、私達は、この手紙を名前に渡すために来た。」
「手紙?」
ミカサが私に差し出したのは、真っ白な封筒だった。
不思議に思いながら、私はその封筒を受け取った。
差出人も宛名もないそれに首を傾げると、エレンが急かすように口を開いた。
「今すぐ見てくれ。外で馬が待ってるから。」
「馬?」
「まぁ、いいから。とりあえず見てくれる?」
アルミンに促されて、私は封筒を開いた。
魔法使いに命令されてカボチャの馬車の馭者になった元ネズミの3人が言ったの
貴方のところに連れて行ってもいいけど、もう二度と素敵なお城には戻れなくなるよって
【 シンデレラへ
解けない魔法を見せてやる。
魔法の世界を開く鍵は、ガラスの靴だ。
忘れずに持って来いよ。
魔法使いより 】
「魔法使いはすごく怖いよ。僕達の扱いも雑なんだ。」
「チビだし、エレンに対しての態度が気に入らない。」
「お前の大切な家族を裏切るんだ。その覚悟はあるのか?」