最期に伝えたい言葉は、
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王都ミッドラスの地下街。
空気も人間も汚れたその場所で、俺はなまえを何度も泣かせた。
喧嘩をして怪我をしては心配させて、傷つけて、泣かせてきた。
それでも、なまえが俺のことを諦めることはなかった。
いつだって俺の一番の理解者でいてくれて、俺の味方でいてくれた。
でも、そんななまえがたった一度だけ、俺の気持ちを無視して、反対したことがあった。
調査兵団に入って地上に出ると言ったときだ。
『心配するな。王都での居住権を手に入れてすぐに戻ってくるからよ。
そしたら、俺と…。いや、それは迎えに来たときに言うから、待っててくれ、な?』
巨人と戦うなんて危険なことはやめてー。
あなたのそばにいられるのなら住む場所なんてどこだっていいー。
泣きながら懇願するなまえの手を振りほどき、俺は未来を夢見た。
あのとき、なまえが欲しかったのは、俺と一緒に過ごす“今”だったのだと気づくことが出来たのは、今になったからだと思う。
後悔っていうのは、いつだって後になってからやって来るものだ。
命を懸けるかもしれないと分かっていたのだから、俺はあのとき、約束なんてするべきじゃなかった。
守れない約束なんてしないで、となまえもよく言っていたっけ。
でも俺は、地下街に住む誰もが持っている、地上に出たいと言う抗えない弱みに付け込んだ。
どうしても、地上が見てみたかった。
なまえに綺麗な空気の中で笑ってもらいたかったのにー。
リヴァイと一緒に地下街に帰ってきたとき、俺はまたなまえを泣かせてしまった。
≪ごめん…。もう、泣かせないから。≫
明日のために調査兵団兵舎にやってきたなまえは、リヴァイが用意した部屋で1人きり、ベッドに顔を埋めて泣いていた。
今までもそうしていたみたいに、隣に座って頭を撫でながら謝る。
いつもなら、許すのはこれが最後だと叱ってくれるなまえは、今夜は何も答えてくれない。
≪許してくれるわけ…、ないよな。本当、ごめん…。≫
俺はひたすら謝って、なまえの頭を撫で続けた。
抱きしめてもみた。
でも、なまえは一晩中、泣き続けるばかりだ。
本当にごめん。
愛してしまって、ごめん。
なまえが今まで流してきた涙すべてに謝りたい。
本当にごめん。
俺がなまえにしでかしたすべてのことを謝りたい。
今までなまえを傷つけて来た俺の言葉のすべてをなかったことに出来たらー。
俺がなまえを愛したりなんかしなかったら、こんな風に泣かせることなんてなかったはずだ。
出逢うべきじゃなかったんだろう。
大切にしてやれないのなら、愛したらいけなかったのだ。
なまえの人生に、俺は足を踏み入れるべきじゃなかった。
許してくれなくて、当然だー。
いつの間にか朝が来て、涙で真っ赤に瞼を腫らしたままで、なまえは黒いワンピースに着替えた。
迎えに来たリヴァイに連れられて、なまえは目を伏せて歩く。
今にも倒れてしまいそうで、か細い肩を抱き寄せた。
あぁ、ずっとこうして守っていたかったのにー。
俺が、ずっと守ってあげたかったのにー。
ほんの少し強く吹いた風に、倒れそうになったなまえを支えたのは、リヴァイだった。
リヴァイに肩を支えられながら、なまえが立ったのは、俺の名前が刻まれた墓石の前だ。
「…あとで迎えに来る。」
「うん、ありがとう。」
リヴァイが立ち去ると、なまえは膝から崩れ落ちた。
息苦しそうに胸を押さえて、なまえは嗚咽を漏らす。
今まで必死になんとか立っていたのだと思い知らされて、俺は胸が張り裂けそうだった。
≪ごめん…。お前を愛して、本当に、ごめん…。≫
震える儚い背中を後ろから抱きしめた。
柔らかくて温かい体温は、俺にはもう、わからないー。
本当に、ごめんー。
愛してしまって、本当にー。
それなのに、なまえは泣きながら、俺が愛した声で繰り返すー。
愛してくれて、ありがとう
君ともっと、ずっと、生きていたかったー。
どうか、君を泣かすことがもう二度とありませんようにー。
