◇18話◇兵士の記憶(後編)
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「エレン、久しぶりだね。」
なまえがエレンにかけた言葉に、息を呑んだのはハンジだけではなかった。
今、彼女は何と言ったか。
なまえには、エレンの名前を教えていない。
余計なことを思い出させたくない、というリヴァイの意思が働いたからだ。
でも、彼女は今、ハッキリとエレンの名前を呼んだ。
そして、久しぶりだとー。
真っすぐにエレンを見るなまえはまるで、記憶を取り戻したようでー。
なまえを凝視するリヴァイも、驚きを隠しきれないようだった。
「あ、あの…、俺…っ。」
「せっかく、私が命を賭けて守ったんだから、殺してくれなんて言わないでよ。」
残念そうに言うなまえは、とても悲しそうな笑みを浮かべていた。
まさか、彼女は、本物のなまえなのだろうか。
いや、でも、そんなはずはー。
ハンジは混乱していた。
チラリとモブリットを見れば、彼も口をぱくぱくさせていた。
パニックらしい。
「…っ。ごめんなさい…っ。本当に…っ、本当に、ごめんなさい…っ。」
エレンが土下座する。
泣きながら、地面に頭をこすりつけていた。
「でもよかった。私が守ったのがエレンで。」
「え…?なんで、だって、俺は巨人にー。」
「自分は巨人化できてすごいんだから、守られて当然みたいなヤツだったら
すごいムカつくでしょう?だから、私達が守ったエレンが、
そうやって、死んだ兵士達のために、頭を下げたり、泣いたりできる人でよかった。」
「…っ。」
「でも、今度からは、ごめんなさいじゃなくて、感謝してね。
イアンとミタビも誰も、謝られたいとは思ってないから。」
「…はいっ。本当に…っ、ごめ…っ、ありがとうございました…っ!」
エレンは、また地面に頭をこすりつけて、感謝の言葉を告げた。
震える手と声を目の当たりにして、彼がずっと自分を責め続けていたのだと、今さら気づく。
ずっとそばにいたのに、巨人化出来る彼の身体のことばかりを気にしていて、突如巨人化してしまい戸惑っているはずの彼の心を見ようとはしていなかった。
自分のためにたくさんの兵士が死に、その中に、リヴァイの恋人までいた。
数多くの調査兵の噂話は、エレンの耳にも届いていただろう。
そして、調査兵達は、目の前に現れたなまえを守ることばかりに必死で、エレンの心の傷に気づきもしなかった。
見てやろうとも、しなかったー。
「私が守った命を守る人が、リヴァイでよかったよ。ありがとう。
リヴァイが守ってくれるなら、せっかく私達が守った命が、
なくなっちゃうことはないもんね。」
なまえは、今度は、リヴァイの方を向いて嬉しそうに微笑んだ。
ビクリとしたリヴァイは、少し目を反らすと、歯を食いしばって、拳を握った。
そうやって、しばらく黙り込んだリヴァイだったけれど、返事を待っていれば、身体の力が抜けていくように、表情が穏やかになった。
「あぁ、そうだな。なまえが守った人類の希望は、俺が未来に繋げる。」
「人類最強の兵士だもんね。」
なまえがニコリと微笑んだ。
目の前にいるのが、なまえなのか、彼女なのか、分からなくなった。
もしかして、本当に、生き返ったのかー。
いや、彼女の中になまえの魂が入ったのかー。
一体、何がー。
ただ分かるのは、なまえの言葉で、エレンの心は救われて、リヴァイはこれからも任務を遂行することが出来るだろうということだ。
なまえがエレンにかけた言葉に、息を呑んだのはハンジだけではなかった。
今、彼女は何と言ったか。
なまえには、エレンの名前を教えていない。
余計なことを思い出させたくない、というリヴァイの意思が働いたからだ。
でも、彼女は今、ハッキリとエレンの名前を呼んだ。
そして、久しぶりだとー。
真っすぐにエレンを見るなまえはまるで、記憶を取り戻したようでー。
なまえを凝視するリヴァイも、驚きを隠しきれないようだった。
「あ、あの…、俺…っ。」
「せっかく、私が命を賭けて守ったんだから、殺してくれなんて言わないでよ。」
残念そうに言うなまえは、とても悲しそうな笑みを浮かべていた。
まさか、彼女は、本物のなまえなのだろうか。
いや、でも、そんなはずはー。
ハンジは混乱していた。
チラリとモブリットを見れば、彼も口をぱくぱくさせていた。
パニックらしい。
「…っ。ごめんなさい…っ。本当に…っ、本当に、ごめんなさい…っ。」
エレンが土下座する。
泣きながら、地面に頭をこすりつけていた。
「でもよかった。私が守ったのがエレンで。」
「え…?なんで、だって、俺は巨人にー。」
「自分は巨人化できてすごいんだから、守られて当然みたいなヤツだったら
すごいムカつくでしょう?だから、私達が守ったエレンが、
そうやって、死んだ兵士達のために、頭を下げたり、泣いたりできる人でよかった。」
「…っ。」
「でも、今度からは、ごめんなさいじゃなくて、感謝してね。
イアンとミタビも誰も、謝られたいとは思ってないから。」
「…はいっ。本当に…っ、ごめ…っ、ありがとうございました…っ!」
エレンは、また地面に頭をこすりつけて、感謝の言葉を告げた。
震える手と声を目の当たりにして、彼がずっと自分を責め続けていたのだと、今さら気づく。
ずっとそばにいたのに、巨人化出来る彼の身体のことばかりを気にしていて、突如巨人化してしまい戸惑っているはずの彼の心を見ようとはしていなかった。
自分のためにたくさんの兵士が死に、その中に、リヴァイの恋人までいた。
数多くの調査兵の噂話は、エレンの耳にも届いていただろう。
そして、調査兵達は、目の前に現れたなまえを守ることばかりに必死で、エレンの心の傷に気づきもしなかった。
見てやろうとも、しなかったー。
「私が守った命を守る人が、リヴァイでよかったよ。ありがとう。
リヴァイが守ってくれるなら、せっかく私達が守った命が、
なくなっちゃうことはないもんね。」
なまえは、今度は、リヴァイの方を向いて嬉しそうに微笑んだ。
ビクリとしたリヴァイは、少し目を反らすと、歯を食いしばって、拳を握った。
そうやって、しばらく黙り込んだリヴァイだったけれど、返事を待っていれば、身体の力が抜けていくように、表情が穏やかになった。
「あぁ、そうだな。なまえが守った人類の希望は、俺が未来に繋げる。」
「人類最強の兵士だもんね。」
なまえがニコリと微笑んだ。
目の前にいるのが、なまえなのか、彼女なのか、分からなくなった。
もしかして、本当に、生き返ったのかー。
いや、彼女の中になまえの魂が入ったのかー。
一体、何がー。
ただ分かるのは、なまえの言葉で、エレンの心は救われて、リヴァイはこれからも任務を遂行することが出来るだろうということだ。