◇54ページ◇神様
Name change
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真剣な目で箱の中をかき回す名前が可笑しくて、俺は笑ってしまいそうだった。
漸く決意しておみくじを取り出してくれた名前の手を引いて、人気の少ない場所まで連れて行った。
「ふ~…、ドキドキしますね。大吉でありますように。」
名前は、お祈りするように合わせた両手の間におみくじを挟んで、目を閉じた。
適当に引いたおみくじを片手に、そんな名前の姿を面白そうに見ている俺は、まだ中身を確認していないのに、大吉を引いた気分だった。
だって、突然家に押しかけて来た女が、俺にとっての人生をかけて待ちわびていた人だったのだ。
これ以上を望んだらバチが当たりそうなくらいに幸せだった。
「せーの、で開きましょう!」
「あぁ、いいぞ。」
「行きますよ、せーの!」
名前の提案に乗って、2人で見せ合うようにしておみくじを開いた。
絵巻物のように長いおみくじを丁寧に開いていけば、『大吉』の文字が2つ並んだ。
ラッキーなそれに、さすがに俺も驚いて、名前と目を合わせた。
途端に、名前は嬉しそうに俺に飛びついた。
「やったー!神様も私達のことをお祝いしてくれてるんですね!」
俺に抱き着いたままで飛び跳ねる名前を、人混みが訝し気に視線を向けて通り過ぎていく。
恥ずかしかったけれど、嬉しそうな名前を受け止めてやりたかった。
ひとしきり喜んだ後、名前と一緒におみくじの中身を確認した。
それぞれの言葉を楽しみながら読み上げていた俺と名前の声と視線が重なったのは、恋愛についての神様の言葉を読み上げた時だった。
“恋愛:信じ合っていれば、必ず結ばれる”
俺と名前のおみくじの恋愛のところには、全く同じ神様の言葉が綴られていた。
まだ、名前が話してくれていない魔法のことが頭を過った。
それさえも受け入れて、信じろー。
そういうことだと、俺は解釈した。
一瞬だけ、不安そうにした名前は誤魔化すように笑顔を作った。
「凄いですね!同じことが書かれてるのなんて初めて見ました!
やっぱり私達、運命なんですねっ。」
下手くそな笑顔と、まるで願望のようなセリフごと、俺は抱きしめた。
「あぁ、そうだな。
だから、きっと大丈夫だ。」
俺の言葉に続いて、名前は腕の中で頷いた。
俺も名前も、信じ合っていた。
お互いの気持ちも、共に過ごす未来もー。
君を信じることが、今の俺に出来るすべてだ
だから君にも、俺を信じてほしい
神様は何を思って、私達にあんな言葉をかけたのかな?
魔法は解けないと信じれば、大丈夫だってこと?
怖いの。ずっと一緒にいたいと思えば思うほど。
魔法は永遠だと信じれば信じるほど。
無情な現実が目の前に迫ったとき、私は正気ではいられなくなるだろうから。
それでもきっと、私は信じるべきなんだろう。
リヴァイさんを、リヴァイさんと共に生きる未来が必ず訪れることを。
だからお願い。魔法を消さないで。
漸く決意しておみくじを取り出してくれた名前の手を引いて、人気の少ない場所まで連れて行った。
「ふ~…、ドキドキしますね。大吉でありますように。」
名前は、お祈りするように合わせた両手の間におみくじを挟んで、目を閉じた。
適当に引いたおみくじを片手に、そんな名前の姿を面白そうに見ている俺は、まだ中身を確認していないのに、大吉を引いた気分だった。
だって、突然家に押しかけて来た女が、俺にとっての人生をかけて待ちわびていた人だったのだ。
これ以上を望んだらバチが当たりそうなくらいに幸せだった。
「せーの、で開きましょう!」
「あぁ、いいぞ。」
「行きますよ、せーの!」
名前の提案に乗って、2人で見せ合うようにしておみくじを開いた。
絵巻物のように長いおみくじを丁寧に開いていけば、『大吉』の文字が2つ並んだ。
ラッキーなそれに、さすがに俺も驚いて、名前と目を合わせた。
途端に、名前は嬉しそうに俺に飛びついた。
「やったー!神様も私達のことをお祝いしてくれてるんですね!」
俺に抱き着いたままで飛び跳ねる名前を、人混みが訝し気に視線を向けて通り過ぎていく。
恥ずかしかったけれど、嬉しそうな名前を受け止めてやりたかった。
ひとしきり喜んだ後、名前と一緒におみくじの中身を確認した。
それぞれの言葉を楽しみながら読み上げていた俺と名前の声と視線が重なったのは、恋愛についての神様の言葉を読み上げた時だった。
“恋愛:信じ合っていれば、必ず結ばれる”
俺と名前のおみくじの恋愛のところには、全く同じ神様の言葉が綴られていた。
まだ、名前が話してくれていない魔法のことが頭を過った。
それさえも受け入れて、信じろー。
そういうことだと、俺は解釈した。
一瞬だけ、不安そうにした名前は誤魔化すように笑顔を作った。
「凄いですね!同じことが書かれてるのなんて初めて見ました!
やっぱり私達、運命なんですねっ。」
下手くそな笑顔と、まるで願望のようなセリフごと、俺は抱きしめた。
「あぁ、そうだな。
だから、きっと大丈夫だ。」
俺の言葉に続いて、名前は腕の中で頷いた。
俺も名前も、信じ合っていた。
お互いの気持ちも、共に過ごす未来もー。
君を信じることが、今の俺に出来るすべてだ
だから君にも、俺を信じてほしい
神様は何を思って、私達にあんな言葉をかけたのかな?
魔法は解けないと信じれば、大丈夫だってこと?
怖いの。ずっと一緒にいたいと思えば思うほど。
魔法は永遠だと信じれば信じるほど。
無情な現実が目の前に迫ったとき、私は正気ではいられなくなるだろうから。
それでもきっと、私は信じるべきなんだろう。
リヴァイさんを、リヴァイさんと共に生きる未来が必ず訪れることを。
だからお願い。魔法を消さないで。