昨日は、リコとの奇跡的な再会や鏡が割れたり、泣きじゃくったりー。
きっと相当疲れていたのだろう。
久しぶりに、私はリヴァイの腕の中で熟睡した。
そして、慌ただしい人の声や足音で目が覚めた時には、いつもは私を抱きしめて眠っているリヴァイの姿はなかった。

(どこ行ったんだろう？)

ベッドから降りて、隣の執務室に顔を出した。
そこにいたのは、リヴァイだけではなかった。
ハンジとモブリットもいて、彼らは深刻な表情で何かを話している。
今日は非番だと言っていたリヴァイも兵団服に着替えていて、仕事中のようだった。
邪魔してしまったー。
そう思ったときには、リヴァイ達は私に気づいてしまっていた。

「悪い、なまえ。今日は兵舎から出られなくなった。」

リヴァイが申し訳なさそうに言う。
兵団服を着ているのを見たときから、そうだろうとは思った。
残念だけれど、なぜか少しホッともした。

「気にしないで。私は大丈夫。お仕事頑張ってね。」

そう言って、寝室に戻ろうとして、ふと思いつく。
だから、もう一度、リヴァイに声をかけた。

「ねぇ、今日も兵舎の中を歩き回らない方がいいの？」
「どこか行きてぇところがあるのか？」
「リヴァイが普段どんなところで働いてるのかなって思っただけだよ。
　あんまり人に会わない方がいいなら、私は部屋にいるから大丈夫。」
「あ～…。」

リヴァイは少し思案するように、斜め上を見た。
初めて兵舎に来たとき、死んだ人間が歩き回っているのは良くないと部屋に閉じこもるようにハンジ達に言われたのは覚えている。
あれは私を閉じ込めておきたかったというのもあったとは思うけれどー。

「構わないんじゃないかな？今さら、もう隠したって
　ほとんどの調査兵になまえに起きた不思議な現象はバレてる。
　隠すより、エルヴィンから全調査兵に口外禁止令出してもらった方が確実だ。」

ハンジが助け舟を出してくれた。
そのおかげで、リヴァイから、兵舎の中を歩き回る許可を貰えた。
条件は、旧調査兵団本部のときと同じだった。