◇10話◇逃がさない
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リヴァイは、紫に変わり始めた空を睨みつけた。
旧調査兵団本部に集まっていた調査兵達は、被験体の巨人の見張りを残して、全員が馬に乗ってあちこちに散らばり走っている。
ただひとり、なまえを見つけるためだけにー。
彼女が光と共に空から降って来た存在で、調査の対象だからこんな大掛かりなことが出来ている。
恋人が調査の対象だなんてすごく不愉快だったが、今のこの状況は、リヴァイにとっても、むしろ好都合だった。
でも、いつまでも抜けない深い森に、なまえの姿はなく焦りは加速していくばかりだった。
早く見つけないとー。
「ごめん…、リヴァイ。まさか、窓から逃げるなんて思ってなくて…っ。」
「喋ってる暇あったら探せ!夜になっちまったら厄介だ!」
「そうだね…っ。私とモブリットはあっちを探してくるよ!」
ハンジが、モブリットを連れて左の道へと入って行った。
それを視界でチラリと見ただけで、リヴァイは返事をしなかった。
ただ忙しなく瞳を動かしていた。
きっと調査兵達もしているように、右へ左へ動いたリヴァイの目は、空にもなまえの姿を探していた。
窓から逃げたー。
ハンジはどれくらい本気でそう思っているのだろう。
調査兵の何人が、思っているだろう。
『また空に帰っただけだろう。だって、彼女は死んでるんだから。』
誰かがそう言っている気がした。
それが自分の声に似ていた気がして、リヴァイは唇を噛む。
違う。そもそもなまえは死んでなんかいない。
だから、巨人が怖くなって窓から逃げてしまっただけだ。
彼女は運動神経がよかったから、上手に屋根を伝って降りれたのだろう。
まさかあの高さから逃げるとは思っていなかったけれど、そういえばよく、アパートメントの屋根の上に乗って散歩をしていた。
なまえなら窓から逃げたって不思議じゃないのだ。
だからー。
なまえは空に帰っていない。絶対にー。
絶対にもう二度と、なまえの手を離さないー。
旧調査兵団本部に集まっていた調査兵達は、被験体の巨人の見張りを残して、全員が馬に乗ってあちこちに散らばり走っている。
ただひとり、なまえを見つけるためだけにー。
彼女が光と共に空から降って来た存在で、調査の対象だからこんな大掛かりなことが出来ている。
恋人が調査の対象だなんてすごく不愉快だったが、今のこの状況は、リヴァイにとっても、むしろ好都合だった。
でも、いつまでも抜けない深い森に、なまえの姿はなく焦りは加速していくばかりだった。
早く見つけないとー。
「ごめん…、リヴァイ。まさか、窓から逃げるなんて思ってなくて…っ。」
「喋ってる暇あったら探せ!夜になっちまったら厄介だ!」
「そうだね…っ。私とモブリットはあっちを探してくるよ!」
ハンジが、モブリットを連れて左の道へと入って行った。
それを視界でチラリと見ただけで、リヴァイは返事をしなかった。
ただ忙しなく瞳を動かしていた。
きっと調査兵達もしているように、右へ左へ動いたリヴァイの目は、空にもなまえの姿を探していた。
窓から逃げたー。
ハンジはどれくらい本気でそう思っているのだろう。
調査兵の何人が、思っているだろう。
『また空に帰っただけだろう。だって、彼女は死んでるんだから。』
誰かがそう言っている気がした。
それが自分の声に似ていた気がして、リヴァイは唇を噛む。
違う。そもそもなまえは死んでなんかいない。
だから、巨人が怖くなって窓から逃げてしまっただけだ。
彼女は運動神経がよかったから、上手に屋根を伝って降りれたのだろう。
まさかあの高さから逃げるとは思っていなかったけれど、そういえばよく、アパートメントの屋根の上に乗って散歩をしていた。
なまえなら窓から逃げたって不思議じゃないのだ。
だからー。
なまえは空に帰っていない。絶対にー。
絶対にもう二度と、なまえの手を離さないー。