◇40話◇彼は運命の人
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なまえが走り去った部屋の扉が、その反動で勢いよく閉まった。
愛に満ちた悲愴な表情で、なまえが出て行ったそこをリコは、何とも言えない気持ちで見つめることしか出来なかった。
鏡の向こうのリコは、何が起こったか分からず呆然としているようだった。
でも、この世界のリコには、これが何を意味するのか嫌でも理解していた。
彼女はもう、引き返せないほどにリヴァイをー。
「今、まさか、なまえはリヴァイと言ったか。」
鏡の向こうのリコの声にハッとして、リコは振り返る。
「まさか、そっちの世界にもリヴァイはいるのか!?」
「あぁ、今、一緒になまえの行方を捜してもらっている男の名前がリヴァイだ。
実は、さっきまでこの家にいたんだ。ちょうどヤツが帰るときに寝室が光ったのが見えて。」
「その家に…!?あ…っ、だからか…!」
漸く、繋がったー。
なぜ、自分が鏡の前でリコに会いたいと願っても反応がなかった鏡が、突然光を放ち、向こうの世界と繋がったのか不思議だったのだ。
恐らく、なまえはあのとき、リヴァイに会いたいと願ったのだろう。
そして、なまえの行方を捜している向こうの世界のリヴァイもまた、彼女のことを考えていたー。
それが、リンクしてー。
「だが、なまえはそっちの世界にリヴァイがいることを知らないようだった。
知り合いではないのか?」
「なまえが行方不明になる前日に、新しく会社に入ってきたんだ。
だから、なまえは会ったことない。元探偵ということで、
捜索に協力してもらっているだけだ。まだ、パラレルワールドの話はしていないが…。」
「まぁ、そうだろうな。信じてくれるとも思えん。」
「それで、そっちのリヴァイとなまえはどういう関係なんだ。
なまえはこっちの世界に帰りたくないようだった。
それは、その男のせいなんじゃないのか?」
我ながら、さすがリコだと思ってしまった。
なまえのことを誰よりも分かっているのだ。
自分が、そうだったようにー。
今でも、なぜか、自分が彼女に対してそうであるようにー。
リコは、なまえがリヴァイの恋人役を押しつけられることになったあらましを簡単に説明した。
始めは抵抗していたことも、それが次第に、苦しみから逃げるように抵抗するように変わっていっていたこともー。
「なぁ、それってもしかして…。」
「あぁ、言いたいことは分かってる。
アンタんとこのなまえはきっと、そっちのリヴァイと出逢うはずだったんだろうな。
なまえが、アイツと出逢ったみたいにー。」
「それなら、そう説明すれば、なまえはこの世界に帰ろうとするんじゃないか?
間違ってるヤツを愛してるだけだと教えてやればいい。」
「さぁ、どうだろうか…。そう簡単に行けばいいが…。」
最初に彼女に会ったときは、なまえの恋人に間違って愛されていてひどく不愉快だった。
だから早く、元の世界に帰してしまいたかった。
だって、リヴァイはなまえの恋人なのだからー。他の女がリヴァイの隣にいるのは、許せなかった。
たとえそれが、違う世界に住むなまえと同一人物なのだとしてもー。
でも、結局、自分はなまえの親友で、彼女の一番の味方になる運命にあるらしい。
彼女の苦しみに気づいてしまった途端、嫌悪感よりも助けてやりたいという気持ちに支配されていた。
苦しむ彼女を、元の世界に帰してやりたくなった。
でも、そんなことを言っても、もう手遅れなのだろう。
だってー。
『誰が好きなのか分かんなくてパニックだ、きっと…。』
ひどく悲しそうに目を伏せた彼女の横顔を思い出す。
今、元の世界に戻って、本来出逢うべきリヴァイに惹かれたところで、今以上に苦しむのだろう。
誰を愛しているのか分からず、1人きり残してきてしまったリヴァイへの罪悪感と苦しみを抱えー。
あぁ、なんてことだー。
なまえは本当に、なんてことをしてくれたんだー。
「どうするのがなまえにとって一番いいか考えよう。」
「そうだな。まさか、鏡越しに自分と相談し合う日が来るとは思わなかったよ。」
「私もだよ。」
2人で途方に暮れた顔をしていると、何の変哲もない鏡を見ているだけだと錯覚してしまいそうになる。
でも、何度見てもお互いの背景は、知っている自分の部屋とは違う。