あぁ、どうか、幸せでいてー。
空気も人間も汚れたその場所で、俺はなまえを何度も泣かせた。
喧嘩をして怪我をしては心配させて、傷つけて、泣かせてきた。
それでも、なまえが俺のことを諦めることはなかった。
いつだって俺の一番の理解者でいてくれて、俺の味方でいてくれた。
でも、そんななまえがたった一度だけ、俺の気持ちを無視して、反対したことがあった。
調査兵団に入って地上に出ると言ったときだ。
『心配するな。王都での居住権を手に入れてすぐに戻ってくるからよ。
そしたら、俺と…。いや、それは迎えに来たときに言うから、待っててくれ、な?』
巨人と戦うなんて危険なことはやめてー。
あなたのそばにいられるのなら住む場所なんてどこだっていいー。
泣きながら懇願するなまえの手を振りほどき、俺は未来を夢見た。
あのとき、なまえが欲しかったのは、俺と一緒に過ごす“今”だったのだと気づくことが出来たのは、今になったからだと思う。
後悔っていうのは、いつだって後になってからやって来るものだ。
命を懸けるかもしれないと分かっていたのだから、俺はあのとき、約束なんてするべきじゃなかった。
守れない約束なんてしないで、となまえもよく言っていたっけ。
でも俺は、地下街に住む誰もが持っている、地上に出たいと言う抗えない弱みに付け込んだ。
どうしても、地上が見てみたかった。
なまえに綺麗な空気の中で笑ってもらいたかったのにー。
リヴァイと一緒に地下街に帰ってきたとき、俺はまたなまえを泣かせてしまった。
≪ごめん…。もう、泣かせないから。≫
明日のために調査兵団兵舎にやってきたなまえは、リヴァイが用意した部屋で1人きり、ベッドに顔を埋めて泣いていた。
今までもそうしていたみたいに、隣に座って頭を撫でながら謝る。
いつもなら、許すのはこれが最後だと叱ってくれるなまえは、今夜は何も答えてくれない。
≪許してくれるわけ…、ないよな。本当、ごめん…。≫
俺はひたすら謝って、なまえの頭を撫で続けた。
抱きしめてもみた。
でも、なまえは一晩中、泣き続けるばかりだ。
本当にごめん。
愛してしまって、ごめん。
なまえが今まで流してきた涙すべてに謝りたい。
本当にごめん。
俺がなまえにしでかしたすべてのことを謝りたい。
今までなまえを傷つけて来た俺の言葉のすべてをなかったことに出来たらー。
俺がなまえを愛したりなんかしなかったら、こんな風に泣かせることなんてなかったはずだ。
出逢うべきじゃなかったんだろう。
大切にしてやれないのなら、愛したらいけなかったのだ。
なまえの人生に、俺は足を踏み入れるべきじゃなかった。
許してくれなくて、当然だー。
いつの間にか朝が来て、涙で真っ赤に瞼を腫らしたままで、なまえは黒いワンピースに着替えた。
迎えに来たリヴァイに連れられて、なまえは目を伏せて歩く。
今にも倒れてしまいそうで、か細い肩を抱き寄せた。
あぁ、ずっとこうして守っていたかったのにー。
俺が、ずっと守ってあげたかったのにー。
ほんの少し強く吹いた風に、倒れそうになったなまえを支えたのは、リヴァイだった。
リヴァイに肩を支えられながら、なまえが立ったのは、俺の名前が刻まれた墓石の前だ。
「…あとで迎えに来る。」
「うん、ありがとう。」
リヴァイが立ち去ると、なまえは膝から崩れ落ちた。
息苦しそうに胸を押さえて、なまえは嗚咽を漏らす。
今まで必死になんとか立っていたのだと思い知らされて、俺は胸が張り裂けそうだった。
≪ごめん…。お前を愛して、本当に、ごめん…。≫
震える儚い背中を後ろから抱きしめた。
柔らかくて温かい体温は、俺にはもう、わからないー。
本当に、ごめんー。
愛してしまって、本当にー。
それなのに、なまえは泣きながら、俺が愛した声で繰り返すー。
愛してくれて、ありがとう
君ともっと、ずっと、生きていたかったー。
どうか、君を泣かすことがもう二度とありませんようにー。
あぁ、どうか、幸せでいてー。
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