◇57ページ◇なんてことのない幸せな日常
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正月休みで怠けた身体で乗り切った一週間を終えて、やっとやって来た週末だというのに、朝から大雨が降っていた。
テレビのニュースでも大雨警報が出たとか、何十年に一度の大雨だとか、カッパを着たアナウンサーがびしょ濡れになりながら報じていた。
本当なら、2人でどこかへドライブにでも行くつもりだったのだが、この土砂降りの雨なら家にこもるしかなく、それならばー、と俺は大掃除を始めていた。
リビングの大窓を拭いていると、何度目かの雷が鳴って窓越しに俺達も光らせた。
その瞬間に、背中から俺の腰に抱き着く名前の腕に力が入って、ギュゥッと締め付けられた。
「そろそろ息が苦しいんだが。」
「心配しないでください。
リヴァイさんなら、大丈夫ですから。」
「勝手に決めるな。」
そう言っている間にもまた雷鳴が響き、名前が腕に力を込められた。
腰から折れて、俺が半分に分かれてしまうんじゃないかと思うくらいの腕の力に、思わず苦笑が漏れる。
いつもなら俺と一緒に掃除に励んでくれている名前だが、雷の日は休業なのだそうだ。
ずっと腰にしがみつかれていて、掃除はやりにくかったが、それでも引き剥がそうとはしないのは、背中に感じる温もりが愛おしくて仕方がなかったからだ。
「前に雷が怖くて眠れなかった日、リヴァイさんが来てくれて
すごく嬉しかったんです。」
雷は鳴っていなかったけれど、名前は俺にしがみつく腕に力を込めて、俺の首の辺りに頬を寄せた。
朝、目が覚めて、煩いくらいに窓を叩いていた土砂降りの雨を見たときから、数か月前の雷の夜のことを思い出していた。
雷まで鳴り出したらきっと名前が怯えるのだろうなと思っていたら、俺の背中にしがみついて離れなくなったから、可笑しくて嬉しくて、可愛くて仕方がなかった。
あの日の名前にも、同じことをしてやりたいと思っているくらいだ。
でも、あんなことでも、あのときの名前は嬉しいと思ってくれていた。
それが、俺は嬉しかった。
「なら、よかった。」
掃除をしていた手を止めて、腰にまわる名前の手に触れた。
「初めて、雷の夜に熟睡出来たんです。
だから…、今夜も一緒に寝ましょうね。」
背中からひょっこりと顔だけを出した名前は、俺を見上げて懇願するように言った。
(あぁ、それが言いたかったのか。)
毎晩一緒に眠っているのに、ちゃんと一緒に眠ることを確かめないと不安だったらしい。
「残念だったな。今夜は眠れねぇよ。」
「え…!?一緒に眠ってくれないんですかっ??」
ひどくショックを受けた様子で、名前は俺のシャツの背中をギュッと握りしめた。
そんな名前の頬に手を添えて、俺は意地悪く口の端を上げた。
「何言ってんだ。今夜、お前を寝かさないのは雷じゃねぇ。」
俺だー。
名前の耳元でそう囁いた後、僅かに赤く色づいた耳をそのまま舌で舐め上げた。
小さな高い声を上げて、名前は顔まで真っ赤になった。
それが可愛くてククッと喉を鳴らすと、名前は「バカ。」と呟いて俺の背中に隠れてしまった。
テレビのニュースでも大雨警報が出たとか、何十年に一度の大雨だとか、カッパを着たアナウンサーがびしょ濡れになりながら報じていた。
本当なら、2人でどこかへドライブにでも行くつもりだったのだが、この土砂降りの雨なら家にこもるしかなく、それならばー、と俺は大掃除を始めていた。
リビングの大窓を拭いていると、何度目かの雷が鳴って窓越しに俺達も光らせた。
その瞬間に、背中から俺の腰に抱き着く名前の腕に力が入って、ギュゥッと締め付けられた。
「そろそろ息が苦しいんだが。」
「心配しないでください。
リヴァイさんなら、大丈夫ですから。」
「勝手に決めるな。」
そう言っている間にもまた雷鳴が響き、名前が腕に力を込められた。
腰から折れて、俺が半分に分かれてしまうんじゃないかと思うくらいの腕の力に、思わず苦笑が漏れる。
いつもなら俺と一緒に掃除に励んでくれている名前だが、雷の日は休業なのだそうだ。
ずっと腰にしがみつかれていて、掃除はやりにくかったが、それでも引き剥がそうとはしないのは、背中に感じる温もりが愛おしくて仕方がなかったからだ。
「前に雷が怖くて眠れなかった日、リヴァイさんが来てくれて
すごく嬉しかったんです。」
雷は鳴っていなかったけれど、名前は俺にしがみつく腕に力を込めて、俺の首の辺りに頬を寄せた。
朝、目が覚めて、煩いくらいに窓を叩いていた土砂降りの雨を見たときから、数か月前の雷の夜のことを思い出していた。
雷まで鳴り出したらきっと名前が怯えるのだろうなと思っていたら、俺の背中にしがみついて離れなくなったから、可笑しくて嬉しくて、可愛くて仕方がなかった。
あの日の名前にも、同じことをしてやりたいと思っているくらいだ。
でも、あんなことでも、あのときの名前は嬉しいと思ってくれていた。
それが、俺は嬉しかった。
「なら、よかった。」
掃除をしていた手を止めて、腰にまわる名前の手に触れた。
「初めて、雷の夜に熟睡出来たんです。
だから…、今夜も一緒に寝ましょうね。」
背中からひょっこりと顔だけを出した名前は、俺を見上げて懇願するように言った。
(あぁ、それが言いたかったのか。)
毎晩一緒に眠っているのに、ちゃんと一緒に眠ることを確かめないと不安だったらしい。
「残念だったな。今夜は眠れねぇよ。」
「え…!?一緒に眠ってくれないんですかっ??」
ひどくショックを受けた様子で、名前は俺のシャツの背中をギュッと握りしめた。
そんな名前の頬に手を添えて、俺は意地悪く口の端を上げた。
「何言ってんだ。今夜、お前を寝かさないのは雷じゃねぇ。」
俺だー。
名前の耳元でそう囁いた後、僅かに赤く色づいた耳をそのまま舌で舐め上げた。
小さな高い声を上げて、名前は顔まで真っ赤になった。
それが可愛くてククッと喉を鳴らすと、名前は「バカ。」と呟いて俺の背中に隠れてしまった。