◇12話◇彼の腕の中≠安心できる場所
Name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
朝の日差しを感じて起きると、目の前にリヴァイがいた。
すぐに目が合って、私は怯えながら身体を離す。
それに傷ついたような表情を見せたリヴァイだったけれど、ゆっくりと身体を起こすと私の髪をクシャリと撫でた。
「おはよう。」
ひどく優しいその仕草と優しい声色が、私の胸を締め付ける。
きっととても切なそうな顔をしているのだろう。
それが分かるから、余計にリヴァイの顔を見たくなくて、私は起き上がらないままで目を伏せる。
ベッドから降りたリヴァイは、兵団服に着替えだしたようだった。
今日も、任務というのがあるのだろう。
私はまた、ここで1人なのだろうか。
読めない本を渡されて、夕方まで時間を潰せば、怖い思いをしなくて済むのだろうか。
あと何日、そんな時間を過ごせば、家に帰れるのだろうー。
「今日はモブリットにそばにいさせる。
あのクソ眼鏡は近づかせねぇように言っておくから心配するな。」
そう言って、リヴァイはジャケットを羽織ると部屋を出て行こうとした。
「待っ、待って…っ。」
気づいたら身体を起こして、出て行こうとしている背中を呼び止めていた。
リヴァイが振り返る。
彼はもう、期待したような目は私に向けない。
諦めているとは違う。
きっと、今のこの状況を受け入れてしまったのだろう。
私はまだ、これからもずっと、受け入れたりなんかしないのにー。
「どうした?」
「…今日も、夕方まで戻らないの?」
リヴァイと離れるのが、不安だった。
だって、ペトラ達が昨日、リヴァイは人類最強の兵士なのだと言っていた。
巨人なんて簡単にやっつけてしまうから、私は何も心配しなくて大丈夫だと。
確かに昨日見たリヴァイはとても強くて、頼りがいのある男の人の背中をしていた。
だからー。
そばにいてほしくてー。
「実験次第だが、出来るだけ早く帰るようにする。」
「…そう。」
やっぱり行ってしまうのだと理解して、私は目を伏せる。
自分を恐怖のどん底に落とした張本人に、私は何を期待して、どうして助けてもらおうとしているのだろう。
もう、自分で自分が分からなかった。
ただ怖くて、帰りたくてー。
でも、帰れなくてー。
だから、せめて安心できる腕の中にいたくて、私はー。
「なまえ。」
リヴァイは私の隣に腰を降ろすと、優しく頭を撫でた。
ひどく優しい声色で名前を呼ばれるから、思わず顔を上げた。
それが間違いだった。
強引に頭を引き寄せられ、ハッとしたときにはもう唇を押しつけられていた。
「やめて…!!」
舌まで入れようとしてきているのに気づいて、私は思いっきり胸板を突き飛ばす。
呆気なく離れたリヴァイと目が合う。
恋人だと信じ切っている女に抵抗されて驚いた様子でも、傷ついた様子でもなく、なんだかとても安心したような顔をしていた。
「それだけ出来りゃ、問題ねぇ。
お前は俺なんかよりよっぽど強ぇ。俺が保証してやるんだ、心配するな。」
リヴァイは、少し意地悪く口元を歪めると、さっきもそうしたみたいに髪をクシャリと撫でた。
彼が出て行ったあと、私は撫でられた髪にそっと触れた。
そこにまだ、リヴァイの温もりが残っている気がしたのだけれど、冷たい空気に触れて、もうなくなってしまっていた。
すぐに目が合って、私は怯えながら身体を離す。
それに傷ついたような表情を見せたリヴァイだったけれど、ゆっくりと身体を起こすと私の髪をクシャリと撫でた。
「おはよう。」
ひどく優しいその仕草と優しい声色が、私の胸を締め付ける。
きっととても切なそうな顔をしているのだろう。
それが分かるから、余計にリヴァイの顔を見たくなくて、私は起き上がらないままで目を伏せる。
ベッドから降りたリヴァイは、兵団服に着替えだしたようだった。
今日も、任務というのがあるのだろう。
私はまた、ここで1人なのだろうか。
読めない本を渡されて、夕方まで時間を潰せば、怖い思いをしなくて済むのだろうか。
あと何日、そんな時間を過ごせば、家に帰れるのだろうー。
「今日はモブリットにそばにいさせる。
あのクソ眼鏡は近づかせねぇように言っておくから心配するな。」
そう言って、リヴァイはジャケットを羽織ると部屋を出て行こうとした。
「待っ、待って…っ。」
気づいたら身体を起こして、出て行こうとしている背中を呼び止めていた。
リヴァイが振り返る。
彼はもう、期待したような目は私に向けない。
諦めているとは違う。
きっと、今のこの状況を受け入れてしまったのだろう。
私はまだ、これからもずっと、受け入れたりなんかしないのにー。
「どうした?」
「…今日も、夕方まで戻らないの?」
リヴァイと離れるのが、不安だった。
だって、ペトラ達が昨日、リヴァイは人類最強の兵士なのだと言っていた。
巨人なんて簡単にやっつけてしまうから、私は何も心配しなくて大丈夫だと。
確かに昨日見たリヴァイはとても強くて、頼りがいのある男の人の背中をしていた。
だからー。
そばにいてほしくてー。
「実験次第だが、出来るだけ早く帰るようにする。」
「…そう。」
やっぱり行ってしまうのだと理解して、私は目を伏せる。
自分を恐怖のどん底に落とした張本人に、私は何を期待して、どうして助けてもらおうとしているのだろう。
もう、自分で自分が分からなかった。
ただ怖くて、帰りたくてー。
でも、帰れなくてー。
だから、せめて安心できる腕の中にいたくて、私はー。
「なまえ。」
リヴァイは私の隣に腰を降ろすと、優しく頭を撫でた。
ひどく優しい声色で名前を呼ばれるから、思わず顔を上げた。
それが間違いだった。
強引に頭を引き寄せられ、ハッとしたときにはもう唇を押しつけられていた。
「やめて…!!」
舌まで入れようとしてきているのに気づいて、私は思いっきり胸板を突き飛ばす。
呆気なく離れたリヴァイと目が合う。
恋人だと信じ切っている女に抵抗されて驚いた様子でも、傷ついた様子でもなく、なんだかとても安心したような顔をしていた。
「それだけ出来りゃ、問題ねぇ。
お前は俺なんかよりよっぽど強ぇ。俺が保証してやるんだ、心配するな。」
リヴァイは、少し意地悪く口元を歪めると、さっきもそうしたみたいに髪をクシャリと撫でた。
彼が出て行ったあと、私は撫でられた髪にそっと触れた。
そこにまだ、リヴァイの温もりが残っている気がしたのだけれど、冷たい空気に触れて、もうなくなってしまっていた。