「やっぱり、愛するよりも愛される方が女は綺麗になるわよね。」

真夜中、モビー号の医務室では、今夜も女子トークが始まっていた。
中央に置かれたテーブルを取り囲むソファに座る夜勤のナース達に混ざって、1番隊への所属が決まったばかりの新米海賊の私も仲良くお喋りをさせてもらっているときだった。
ナースの1人がサラリと言ったその一言が、ナイフのように私の胸にグサリと刺さって、思わず痛んだ胸に手を乗せた。

「どうかしたの？」
「ううん、なんでもないのっ。
　あ、もうこんな時間…っ、不寝番の交代に行ってくる！」
「いってらっしゃーい。」
「頑張ってね～。」

慌てて立ち上がった私は、ナース達に見送られて、医務室から飛び出した。