◇57ページ◇なんてことのない幸せな日常
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掃除が終わった頃には、雨の勢いは弱まっていた。
だいぶ前から雷も鳴りを潜めていて、名前もご機嫌に紅茶の用意をしていた。
掃除道具を片付けた俺がリビングに戻ると、紅茶のいい香りが漂っていた。
ローテーブルの上に仲良く並ぶのは、この家に名前が転がり込んできたときに嬉しそうに見せて来たハート柄のティーカップだ。
もう見慣れたそれは、俺と名前が紅茶を飲むときに欠かせないものになっていた。
「昨日、バイトの帰りにロールケーキ買ってきたんです。
ヒストリアに聞いたんですけど、甘さ控えめですごく美味しいらしいですよ~。」
俺がソファに腰を降ろしたタイミングで、2人分に切ったロールケーキを皿にのせて名前が楽しそうにやって来た。
それをテーブルの上に並べておくと、俺の隣に腰をおろした。
「はい、どうぞ。」
「ありがとう。」
名前からティーカップを受け取って、甘えるように肩に寄り掛かる名前の腰を抱き寄せた。
スマホで天気を調べると、明日は晴れの予報になっていた。
それなら、今度こそドライブに行こうかー。
それとも、どこか行きたいところはあるかー。
2人で過ごす休日の予定を一緒に話しながら、紅茶を飲む。
それもまた、2人で過ごすなんてことない、そして最高に幸せな休日に違いなかった。
名前の従妹のおすすめだというロールケーキは、確かに甘さ控えめで、好んで甘いものを食べようとは思わない俺でも食べやすかった。
きっとだから、従妹におすすめされたこのロールケーキを買ってきてくれたのだろうと思うから、隣で「美味しいですね。」と頬を緩める名前がまた一層愛おしかった。
「あ、雨が止みましたね。」
「そうみてぇだな。」
いつの間にか静かになっていた窓の外は、雲の切れ間から太陽の光が差してキラキラと光り始めていた。
すると、不意に名前が勢いよく立ち上がった。
「リヴァイさんっ!虹ですよ!!」
至極嬉しそうにそう言った名前が、楽しそうにリビングの大窓に駆け寄っていく。
その後姿がまるで子供のようで、思わずクスリと笑ってしまう。
「ほら、リヴァイさんも来てください!!まん丸い虹ですよ!!
すごい、すごい!!」
ハシャぎながら手招きする名前に急かされて、ティーカップをテーブルの上に置いた俺は、のんびりと歩いて窓辺に向かった。
隣に立った俺に、名前は興奮しながら窓の外の空を指さした。
俺にもすぐに虹を見つけることが出来た。
雲の切れ間が少しずつ広がっていくそこに、虹色の丸い円が出来ていた。
途中で切れることもない、鮮やかな虹色をした綺麗な円だった。
これは子供のように興奮してしまうのも分からなくないと思った。
「こんなに綺麗な虹を見たのは初めてです。」
「あぁ、俺もだ。」
「リヴァイさんと一緒にいたら、たくさんの魔法を見られるから楽しいです。」
名前が嬉しそうに言った。
でも、出会ったその時から、魔法を見せられているのは俺の方だった。
口元に生クリームをつけて笑う名前はきっと、ずっと、知りもしないのだろう。
「ついてる。」
教えてやる、という気はサラサラなかったと思う。
口元を舐めると、名前はいつものように恥ずかしそうに頬を染める。
甘さ控えめだったはずの生クリームなのに、とろけてしまいそうなくらいに甘ったるかった。
もっと食べたくなって、名前の腰を抱き寄せた。
「ん…っ、ふぁ…っんっ。」
甘ったるい生クリームの味のする咥内に舌を這わせれば、甘い声が唇の隙間から漏れ始めた。
それさえも俺のものにしたくて、唇を塞ぐようにして貪った。
名前の手が俺のシャツの胸元を握りしめた。
