◇16話◇兵団服
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リヴァイに連れられて、久しぶりに部屋の外に出た。
古城の廊下を歩く途中、すれ違った調査兵達は揃って驚いた顔をして、私の頭の先からつま先を舐めまわした。
それは、古城の外に出て、ハンジやモブリット、ペトラ達と合流したときも同じだった。
でも、彼らよりもだいぶ若そうな青年がいて、初めて見る彼は、私を見た瞬間に、怯えるように目を伏せてしまった。
青い顔をされたり、怪訝な顔をされることは多かったけれど、怯えられたのは初めてだ。
だから、少しだけ気になった。
「え?なんで、なまえが駐屯兵の兵団服着てるの?
ていうか、なんで連れてくるの?」
ハンジが驚いた様子でリヴァイに訊ねた。
その答えは、私が聞いたのと同じだった。
「部下に用意させた。今日からこれを着て、兵士として生活させる。」
「はぁ!?なんで!?」
「思い出させるためだ。なまえは記憶がねぇ。
記憶がねぇままだと、またどこかに消えちまうかもしれねぇだろ。」
「…はぁ???」
「ちょっと、ハンジ。こっち来て。
-モブリットも!集合!!」
「は、はい!!」
ハンジの腕を掴んで、リヴァイから距離を置く。
本当は見えないところへ隠れて話をしたいところだけれど、そうなれば絶対に追いかけてくるのは分かっている。
だから、背中に視線を感じるギリギリのところで立ち止まる。
そして、追いかけて来たモブリット諸共、私は睨みつけた。
小さな声で、でも、怒りを乗せて彼らを責める。
「生きてるだけで充分、記憶はなくてもいいって話じゃなかったの?
朝からずーっと思い出話に付き合わされてるんだけど!出逢いから始まって!クソとか!クソとか!!
おかげで、もともと美味しくない朝食が余計、美味しくなかった!」
「それは…、いつ終わるだろうね。ほぼ6年あるから…。」
「嘘でしょ!?もう勘弁してよ…!最後まで聞き終わる前に、元の世界に戻るわ!!
ない思い出を、どうやって思い出せばいいのよっ。」
「いや、まさか、リヴァイ兵長がそんなこと考えるとは思わなくて…。
本当にごめん…。」
「しかも何なの、これ!着替え方わかんなくて、結局、リヴァイに着せてもらうっていう
最低最悪の辱めを受けたのよ!どうしてくくれんの!?」
「…どんな風に着せてもらったんだい?」
「うっさい!思い出したくもないわ!!
とにかく、私は兵士なんてなったことも、これからなる気もなー。」
「いつまで、そこで話してるつもりだ。来い。」
怒りで興奮しつつも、精一杯小声でやり取りしていると、リヴァイがやってきた。
そして、首根っこを掴まれ、引きずられる。
抵抗したところで、圧倒的な力の差で敵わないことは、1時間ほど前に身体で覚えた。
ハンジとモブリットは、そんな私を哀れそうに見送るだけだ。
許せない。
まだ文句しか言っていないのにー。
「いやいや、待って!リヴァイ!!」
ハッとした顔をして、ハンジが追いかけて来た。
その後ろをモブリットも慌てて追いかける。
「言ってる意味は分からなくもないけど!!今日はエレンの実験だよ!!
リヴァイが、なまえに一番見せたくないものだろ!?」
「あぁ、だから今日は中止だ。」
「はぁぁぁぁぁあああッ!?」
ハンジの叫びが、古城の外に響いた。
古城の廊下を歩く途中、すれ違った調査兵達は揃って驚いた顔をして、私の頭の先からつま先を舐めまわした。
それは、古城の外に出て、ハンジやモブリット、ペトラ達と合流したときも同じだった。
でも、彼らよりもだいぶ若そうな青年がいて、初めて見る彼は、私を見た瞬間に、怯えるように目を伏せてしまった。
青い顔をされたり、怪訝な顔をされることは多かったけれど、怯えられたのは初めてだ。
だから、少しだけ気になった。
「え?なんで、なまえが駐屯兵の兵団服着てるの?
ていうか、なんで連れてくるの?」
ハンジが驚いた様子でリヴァイに訊ねた。
その答えは、私が聞いたのと同じだった。
「部下に用意させた。今日からこれを着て、兵士として生活させる。」
「はぁ!?なんで!?」
「思い出させるためだ。なまえは記憶がねぇ。
記憶がねぇままだと、またどこかに消えちまうかもしれねぇだろ。」
「…はぁ???」
「ちょっと、ハンジ。こっち来て。
-モブリットも!集合!!」
「は、はい!!」
ハンジの腕を掴んで、リヴァイから距離を置く。
本当は見えないところへ隠れて話をしたいところだけれど、そうなれば絶対に追いかけてくるのは分かっている。
だから、背中に視線を感じるギリギリのところで立ち止まる。
そして、追いかけて来たモブリット諸共、私は睨みつけた。
小さな声で、でも、怒りを乗せて彼らを責める。
「生きてるだけで充分、記憶はなくてもいいって話じゃなかったの?
朝からずーっと思い出話に付き合わされてるんだけど!出逢いから始まって!クソとか!クソとか!!
おかげで、もともと美味しくない朝食が余計、美味しくなかった!」
「それは…、いつ終わるだろうね。ほぼ6年あるから…。」
「嘘でしょ!?もう勘弁してよ…!最後まで聞き終わる前に、元の世界に戻るわ!!
ない思い出を、どうやって思い出せばいいのよっ。」
「いや、まさか、リヴァイ兵長がそんなこと考えるとは思わなくて…。
本当にごめん…。」
「しかも何なの、これ!着替え方わかんなくて、結局、リヴァイに着せてもらうっていう
最低最悪の辱めを受けたのよ!どうしてくくれんの!?」
「…どんな風に着せてもらったんだい?」
「うっさい!思い出したくもないわ!!
とにかく、私は兵士なんてなったことも、これからなる気もなー。」
「いつまで、そこで話してるつもりだ。来い。」
怒りで興奮しつつも、精一杯小声でやり取りしていると、リヴァイがやってきた。
そして、首根っこを掴まれ、引きずられる。
抵抗したところで、圧倒的な力の差で敵わないことは、1時間ほど前に身体で覚えた。
ハンジとモブリットは、そんな私を哀れそうに見送るだけだ。
許せない。
まだ文句しか言っていないのにー。
「いやいや、待って!リヴァイ!!」
ハッとした顔をして、ハンジが追いかけて来た。
その後ろをモブリットも慌てて追いかける。
「言ってる意味は分からなくもないけど!!今日はエレンの実験だよ!!
リヴァイが、なまえに一番見せたくないものだろ!?」
「あぁ、だから今日は中止だ。」
「はぁぁぁぁぁあああッ!?」
ハンジの叫びが、古城の外に響いた。