◇77ページ◇魔法のキス
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目が覚めると、私はソファの上にいた。
リヴァイ先生の肩に頭を乗せて、寄り掛かって眠っていたようだった。
怖い怖いと震える私を抱きしめてくれるリヴァイ先生の腕が優しくて、安心して、いつの間にか眠ってしまっていた。
ゆっくりと身体を起こすと、リヴァイ先生は私の腰に手をまわした格好で眠っていた。
(あぁ…、本当は魔法使いでお医者さんじゃないから、リヴァイさんか。)
さっき、キスをしてしまったときに見えた映像が、何だったのかは分からない。
でも、確かに、リヴァイさんが、記憶を戻してやろうかと言ってキスをしてきたその瞬間に、少女の姿が見えて、声が聞こえた。
ということは、リヴァイさんは本当に魔法使いで、あれは私の記憶なのだろうか。
(綺麗な寝顔…。)
首をもたげて眠っていたから、少しだけ顔を伏せていたけれど、長めの前髪だけではリヴァイさんの綺麗な顔は隠しきれていなかった。
閉じた瞼の下に重なっている長い睫毛も、すっと通った鼻筋も、細い輪郭も、リヴァイさんを造形する全てが美しかった。
総ちゃんもとても綺麗な顔をしているけれど、それとはまた違う。
まさに、神様が造り上げた魔法使いという感じだ。
(綺麗…。)
思わずうっとりと見惚れてしまう。
薄くて、小さいけれども綺麗な唇ー。
まるで、魔力でもあるみたいに、私は吸い込まれてしまう。
罪悪感や、魔法のない現実の世界から目を反らすみたいに、瞳を閉じた。
たぶん、あと少しで唇に触れる。
その途端、怖くなって、私は動けなくなった。
あんなに欲しかったはずの記憶が、怖くなった。
「ん…。」
リヴァイさんが僅かに眉を顰めて声を漏らした。
それにハッとして、私は慌てて身体を離した。
何をしているのだろう。
婚約者がいるのに、他の男の人とキスをしようとするなんてー。
ただー。
そう、ただ、リヴァイさんとキスをしたら、またあの映像が見られる気がしたのだ。
そうすれば、記憶が戻るんじゃないかって。そう、ただそれだけー。
「あぁ…、悪い。寝てた。」
リヴァイさんは目を開けると、頭を雑に掻いた。
「いえ…っ、大丈夫です…っ。私も寝ちゃって、ごめんなさい…っ。」
早口で謝った。
顔が熱くて、リヴァイさんの顔を見られなかった。
魔法のキスで彼との記憶が蘇ったら、
魔法使いさんは「よかったね。」て笑うのかな
賭けだった。
突き飛ばされれば、流石にもう諦めた方がいいんじゃないかって、そんなことも頭の隅では考えていた。
でも、俺の唇は名前の唇と重なった。
俺とのキスで、一体何を見たんだろうか。
一体何を感じたんだろうか。
抱きしめる腕の中で、恐怖と不安に震えながら、それでも俺のシャツを握りしめて離さない名前が愛おしくて仕方がなかった。
俺の腕の中で名前が眠っていると思うと、すごく安心して、気づいたら眠っていた。
そして、夢を見たんだ。
名前が俺を思い出す夢だ。
あの頃みたいに俺だけを見つめて、笑ってる。
そして、甘えるみたいにキスをしようとしてきてー。
そこで、現実が戻って来た。
目を覚ますと、不安そうにして、俺の目を絶対に見ない名前がいた。
あと何度、キスをしたら、名前の記憶は戻る?
あと何度、キスをさせてくれる?
ねぇ、どうして、キスをさせてくれたのー。
リヴァイ先生の肩に頭を乗せて、寄り掛かって眠っていたようだった。
怖い怖いと震える私を抱きしめてくれるリヴァイ先生の腕が優しくて、安心して、いつの間にか眠ってしまっていた。
ゆっくりと身体を起こすと、リヴァイ先生は私の腰に手をまわした格好で眠っていた。
(あぁ…、本当は魔法使いでお医者さんじゃないから、リヴァイさんか。)
さっき、キスをしてしまったときに見えた映像が、何だったのかは分からない。
でも、確かに、リヴァイさんが、記憶を戻してやろうかと言ってキスをしてきたその瞬間に、少女の姿が見えて、声が聞こえた。
ということは、リヴァイさんは本当に魔法使いで、あれは私の記憶なのだろうか。
(綺麗な寝顔…。)
首をもたげて眠っていたから、少しだけ顔を伏せていたけれど、長めの前髪だけではリヴァイさんの綺麗な顔は隠しきれていなかった。
閉じた瞼の下に重なっている長い睫毛も、すっと通った鼻筋も、細い輪郭も、リヴァイさんを造形する全てが美しかった。
総ちゃんもとても綺麗な顔をしているけれど、それとはまた違う。
まさに、神様が造り上げた魔法使いという感じだ。
(綺麗…。)
思わずうっとりと見惚れてしまう。
薄くて、小さいけれども綺麗な唇ー。
まるで、魔力でもあるみたいに、私は吸い込まれてしまう。
罪悪感や、魔法のない現実の世界から目を反らすみたいに、瞳を閉じた。
たぶん、あと少しで唇に触れる。
その途端、怖くなって、私は動けなくなった。
あんなに欲しかったはずの記憶が、怖くなった。
「ん…。」
リヴァイさんが僅かに眉を顰めて声を漏らした。
それにハッとして、私は慌てて身体を離した。
何をしているのだろう。
婚約者がいるのに、他の男の人とキスをしようとするなんてー。
ただー。
そう、ただ、リヴァイさんとキスをしたら、またあの映像が見られる気がしたのだ。
そうすれば、記憶が戻るんじゃないかって。そう、ただそれだけー。
「あぁ…、悪い。寝てた。」
リヴァイさんは目を開けると、頭を雑に掻いた。
「いえ…っ、大丈夫です…っ。私も寝ちゃって、ごめんなさい…っ。」
早口で謝った。
顔が熱くて、リヴァイさんの顔を見られなかった。
魔法のキスで彼との記憶が蘇ったら、
魔法使いさんは「よかったね。」て笑うのかな
賭けだった。
突き飛ばされれば、流石にもう諦めた方がいいんじゃないかって、そんなことも頭の隅では考えていた。
でも、俺の唇は名前の唇と重なった。
俺とのキスで、一体何を見たんだろうか。
一体何を感じたんだろうか。
抱きしめる腕の中で、恐怖と不安に震えながら、それでも俺のシャツを握りしめて離さない名前が愛おしくて仕方がなかった。
俺の腕の中で名前が眠っていると思うと、すごく安心して、気づいたら眠っていた。
そして、夢を見たんだ。
名前が俺を思い出す夢だ。
あの頃みたいに俺だけを見つめて、笑ってる。
そして、甘えるみたいにキスをしようとしてきてー。
そこで、現実が戻って来た。
目を覚ますと、不安そうにして、俺の目を絶対に見ない名前がいた。
あと何度、キスをしたら、名前の記憶は戻る?
あと何度、キスをさせてくれる?
ねぇ、どうして、キスをさせてくれたのー。