パラレルワールドと運命の出逢いというのは存在したのだと、認識せざるを得ないらしいー。
愛に満ちた悲愴な表情で、なまえが出て行ったそこをリコは、何とも言えない気持ちで見つめることしか出来なかった。
鏡の向こうのリコは、何が起こったか分からず呆然としているようだった。
でも、この世界のリコには、これが何を意味するのか嫌でも理解していた。
彼女はもう、引き返せないほどにリヴァイをー。
「今、まさか、なまえはリヴァイと言ったか。」
鏡の向こうのリコの声にハッとして、リコは振り返る。
「まさか、そっちの世界にもリヴァイはいるのか!?」
「あぁ、今、一緒になまえの行方を捜してもらっている男の名前がリヴァイだ。
実は、さっきまでこの家にいたんだ。ちょうどヤツが帰るときに寝室が光ったのが見えて。」
「その家に…!?あ…っ、だからか…!」
漸く、繋がったー。
なぜ、自分が鏡の前でリコに会いたいと願っても反応がなかった鏡が、突然光を放ち、向こうの世界と繋がったのか不思議だったのだ。
恐らく、なまえはあのとき、リヴァイに会いたいと願ったのだろう。
そして、なまえの行方を捜している向こうの世界のリヴァイもまた、彼女のことを考えていたー。
それが、リンクしてー。
「だが、なまえはそっちの世界にリヴァイがいることを知らないようだった。
知り合いではないのか?」
「なまえが行方不明になる前日に、新しく会社に入ってきたんだ。
だから、なまえは会ったことない。元探偵ということで、
捜索に協力してもらっているだけだ。まだ、パラレルワールドの話はしていないが…。」
「まぁ、そうだろうな。信じてくれるとも思えん。」
「それで、そっちのリヴァイとなまえはどういう関係なんだ。
なまえはこっちの世界に帰りたくないようだった。
それは、その男のせいなんじゃないのか?」
我ながら、さすがリコだと思ってしまった。
なまえのことを誰よりも分かっているのだ。
自分が、そうだったようにー。
今でも、なぜか、自分が彼女に対してそうであるようにー。
リコは、なまえがリヴァイの恋人役を押しつけられることになったあらましを簡単に説明した。
始めは抵抗していたことも、それが次第に、苦しみから逃げるように抵抗するように変わっていっていたこともー。
「なぁ、それってもしかして…。」
「あぁ、言いたいことは分かってる。
アンタんとこのなまえはきっと、そっちのリヴァイと出逢うはずだったんだろうな。
なまえが、アイツと出逢ったみたいにー。」
「それなら、そう説明すれば、なまえはこの世界に帰ろうとするんじゃないか?
間違ってるヤツを愛してるだけだと教えてやればいい。」
「さぁ、どうだろうか…。そう簡単に行けばいいが…。」
最初に彼女に会ったときは、なまえの恋人に間違って愛されていてひどく不愉快だった。
だから早く、元の世界に帰してしまいたかった。
だって、リヴァイはなまえの恋人なのだからー。他の女がリヴァイの隣にいるのは、許せなかった。
たとえそれが、違う世界に住むなまえと同一人物なのだとしてもー。
でも、結局、自分はなまえの親友で、彼女の一番の味方になる運命にあるらしい。
彼女の苦しみに気づいてしまった途端、嫌悪感よりも助けてやりたいという気持ちに支配されていた。
苦しむ彼女を、元の世界に帰してやりたくなった。
でも、そんなことを言っても、もう手遅れなのだろう。
だってー。
『誰が好きなのか分かんなくてパニックだ、きっと…。』
ひどく悲しそうに目を伏せた彼女の横顔を思い出す。
今、元の世界に戻って、本来出逢うべきリヴァイに惹かれたところで、今以上に苦しむのだろう。
誰を愛しているのか分からず、1人きり残してきてしまったリヴァイへの罪悪感と苦しみを抱えー。
あぁ、なんてことだー。
なまえは本当に、なんてことをしてくれたんだー。
「どうするのがなまえにとって一番いいか考えよう。」
「そうだな。まさか、鏡越しに自分と相談し合う日が来るとは思わなかったよ。」
「私もだよ。」
2人で途方に暮れた顔をしていると、何の変哲もない鏡を見ているだけだと錯覚してしまいそうになる。
でも、何度見てもお互いの背景は、知っている自分の部屋とは違う。
パラレルワールドと運命の出逢いというのは存在したのだと、認識せざるを得ないらしいー。