◇11ページ◇雷の夜
Name change
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雨は力を弱めるどころか、勢いをますます強くするばかりで、暗い夜空に雷鳴を響かせ続けていた。
割れた食器も含めて、片づけを終えた名前はついさっき風呂へと向かい、俺はいつものようにリビングのソファに座ってダラダラとテレビを見ていた。
食器を割ってしまったお詫びと、片づけを手伝ったお礼だと言って、一緒に風呂に入ろうと、また嬉しくもない提案をされたから、必要ないと断った。
鳴り響く雷がうるさくて、テレビの音はあまり聞こえなかった。
音量を上げて騒がしくなるのも嫌だ。
結局、俺はテレビも消して本を読むことにした。
まだ数ページしか読み進めていない頃、名前が風呂から上がって来た。
長風呂というわけではないが、いつもそれなりにゆっくりと風呂に入ってくるのに、珍しいと思った。
その日は、おかしいのはそれだけじゃなかった。
いつもは、リビングで休む俺の邪魔にならないように、と自分の部屋の化粧台で髪を乾かしてからやってくる名前が、一度部屋に入ってから、ドライヤーを持って戻って来たのだ。
「ここでドライヤー使ってもいいですか?」
「勝手にすればいい。」
「ありがとうございます。」
ホッとしたように息を吐いた名前は、いつもの定位置に腰を降ろすと、ドライヤーをコンセントにさして電源を入れた。
普段なら煩く感じそうな音だったが、窓を叩く雨の音の方が騒がしく気にならなかった。
髪を乾かし終えた後は、いつも通りの夜をそれぞれ過ごした。
騒がしい雨のせいでテレビを見ることを諦めた俺は、ソファに腰を掛けて本を読んで、名前はいつもの定位置で俺を眺めながら自らも本を読んでいた。
そうやって過ごしていれば、時計の針は0時を過ぎた。
そろそろ部屋に戻ろうかと俺は腰を上げた。
「もう寝るんですか?」
本に視線を落としていた名前が顔を上げて俺を見た。
「いつもと変わらねぇだろ。特に早ぇわけじゃねぇ。」
「そうですね。私も寝ようかな。」
「あぁ、そうしろ。」
「リヴァイさん、今日は一緒に寝ましょうか。」
今日はとにかくいろんなことを一緒にやりたがるなー。
そんなことを思いながら、俺はまた名前の思いつきを聞き流した。
部屋の扉を開けて、振り返る。
別に、おやすみのキスを待っていたわけじゃない。
でも、いつもしてくるから癖になっていたし、どうせされるのなら名前の方を向いてやった方が効率が良かっただけだ。
でもー。
「おやすみなさい。」
名前はヘラヘラと笑うと、自分の部屋の方へ入って行った。
帰宅した時から、名前の様子はどこかおかしかった。
でも、いつもと明らかに違ったのは、おやすみのキスを忘れたことだと思う。
割れた食器も含めて、片づけを終えた名前はついさっき風呂へと向かい、俺はいつものようにリビングのソファに座ってダラダラとテレビを見ていた。
食器を割ってしまったお詫びと、片づけを手伝ったお礼だと言って、一緒に風呂に入ろうと、また嬉しくもない提案をされたから、必要ないと断った。
鳴り響く雷がうるさくて、テレビの音はあまり聞こえなかった。
音量を上げて騒がしくなるのも嫌だ。
結局、俺はテレビも消して本を読むことにした。
まだ数ページしか読み進めていない頃、名前が風呂から上がって来た。
長風呂というわけではないが、いつもそれなりにゆっくりと風呂に入ってくるのに、珍しいと思った。
その日は、おかしいのはそれだけじゃなかった。
いつもは、リビングで休む俺の邪魔にならないように、と自分の部屋の化粧台で髪を乾かしてからやってくる名前が、一度部屋に入ってから、ドライヤーを持って戻って来たのだ。
「ここでドライヤー使ってもいいですか?」
「勝手にすればいい。」
「ありがとうございます。」
ホッとしたように息を吐いた名前は、いつもの定位置に腰を降ろすと、ドライヤーをコンセントにさして電源を入れた。
普段なら煩く感じそうな音だったが、窓を叩く雨の音の方が騒がしく気にならなかった。
髪を乾かし終えた後は、いつも通りの夜をそれぞれ過ごした。
騒がしい雨のせいでテレビを見ることを諦めた俺は、ソファに腰を掛けて本を読んで、名前はいつもの定位置で俺を眺めながら自らも本を読んでいた。
そうやって過ごしていれば、時計の針は0時を過ぎた。
そろそろ部屋に戻ろうかと俺は腰を上げた。
「もう寝るんですか?」
本に視線を落としていた名前が顔を上げて俺を見た。
「いつもと変わらねぇだろ。特に早ぇわけじゃねぇ。」
「そうですね。私も寝ようかな。」
「あぁ、そうしろ。」
「リヴァイさん、今日は一緒に寝ましょうか。」
今日はとにかくいろんなことを一緒にやりたがるなー。
そんなことを思いながら、俺はまた名前の思いつきを聞き流した。
部屋の扉を開けて、振り返る。
別に、おやすみのキスを待っていたわけじゃない。
でも、いつもしてくるから癖になっていたし、どうせされるのなら名前の方を向いてやった方が効率が良かっただけだ。
でもー。
「おやすみなさい。」
名前はヘラヘラと笑うと、自分の部屋の方へ入って行った。
帰宅した時から、名前の様子はどこかおかしかった。
でも、いつもと明らかに違ったのは、おやすみのキスを忘れたことだと思う。