◇20話◇医務室の彼女
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背中の傷が深かったなまえは長期の入院が必要だった。
万が一の驚異の為、調査兵団の兵舎が、現在の世界最南端のトロスト区に移動になったことで、リヴァイはほとんど毎日、なまえの見舞いに来ることが出来ていた。
今夜も任務を終えたリヴァイが、病室に入ると、リコを困らせているなまえがいた。
「あぁ…、やっと来てくれた。リヴァイからも言ってくれよ。
なまえが今日中に退院するってきかないんだ。」
リコが疲れ果てた様子で言う。
またかー、リヴァイからもため息が出る。
そして、なまえの隣に座るようにベッドの縁に腰を降ろして、いつものように説得する。
「まだ傷が塞がってねぇうちは動くなと医者にも言われただろおが。」
「もう塞がった。」
「バカ言え。背中がパックリ割れてんだよ、ケツみてぇに。」
「…!失礼なこと言わないでよ!!」
「あぁ?事実だろうが。お前の背中は今、ケツになってんだ。でけぇケツにー。」
「リヴァイ、それはあまりにも可哀想だ。泣くぞ。」
リコに止められた。
ハッキリと言わないと納得しないと思ったのだが、可哀想なことだったらしい。
気付けば、なまえに怖い顔で睨まれていた。
じゃあ、どうやって説得すればいいのか。
ため息を吐けば、思いっきり頭を叩かれた。
本当に、頭に来る女だ。
「なんでそんなに退院してぇんだ。
退院したところで、動けねぇんだからベッドの上だ。
ここで医者に診てもらってた方が安心じゃねぇか。」
仕方なく、退院したい理由を聞いてみた。
そういえば、ずっと、無理だと説得するばかりで、どうしてそんなに退院したいのかは聞いたことがなかった。
「…嫌だから。」
「だから、なんでだ。」
「…匂いが。」
「匂い?」
「薬の匂いが嫌なの!なんか、すっごい怖いの!!」
「…バカなのか。」
なまえの目がキッと吊り上がったのに気づいた時には、また思いっきり頭を叩かれていた。
1週間後、なまえの強引さが効いたのか、退院が決まり、その後は駐屯兵団施設にあるなまえの部屋に戻ることが許された。
でも、新兵を守るためについた大きな傷は、背中に残ってしまった。
白い肌に不釣り合いなそれは痛々しく、リヴァイは彼女の身体を抱く度に、あの日のことを思い出していた。
そして、誓うのだ。
もう二度と、なまえの身体に傷をつけたりしないと。
どんなことからも、彼女を守り続けるとー。
リヴァイの手が、痛みなんてとっくに消えた背中の傷をひどく優しく撫でる度に、なまえがキスをせがんだのはきっと、その気持ちが伝わっていたからなのだと思う。
万が一の驚異の為、調査兵団の兵舎が、現在の世界最南端のトロスト区に移動になったことで、リヴァイはほとんど毎日、なまえの見舞いに来ることが出来ていた。
今夜も任務を終えたリヴァイが、病室に入ると、リコを困らせているなまえがいた。
「あぁ…、やっと来てくれた。リヴァイからも言ってくれよ。
なまえが今日中に退院するってきかないんだ。」
リコが疲れ果てた様子で言う。
またかー、リヴァイからもため息が出る。
そして、なまえの隣に座るようにベッドの縁に腰を降ろして、いつものように説得する。
「まだ傷が塞がってねぇうちは動くなと医者にも言われただろおが。」
「もう塞がった。」
「バカ言え。背中がパックリ割れてんだよ、ケツみてぇに。」
「…!失礼なこと言わないでよ!!」
「あぁ?事実だろうが。お前の背中は今、ケツになってんだ。でけぇケツにー。」
「リヴァイ、それはあまりにも可哀想だ。泣くぞ。」
リコに止められた。
ハッキリと言わないと納得しないと思ったのだが、可哀想なことだったらしい。
気付けば、なまえに怖い顔で睨まれていた。
じゃあ、どうやって説得すればいいのか。
ため息を吐けば、思いっきり頭を叩かれた。
本当に、頭に来る女だ。
「なんでそんなに退院してぇんだ。
退院したところで、動けねぇんだからベッドの上だ。
ここで医者に診てもらってた方が安心じゃねぇか。」
仕方なく、退院したい理由を聞いてみた。
そういえば、ずっと、無理だと説得するばかりで、どうしてそんなに退院したいのかは聞いたことがなかった。
「…嫌だから。」
「だから、なんでだ。」
「…匂いが。」
「匂い?」
「薬の匂いが嫌なの!なんか、すっごい怖いの!!」
「…バカなのか。」
なまえの目がキッと吊り上がったのに気づいた時には、また思いっきり頭を叩かれていた。
1週間後、なまえの強引さが効いたのか、退院が決まり、その後は駐屯兵団施設にあるなまえの部屋に戻ることが許された。
でも、新兵を守るためについた大きな傷は、背中に残ってしまった。
白い肌に不釣り合いなそれは痛々しく、リヴァイは彼女の身体を抱く度に、あの日のことを思い出していた。
そして、誓うのだ。
もう二度と、なまえの身体に傷をつけたりしないと。
どんなことからも、彼女を守り続けるとー。
リヴァイの手が、痛みなんてとっくに消えた背中の傷をひどく優しく撫でる度に、なまえがキスをせがんだのはきっと、その気持ちが伝わっていたからなのだと思う。