◇20話◇医務室の彼女
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包帯の巻き直しと着替えが終わったとリコから聞き、リヴァイは漸く病室に入ることを許された。
気を遣ったのか、リコは飲み物でも貰ってくると入れ違いで出て行った。
ベッドの上に座るなまえは顔色もよく、普段通りに見えて安心する。
まぁ、あれだけ強烈な枕パンチをお見舞い出来た時点で、すっかり元気にはなっているようだったけれど。
あと胸がー。
「リヴァイ、すぐに忘れなさい。」
リヴァイがベッド脇の椅子に腰を降ろした途端、なまえが言った。
恥ずかしいのか、反らした横顔は頬が赤く染まっている。
「…断る。」
「なんでよ!」
「もったいねぇ。」
「クソ変態が!!」
真っ赤な顔で怒るなまえを抱きしめた。
腕の中で、驚いた彼女が息を止めたのが分かった。
きっと、何が起こっているか分からなくて戸惑っているのだろう。
だって、会う度に、憎まれ口ばかり叩いていて、優しくした覚えなんか一度だってないからー。
「無事で、よかった!」
「…リヴァイが私を助けてくれたんだってね。ありがとう。」
「クソが。自分も守れねぇで、他人を守ろうなんてするんじゃねぇ!」
「…ごめん。」
抱きしめる腕に力がこもる。
本当に、無事でよかった。
命なんて簡単に、あっという間に、消えてしまう。
それを嫌というほどに見てきた。
亡くなったら、もう触れられないどころか、想い出の中でしか会えなくなると苦しいくらいに知っている。
悲しいことに、それすらも、日々の忙しさで色褪せていくのだ。
そして、大切だという想いだけは鮮やかに残り続ける。
それはとても苦しくて、その相手がなまえになるなんて耐えられない。
毎日の中で、いつの間にかなまえという存在は大きくなっていて、当たり前にあるものになっていた。
大切で、大切でー。
なまえがこの世から消えたら、きっと、生きていけなくなる。
「私、死んじゃうかもって思ったとき、リヴァイのこと思い出してた。
伝えてないことがあって、だから…。
あのね、私ー。」
「待て。言うな。」
なまえの言葉を止めると、リヴァイはそっと身体を離した。
何を勘違いしたのか、なまえはひどく傷ついたような顔で目を伏せている。
所属する兵団も違うのに、どうして毎日のように顔を合わすことが出来ていたのか。
なまえは全く分かっていなかったらしい。
「俺から言うから、なまえはしっかり聞いとけ。」
そう言えば、なまえの瞳が少しずつ大きくなっていった。
意味を理解したのか、伏せた顔を上げて、上目遣いで言葉を待つ。
その姿が、愛らしい。愛おしいー。
あぁ、彼女のことがー。
「好きだ。いつからかは分からねぇ。
でも、もうお前がいないと生きていけねぇくらい、好きだ。」
「…ふふ、熱烈だね。」
なまえが嬉しそうな笑みをこぼす。
あぁ、初めてだ。
喧嘩をすることの方が多かったけれど、彼女は笑顔の多い女だった。
それでも、そんな風に女らしい笑みを見せたのは、初めてだったー。
「私もリヴァイが好きよ。
死ぬ前に思い出すのが、リヴァイのことなくらい、好き。」
「熱烈だな。」
愛おしそうに自分を見つめてくれたなまえの顔を見ているのが、なんだかとても照れ臭くて、もう一度、腕の中に閉じ込めた。
いつまでも、永遠に、この腕の中になまえを抱きしめていたい。
この世界に、なまえを奪わせたりなんかしない、絶対にー!
何があっても、彼女を守ろう。
彼女の幸せを守ろう。
命に代えてもー。
だって、自分にとって、この世で最も尊いものがなまえだからー。
気を遣ったのか、リコは飲み物でも貰ってくると入れ違いで出て行った。
ベッドの上に座るなまえは顔色もよく、普段通りに見えて安心する。
まぁ、あれだけ強烈な枕パンチをお見舞い出来た時点で、すっかり元気にはなっているようだったけれど。
あと胸がー。
「リヴァイ、すぐに忘れなさい。」
リヴァイがベッド脇の椅子に腰を降ろした途端、なまえが言った。
恥ずかしいのか、反らした横顔は頬が赤く染まっている。
「…断る。」
「なんでよ!」
「もったいねぇ。」
「クソ変態が!!」
真っ赤な顔で怒るなまえを抱きしめた。
腕の中で、驚いた彼女が息を止めたのが分かった。
きっと、何が起こっているか分からなくて戸惑っているのだろう。
だって、会う度に、憎まれ口ばかり叩いていて、優しくした覚えなんか一度だってないからー。
「無事で、よかった!」
「…リヴァイが私を助けてくれたんだってね。ありがとう。」
「クソが。自分も守れねぇで、他人を守ろうなんてするんじゃねぇ!」
「…ごめん。」
抱きしめる腕に力がこもる。
本当に、無事でよかった。
命なんて簡単に、あっという間に、消えてしまう。
それを嫌というほどに見てきた。
亡くなったら、もう触れられないどころか、想い出の中でしか会えなくなると苦しいくらいに知っている。
悲しいことに、それすらも、日々の忙しさで色褪せていくのだ。
そして、大切だという想いだけは鮮やかに残り続ける。
それはとても苦しくて、その相手がなまえになるなんて耐えられない。
毎日の中で、いつの間にかなまえという存在は大きくなっていて、当たり前にあるものになっていた。
大切で、大切でー。
なまえがこの世から消えたら、きっと、生きていけなくなる。
「私、死んじゃうかもって思ったとき、リヴァイのこと思い出してた。
伝えてないことがあって、だから…。
あのね、私ー。」
「待て。言うな。」
なまえの言葉を止めると、リヴァイはそっと身体を離した。
何を勘違いしたのか、なまえはひどく傷ついたような顔で目を伏せている。
所属する兵団も違うのに、どうして毎日のように顔を合わすことが出来ていたのか。
なまえは全く分かっていなかったらしい。
「俺から言うから、なまえはしっかり聞いとけ。」
そう言えば、なまえの瞳が少しずつ大きくなっていった。
意味を理解したのか、伏せた顔を上げて、上目遣いで言葉を待つ。
その姿が、愛らしい。愛おしいー。
あぁ、彼女のことがー。
「好きだ。いつからかは分からねぇ。
でも、もうお前がいないと生きていけねぇくらい、好きだ。」
「…ふふ、熱烈だね。」
なまえが嬉しそうな笑みをこぼす。
あぁ、初めてだ。
喧嘩をすることの方が多かったけれど、彼女は笑顔の多い女だった。
それでも、そんな風に女らしい笑みを見せたのは、初めてだったー。
「私もリヴァイが好きよ。
死ぬ前に思い出すのが、リヴァイのことなくらい、好き。」
「熱烈だな。」
愛おしそうに自分を見つめてくれたなまえの顔を見ているのが、なんだかとても照れ臭くて、もう一度、腕の中に閉じ込めた。
いつまでも、永遠に、この腕の中になまえを抱きしめていたい。
この世界に、なまえを奪わせたりなんかしない、絶対にー!
何があっても、彼女を守ろう。
彼女の幸せを守ろう。
命に代えてもー。
だって、自分にとって、この世で最も尊いものがなまえだからー。