◇40話◇彼は運命の人
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鏡の中の自分と向き合って話すのは、慣れそうにない。
これからどうするのが一番いいのか、それも分からない。
それでもお互いに、この異常事態の中で、思いつく限りの案を出して話し合った。
「そういえば、あんたのとこのなまえから聞いたんだが
イアンと結婚するのか?」
話が途切れるのを待っていたみたいに、リコは訊ねていた。
なぜそれを訊いてしまったのだろう。
「そうなんだ。結婚式も控えているし、それまでになまえが帰ってくればいいんだがな。」
顔を見られなくて、僅かに視線を反らしたけれど、それくらいでは照れ臭そうに頬を緩ませる自分の顔を視界から消すことは出来なかった。
そうか。平和な世界にいたら、自分はそんなだらしない表情も出来てしまうのかー。
「そっちはイアンとはどうなんだ?仲良くやってるか?」
何も知らない向こうの世界のリコに悪気はない。
当然のようにイアンが生きている世界の彼女はまさか、この世界は死と隣り合わせだなんて想像もしていないのだろう。
教えてやればいいのかもしれないけれど、なまえがこの世界に残ってしまった今、余計な心労を増やす必要性は感じない。
「あぁ、元気だ。毎日部下に面倒くさい説教を垂れてるよ。」
「ハハ、イアンはどこにいても変わらないな。」
鏡の向こうでリコが可笑しそうに笑う。
なまえとリヴァイが運命なんて、どうしてそんなことを確信したように言ってしまったのだろう。
運命なんて言葉、信じてなんかいないのにー。
たぶんー。
きっとー。
それを誰よりも信じたかったのは、自分だからだ。
向こうの世界でなら結ばれたリコとイアンが運命だったのなら、自分の運命の相手もイアンだったのだと思いたくてー。
違う世界に飛ばされようが、どんなに遠く離れようが、惹かれ合う運命なのだと、信じたかったのだと思う。
「幸せになってくれよ。」
「お互いにな。」
それは願望だったから、彼女の言葉にうまく笑えて返せた自信はない。
でも、鏡に映る自分は、ひどく幸せそうに笑っていたー。
これからどうするのが一番いいのか、それも分からない。
それでもお互いに、この異常事態の中で、思いつく限りの案を出して話し合った。
「そういえば、あんたのとこのなまえから聞いたんだが
イアンと結婚するのか?」
話が途切れるのを待っていたみたいに、リコは訊ねていた。
なぜそれを訊いてしまったのだろう。
「そうなんだ。結婚式も控えているし、それまでになまえが帰ってくればいいんだがな。」
顔を見られなくて、僅かに視線を反らしたけれど、それくらいでは照れ臭そうに頬を緩ませる自分の顔を視界から消すことは出来なかった。
そうか。平和な世界にいたら、自分はそんなだらしない表情も出来てしまうのかー。
「そっちはイアンとはどうなんだ?仲良くやってるか?」
何も知らない向こうの世界のリコに悪気はない。
当然のようにイアンが生きている世界の彼女はまさか、この世界は死と隣り合わせだなんて想像もしていないのだろう。
教えてやればいいのかもしれないけれど、なまえがこの世界に残ってしまった今、余計な心労を増やす必要性は感じない。
「あぁ、元気だ。毎日部下に面倒くさい説教を垂れてるよ。」
「ハハ、イアンはどこにいても変わらないな。」
鏡の向こうでリコが可笑しそうに笑う。
なまえとリヴァイが運命なんて、どうしてそんなことを確信したように言ってしまったのだろう。
運命なんて言葉、信じてなんかいないのにー。
たぶんー。
きっとー。
それを誰よりも信じたかったのは、自分だからだ。
向こうの世界でなら結ばれたリコとイアンが運命だったのなら、自分の運命の相手もイアンだったのだと思いたくてー。
違う世界に飛ばされようが、どんなに遠く離れようが、惹かれ合う運命なのだと、信じたかったのだと思う。
「幸せになってくれよ。」
「お互いにな。」
それは願望だったから、彼女の言葉にうまく笑えて返せた自信はない。
でも、鏡に映る自分は、ひどく幸せそうに笑っていたー。