◇37話◇初めてのデート
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調査兵団の兵舎を兵士長のリヴァイが案内してくれるというのは、おそらく、とても贅沢で珍しいことなのだと思う。
ここはどういう部屋で、何をするところなのかー。
説明なんてしそうにない彼は、詳しく事細かに教えてくれる。
その度に、すれ違う調査兵達は一様に、隣を歩く私に視線を向けていた。
今日は一日中任務が入ったはずのリヴァイだったけれど、とりあえずは落ち着いたらしい。
リヴァイは、何が落ち着いたのかは話さなかったけれど、エレンの発作が落ち着いたということだろうか。
とにかく、エルヴィン団長から兵舎を出ないことを条件に、自由に過ごして良いと許可が出たということだった。
だから、兵舎の中を見て回りたいのなら案内してやるとリヴァイから言ってくれた。
さっきは、図書室に連れて行ってもらった。
本を読む調査兵はあまりいないという話だったけれど、書類仕事をしている人達は数名いた。
そこに、モブリットもいて、今日も彼は書類に埋もれてとても忙しそうだった。
建物の中を歩き終えた後、ちょうど馬が餌を貰う時間だと聞いた私は、厩舎に連れてきてもらっていた。
馬の世話係は新兵がしているらしく、見るからに初々しい調査兵達が馬に餌を食べさせていた。
やってみたいとお願いした私も、金髪碧目の美少年の調査兵に餌の入ったバケツをもらった。
牧草も食べるらしいけれど、今回の餌はいろいろな栄養を混ぜた飼料なのだそうだ。
リヴァイの愛馬の口元にその飼料の入ったバケツを持って行くと、食べてくれた。
なんだか、とても感激だー。
「兵舎なんか見てもつまらなかっただろ。」
リヴァイが愛馬の首のあたりを撫でながら言う。
「楽しかったよ。こんなところでお仕事してるのか~って知れるし、
馬に餌をあげるのも初めてだから、すごく楽しいっ。」
素直に答えれば、リヴァイは少しホッとした顔をした後に「馬に餌をあげるのは初めてじゃねぇけどな。」と付け足した。
それもそうか、と気づく。
駐屯兵だったらしいなまえにも愛馬がいたのだろう。
「でも、うちの兵舎の中までなまえが入ったの初めてかもな。」
「え?!5年以上、付き合ってて、お互いに兵士だったのに!?」
「兵門の中までは入ったことはあるが、兵舎に入る必要がなかったからな。
付き合ってるからって、わざわざ恋人の仕事場に顔出さねぇだろ。」
「…それもそうか。」
妙に納得してしまった。
私だって、恋人に仕事場を案内したりはしないし、してもらったこともない。
でもー。
「じゃあ、約束通りの初めての場所でのデートだね。」
「…!そうだな。」
私が嬉しそうに言えば、リヴァイは少し驚いた顔をした後、ホッとしたように息を吐いた。
仕事が入ってしまったことを申し訳なく思っているのだろうということは気づいていた。
元々、今日は仕事のはずだったのだし、リヴァイは何も悪くないのにー。
私は、そばにいるだけでー。
あぁ、きっとなまえは、リヴァイのそばにいたいのだろうなー。
ただそれだけ、本当は願っているのだろうなー。
「壁外調査から帰ったら、今度こそちゃんとしたデートに連れてってやる。」
リヴァイが、クシャリと私の髪を撫でた。
なまえの代わりに、教えてあげたい。
ちゃんとしたデートなんて要らない。
ただ、そばにいたいだけだよー。
ここはどういう部屋で、何をするところなのかー。
説明なんてしそうにない彼は、詳しく事細かに教えてくれる。
その度に、すれ違う調査兵達は一様に、隣を歩く私に視線を向けていた。
今日は一日中任務が入ったはずのリヴァイだったけれど、とりあえずは落ち着いたらしい。
リヴァイは、何が落ち着いたのかは話さなかったけれど、エレンの発作が落ち着いたということだろうか。
とにかく、エルヴィン団長から兵舎を出ないことを条件に、自由に過ごして良いと許可が出たということだった。
だから、兵舎の中を見て回りたいのなら案内してやるとリヴァイから言ってくれた。
さっきは、図書室に連れて行ってもらった。
本を読む調査兵はあまりいないという話だったけれど、書類仕事をしている人達は数名いた。
そこに、モブリットもいて、今日も彼は書類に埋もれてとても忙しそうだった。
建物の中を歩き終えた後、ちょうど馬が餌を貰う時間だと聞いた私は、厩舎に連れてきてもらっていた。
馬の世話係は新兵がしているらしく、見るからに初々しい調査兵達が馬に餌を食べさせていた。
やってみたいとお願いした私も、金髪碧目の美少年の調査兵に餌の入ったバケツをもらった。
牧草も食べるらしいけれど、今回の餌はいろいろな栄養を混ぜた飼料なのだそうだ。
リヴァイの愛馬の口元にその飼料の入ったバケツを持って行くと、食べてくれた。
なんだか、とても感激だー。
「兵舎なんか見てもつまらなかっただろ。」
リヴァイが愛馬の首のあたりを撫でながら言う。
「楽しかったよ。こんなところでお仕事してるのか~って知れるし、
馬に餌をあげるのも初めてだから、すごく楽しいっ。」
素直に答えれば、リヴァイは少しホッとした顔をした後に「馬に餌をあげるのは初めてじゃねぇけどな。」と付け足した。
それもそうか、と気づく。
駐屯兵だったらしいなまえにも愛馬がいたのだろう。
「でも、うちの兵舎の中までなまえが入ったの初めてかもな。」
「え?!5年以上、付き合ってて、お互いに兵士だったのに!?」
「兵門の中までは入ったことはあるが、兵舎に入る必要がなかったからな。
付き合ってるからって、わざわざ恋人の仕事場に顔出さねぇだろ。」
「…それもそうか。」
妙に納得してしまった。
私だって、恋人に仕事場を案内したりはしないし、してもらったこともない。
でもー。
「じゃあ、約束通りの初めての場所でのデートだね。」
「…!そうだな。」
私が嬉しそうに言えば、リヴァイは少し驚いた顔をした後、ホッとしたように息を吐いた。
仕事が入ってしまったことを申し訳なく思っているのだろうということは気づいていた。
元々、今日は仕事のはずだったのだし、リヴァイは何も悪くないのにー。
私は、そばにいるだけでー。
あぁ、きっとなまえは、リヴァイのそばにいたいのだろうなー。
ただそれだけ、本当は願っているのだろうなー。
「壁外調査から帰ったら、今度こそちゃんとしたデートに連れてってやる。」
リヴァイが、クシャリと私の髪を撫でた。
なまえの代わりに、教えてあげたい。
ちゃんとしたデートなんて要らない。
ただ、そばにいたいだけだよー。