◇27話◇作戦ミス発覚
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悩んだときは、頼りになる部下だ。
ハンジは、風の速さで走って旧調査兵団本部の裏手にある巨人研究所の小屋へやってきた。
勢いよく扉を開けば、1人で実験資料をまとめていたモブリットが肩をビクッとさせて振り向いた。
「今度は何を思いついたんですか。」
心底憂鬱そうにモブリットが訊ねる。
いつも、何かを思いついたときは、それに夢中になっていて気づかなかった。
モブリットはいつも、こんな憂鬱そうに話を聞いているのか。
それは知らなかった。
改める気は、サラサラないけれどー!
「マズいことになった。」
「何ですか?」
「リヴァイが、あの娘にプロポーズする気だ。」
「プロポーズ!?」
テーブルを挟んで向かい合うように座ったハンジは、ついさっきのリヴァイとのやり取りをモブリットに聞かせる。
少しずつ顔色を青くしていくモブリットも、この状況は、リヴァイにも彼女にも良くない方向へまっしぐらに向かっているということが理解できたらしい。
「どうするんですか!?だから、私は反対だったんですよ!!
パラレルワールドから来たなまえとは別人の彼女に
リヴァイ兵長の恋人の役をさせるなんて!!」
「だってさ!!あのまま、彼女はなまえじゃなくて、なまえは死んでるなんて言ったら
リヴァイは壊れちゃったよ!!それはマズいってモブリットだって思っただろう!?」
「それはそうですけど、彼女の心はどうなるんですか!?未来は!?
リヴァイ兵長はきっと、本当に彼女を放しませんよ!!
逃げる隙すら、もう二度と与えてくれない!!元の世界に帰さない気ですか!?」
モブリットがテーブルを乱暴に叩き、怖い顔で訴える。
ハンジとしては、どちらかと言えば、リヴァイの壊れた心の方が心配だった。
それをどうにかしてから、彼女を帰す方法を考えなければならないと思っていた。
でも、モブリットはー。
ガターッ。
外で大きな音がして、ハンジとモブリットは驚いて顔を見合わせた。
慌てて小屋から出て、被験体の巨人の様子を見に行く。
だが、雨のせいで薄暗い空の下、被験体の巨人はボーッとしている。
見張りの調査兵すら、ウトウトしているくらい平和そうだ。
「何の音だったんでしょう?」
「雨で何かが倒れたのかな。後で確認させておくよ。」
「そうですね。」
首を傾げながら、ハンジとモブリットは巨人研究所の小屋へ戻る。
そして、すぐにこれからの作戦会議を再開させた。
「とりあえず、次の壁外調査までは彼女に頑張ってもらうしかない。
終わったらパラレルワールドに帰れるように、道を探そう。
それまでにリヴァイに、別れを少しずつ理解させるんだ。」
「そうですね。そうしましょう。」
「それで、実はずっと気になっていることがあってー。」
彼女が元の世界に帰れるかもしれない方法をモブリットに説明する。
もしも、帰れると分かっても、壁外調査までは絶対に帰すことは出来ない。
大切な作戦だ。リヴァイの力が必要だ。絶対にー。
「やってみる価値はあると思います。
でも、どうやってリヴァイ兵長から彼女を借りるんです?」
「今度、兵舎で会議がある。それにリヴァイ班も来るようにエルヴィンに指示を出してもらうよ。
そうすれば、リヴァイは必ずトロスト区に彼女を連れて行く。
そして、会議の間、モブリットが彼女を見ておくとでも言えばいい。」
「あなたって人は本当に、言い訳を考える天才ですよね。」
「そんなに褒めても何も出ないぞ。」
ハンジが、照れて頭を掻く。
すっかり勘違いしているハンジが、モブリットのため息に気づくことは、昔も今も、これからも、ない。
ハンジは、風の速さで走って旧調査兵団本部の裏手にある巨人研究所の小屋へやってきた。
勢いよく扉を開けば、1人で実験資料をまとめていたモブリットが肩をビクッとさせて振り向いた。
「今度は何を思いついたんですか。」
心底憂鬱そうにモブリットが訊ねる。
いつも、何かを思いついたときは、それに夢中になっていて気づかなかった。
モブリットはいつも、こんな憂鬱そうに話を聞いているのか。
それは知らなかった。
改める気は、サラサラないけれどー!
「マズいことになった。」
「何ですか?」
「リヴァイが、あの娘にプロポーズする気だ。」
「プロポーズ!?」
テーブルを挟んで向かい合うように座ったハンジは、ついさっきのリヴァイとのやり取りをモブリットに聞かせる。
少しずつ顔色を青くしていくモブリットも、この状況は、リヴァイにも彼女にも良くない方向へまっしぐらに向かっているということが理解できたらしい。
「どうするんですか!?だから、私は反対だったんですよ!!
パラレルワールドから来たなまえとは別人の彼女に
リヴァイ兵長の恋人の役をさせるなんて!!」
「だってさ!!あのまま、彼女はなまえじゃなくて、なまえは死んでるなんて言ったら
リヴァイは壊れちゃったよ!!それはマズいってモブリットだって思っただろう!?」
「それはそうですけど、彼女の心はどうなるんですか!?未来は!?
リヴァイ兵長はきっと、本当に彼女を放しませんよ!!
逃げる隙すら、もう二度と与えてくれない!!元の世界に帰さない気ですか!?」
モブリットがテーブルを乱暴に叩き、怖い顔で訴える。
ハンジとしては、どちらかと言えば、リヴァイの壊れた心の方が心配だった。
それをどうにかしてから、彼女を帰す方法を考えなければならないと思っていた。
でも、モブリットはー。
ガターッ。
外で大きな音がして、ハンジとモブリットは驚いて顔を見合わせた。
慌てて小屋から出て、被験体の巨人の様子を見に行く。
だが、雨のせいで薄暗い空の下、被験体の巨人はボーッとしている。
見張りの調査兵すら、ウトウトしているくらい平和そうだ。
「何の音だったんでしょう?」
「雨で何かが倒れたのかな。後で確認させておくよ。」
「そうですね。」
首を傾げながら、ハンジとモブリットは巨人研究所の小屋へ戻る。
そして、すぐにこれからの作戦会議を再開させた。
「とりあえず、次の壁外調査までは彼女に頑張ってもらうしかない。
終わったらパラレルワールドに帰れるように、道を探そう。
それまでにリヴァイに、別れを少しずつ理解させるんだ。」
「そうですね。そうしましょう。」
「それで、実はずっと気になっていることがあってー。」
彼女が元の世界に帰れるかもしれない方法をモブリットに説明する。
もしも、帰れると分かっても、壁外調査までは絶対に帰すことは出来ない。
大切な作戦だ。リヴァイの力が必要だ。絶対にー。
「やってみる価値はあると思います。
でも、どうやってリヴァイ兵長から彼女を借りるんです?」
「今度、兵舎で会議がある。それにリヴァイ班も来るようにエルヴィンに指示を出してもらうよ。
そうすれば、リヴァイは必ずトロスト区に彼女を連れて行く。
そして、会議の間、モブリットが彼女を見ておくとでも言えばいい。」
「あなたって人は本当に、言い訳を考える天才ですよね。」
「そんなに褒めても何も出ないぞ。」
ハンジが、照れて頭を掻く。
すっかり勘違いしているハンジが、モブリットのため息に気づくことは、昔も今も、これからも、ない。