次第に立っていられなくなったらしい名前の身体が重力に引かれて膝から落ちそうになっていたから、唇を重ねたままで抱き上げた。
だいぶ前から雷も鳴りを潜めていて、名前もご機嫌に紅茶の用意をしていた。
掃除道具を片付けた俺がリビングに戻ると、紅茶のいい香りが漂っていた。
ローテーブルの上に仲良く並ぶのは、この家に名前が転がり込んできたときに嬉しそうに見せて来たハート柄のティーカップだ。
もう見慣れたそれは、俺と名前が紅茶を飲むときに欠かせないものになっていた。
「昨日、バイトの帰りにロールケーキ買ってきたんです。
ヒストリアに聞いたんですけど、甘さ控えめですごく美味しいらしいですよ~。」
俺がソファに腰を降ろしたタイミングで、2人分に切ったロールケーキを皿にのせて名前が楽しそうにやって来た。
それをテーブルの上に並べておくと、俺の隣に腰をおろした。
「はい、どうぞ。」
「ありがとう。」
名前からティーカップを受け取って、甘えるように肩に寄り掛かる名前の腰を抱き寄せた。
スマホで天気を調べると、明日は晴れの予報になっていた。
それなら、今度こそドライブに行こうかー。
それとも、どこか行きたいところはあるかー。
2人で過ごす休日の予定を一緒に話しながら、紅茶を飲む。
それもまた、2人で過ごすなんてことない、そして最高に幸せな休日に違いなかった。
名前の従妹のおすすめだというロールケーキは、確かに甘さ控えめで、好んで甘いものを食べようとは思わない俺でも食べやすかった。
きっとだから、従妹におすすめされたこのロールケーキを買ってきてくれたのだろうと思うから、隣で「美味しいですね。」と頬を緩める名前がまた一層愛おしかった。
「あ、雨が止みましたね。」
「そうみてぇだな。」
いつの間にか静かになっていた窓の外は、雲の切れ間から太陽の光が差してキラキラと光り始めていた。
すると、不意に名前が勢いよく立ち上がった。
「リヴァイさんっ!虹ですよ!!」
至極嬉しそうにそう言った名前が、楽しそうにリビングの大窓に駆け寄っていく。
その後姿がまるで子供のようで、思わずクスリと笑ってしまう。
「ほら、リヴァイさんも来てください!!まん丸い虹ですよ!!
すごい、すごい!!」
ハシャぎながら手招きする名前に急かされて、ティーカップをテーブルの上に置いた俺は、のんびりと歩いて窓辺に向かった。
隣に立った俺に、名前は興奮しながら窓の外の空を指さした。
俺にもすぐに虹を見つけることが出来た。
雲の切れ間が少しずつ広がっていくそこに、虹色の丸い円が出来ていた。
途中で切れることもない、鮮やかな虹色をした綺麗な円だった。
これは子供のように興奮してしまうのも分からなくないと思った。
「こんなに綺麗な虹を見たのは初めてです。」
「あぁ、俺もだ。」
「リヴァイさんと一緒にいたら、たくさんの魔法を見られるから楽しいです。」
名前が嬉しそうに言った。
でも、出会ったその時から、魔法を見せられているのは俺の方だった。
口元に生クリームをつけて笑う名前はきっと、ずっと、知りもしないのだろう。
「ついてる。」
教えてやる、という気はサラサラなかったと思う。
口元を舐めると、名前はいつものように恥ずかしそうに頬を染める。
甘さ控えめだったはずの生クリームなのに、とろけてしまいそうなくらいに甘ったるかった。
もっと食べたくなって、名前の腰を抱き寄せた。
「ん…っ、ふぁ…っんっ。」
甘ったるい生クリームの味のする咥内に舌を這わせれば、甘い声が唇の隙間から漏れ始めた。
それさえも俺のものにしたくて、唇を塞ぐようにして貪った。
名前の手が俺のシャツの胸元を握りしめた。
次第に立っていられなくなったらしい名前の身体が重力に引かれて膝から落ちそうになっていたから、唇を重ねたままで抱き上げた。