◇8話◇巨人
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目の前が真っ暗な世界で、手を引かれながら歩く私には、今自分が何処へ向かっているのかは分からなかった。
古城を出てすぐにハンジに目隠しをされたせいだ。
見せたいものというのがお楽しみだから、ギリギリまで隠したいのだと熱弁されたので、仕方なく受け入れた。
誘拐された直後だったら、絶対に抵抗したはずだった。
でも、不安と恐怖で頭がまわっていなかったし、今の今まで、彼らには危険なことはされていなかったから、気を許してしまったのかもしれない。
少し歩くと、人の気配がし始める。そして、コソコソと話す声も聞こえ出した。
「あれが、生き返ったっていうリヴァイ兵長の恋人?」
「天使になって帰って来たんじゃなかった?」
「そもそも死んでなかったんだろ。」
「でも、空から降って来たのを見たってやつもいるって聞いたぜ?」
「なんで目隠しされてんだ?」
「見てみろよ、ハンジ分隊長の目がマジだぜ。あれを見せる気なんだよ、きっと。」
「え、でも記憶喪失なんだろ?それでいきなりあんなの見せられたら…。」
不穏な会話まで耳に届きだし、暗闇の世界で不安が増し始めた頃、ハンジの名前を呼ぶ聞き覚えのある声と駆け寄ってくる足音が聞こえてきた。
モブリットだ。
「ハンジさん!本当に連れて来たんですか!?
リヴァイ兵長に絶対にダメだと言われたじゃないですか!!」
「だから、リヴァイが班員と出かけてる間に来たんじゃないか。」
「そういうことじゃないです!!
あんなもの見せてなまえに何かあったらどうするんですか!?」
「そこは私達がちゃんと守るし、動けないようにしてるんだから大丈夫だよ。」
「そういうことじゃないんです!!
なまえの最期をお忘れですか!?」
「忘れてないから、見せに来たんだろ。
何か思い出すかもしれない。」
モブリットとハンジの意見は真っ向から対立しているようだった。
私に何かあったらー。
そう聞こえた。
一体、何を見せようとしているのだろう。
不安と恐怖が増していくけれど、何処かも分からない場所で自分が何者かも分からない今、私は不安と恐怖の底にいるような気分だった。
だから、これ以上の恐怖なんてないと、信じ込んでしまっていた。
止めるモブリットを振りほどき歩みを進めるハンジに手を引かれながら、私が向かっているのが地獄を地獄だと認めるしかなくなる恐怖だなんて、知りもせずにー。
古城を出てすぐにハンジに目隠しをされたせいだ。
見せたいものというのがお楽しみだから、ギリギリまで隠したいのだと熱弁されたので、仕方なく受け入れた。
誘拐された直後だったら、絶対に抵抗したはずだった。
でも、不安と恐怖で頭がまわっていなかったし、今の今まで、彼らには危険なことはされていなかったから、気を許してしまったのかもしれない。
少し歩くと、人の気配がし始める。そして、コソコソと話す声も聞こえ出した。
「あれが、生き返ったっていうリヴァイ兵長の恋人?」
「天使になって帰って来たんじゃなかった?」
「そもそも死んでなかったんだろ。」
「でも、空から降って来たのを見たってやつもいるって聞いたぜ?」
「なんで目隠しされてんだ?」
「見てみろよ、ハンジ分隊長の目がマジだぜ。あれを見せる気なんだよ、きっと。」
「え、でも記憶喪失なんだろ?それでいきなりあんなの見せられたら…。」
不穏な会話まで耳に届きだし、暗闇の世界で不安が増し始めた頃、ハンジの名前を呼ぶ聞き覚えのある声と駆け寄ってくる足音が聞こえてきた。
モブリットだ。
「ハンジさん!本当に連れて来たんですか!?
リヴァイ兵長に絶対にダメだと言われたじゃないですか!!」
「だから、リヴァイが班員と出かけてる間に来たんじゃないか。」
「そういうことじゃないです!!
あんなもの見せてなまえに何かあったらどうするんですか!?」
「そこは私達がちゃんと守るし、動けないようにしてるんだから大丈夫だよ。」
「そういうことじゃないんです!!
なまえの最期をお忘れですか!?」
「忘れてないから、見せに来たんだろ。
何か思い出すかもしれない。」
モブリットとハンジの意見は真っ向から対立しているようだった。
私に何かあったらー。
そう聞こえた。
一体、何を見せようとしているのだろう。
不安と恐怖が増していくけれど、何処かも分からない場所で自分が何者かも分からない今、私は不安と恐怖の底にいるような気分だった。
だから、これ以上の恐怖なんてないと、信じ込んでしまっていた。
止めるモブリットを振りほどき歩みを進めるハンジに手を引かれながら、私が向かっているのが地獄を地獄だと認めるしかなくなる恐怖だなんて、知りもせずにー。