◇最終回◇貴方と私の最終回~おはようのキス~
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「馬鹿なのか。」
おかえりー。
そう言った私に、リヴァイは呆れたような、悲しいような、怒ったような、複雑な顔をした。
私はゆっくり身体を起こすと、ベッドの縁に座るリヴァイの背中から抱き着いた。
驚いたのか、ビクリとリヴァイが肩を揺らした。
「何やってんだよ、お前は。」
「抱き着いてるよ。」
「違ぇよ。アイツとはもう二度と会えねぇんだぞ。分かってんのか。」
「うん、分かってるよ。」
「なら、なんでついて行かなかった。」
背中を抱きしめられたリヴァイは、振り返ることはしないでただじっと床を見ながら喋っていた。
投げやりな声に、私は今までどれくらいリヴァイを苦しめていたのかを知る。
だから、私はリヴァイの胸の前にまわる腕に少し力を入れて、肩に顎を乗せた。
「指輪が欲しかったから。」
「…は?」
「カレンダーのハートマークの意味、プロポーズってことでしょ?」
後ろから抱き着いたまま、リヴァイの顔を覗き込んだ。
驚いて目を見開いたリヴァイの顔が、どんどん赤く染まっていくのがすごく可愛かった。
「気づいてたなら、言いやがれ…!」
照れ隠しなのか、理不尽に怒りだすから、私は可笑しくてケラケラと笑いながら、リヴァイにギュッと抱きつく。
「だって、どんな顔でサプライズしてくれるのか楽しみだったんだもん。
私だって、笑っちゃわないかドキドキしてたんだよ~。」
「クソが…っ。」
まだ怒っているリヴァイに、軽い調子で「ごめん、ごめん。」と笑う。
プロポーズをしようと思っていた日に、ハンジが時空間移動装置を持ってきたとき、リヴァイはどう思ったのだろう。
どんな気持ちで、負けの決まった賭けを彼に持ち掛けたのだろう。
リヴァイはいつだって、私のためばかりだ。
この2年間ずっと、そうだったー。
「ねぇ、リヴァイ。」
「なんだよ、性悪女が。」
「ありがとう。」
リヴァイの肩に顔を埋めて、ずっとずっと言いたかった感謝を告げる。
それは、今日のことだけじゃなくて、出逢ってから今までずっとすべてのことにー。
「…あぁ。」
「リヴァイのおかげで、ちゃんと終われたよ。さよなら出来た。」
「そうか。」
「好きだよ。」
「…!」
リヴァイの肩が小さく跳ねた。
私は強く抱きしめて、ちゃんと、伝えるー。
「今日までずっとちゃんと好きだったよ。愛してるって言ったのも嘘じゃない。」
「…あぁ、知ってる。」
「でも、ずっと不安だったの。彼に会ったら、私はどうなっちゃうんだろうって…。」
「それも、知ってる。」
「好き、大好き、超好き。愛してる。」
「…馬鹿みてぇだぞ。」
「うるさいな。いいの、言いたいの。
リヴァイだけ、愛してるから。いっぱい、言いたいの。
ねぇ、リヴァイ、世界で一番、愛してるよ。」
「…っ、あぁ…、俺もだ…。」
胸の前にまわる私の腕を握りしめたリヴァイの手も、声も、震えていた。
あぁ、愛おしい。
私は、この世界で出逢えたリヴァイが愛おしい。
「泣いてるの?」
「泣いてねぇ…!ふざけたこと言ってんじゃねぇ!」
からかうつもりで顔を覗き込んで、意地悪く言ったら、怒ったリヴァイが右腕で自分の顔を隠してそらしてしまった。
もしかして、本当に泣いていたのだろうか。
それは、失礼なことを言ってしまった。
「こっち向いてよ。」
「…絶対に向かねぇ。」
「ねぇ、ごめんって。こっち向いてよ。」
「…嫌だ。」
「…分かった…。ごめんなさい…。」
悲しげに言って、リヴァイに抱き着いていた腕を解く。
すぐに振り返ったリヴァイが、顔を伏せてしまった私の両腕を掴んだ。
「諦めるのが早ぇ!」
それでも怒っているリヴァイがおかしくて、作戦勝ちの私は顔を伏せたままで思いっきり吹き出す。
チッと舌打ちをしたリヴァイだって、作戦に乗ってしまったことは理解しているはずだ。
そうやって、私達は2年間を笑いながら過ごしてきたのだからー。
私が顔を上げれば、ひどく不機嫌そうなリヴァイと目が合った。
「ねぇ、リヴァイ。」
「今度はなんだ、クソが。」
機嫌の悪いリヴァイの頬に、そっと触れた。
彼の温もりを忘れた私の手が覚えた、世界で一番愛おしい体温だー。
「今日まで私のそばにいて、ずっと守ってくれてありがとう。」
微笑んだ私を、リヴァイが抱きしめる。
背中にまわる手は、痛いくらいに強く、強く、自分を選んだ私に愛を伝えようとしているみたいだと思った。
「これからだって、俺が守ってやる。俺が、そばにいてやる。」
「うん、ずっとね。」
リヴァイの背中に手をまわして、私も強く抱きしめた。
そして、そっと身体を離して、もう数えきれないくらいに重ねてきたキスを交わす。
次第に深くなっていくキスに心を溺れさせながら、私の頭にはまるでダイジェストみたいに、リヴァイに出逢ってから今日までのすべてが駆け巡っていた。
運命に導かれて、私達は出逢って、恋に落ちることを止められなかった。
それでも運命に抗おうと藻掻いた私が高く築いた壁の向こうで、リヴァイはいつも必死に愛を叫んでくれた。
壁を壊して、壁を越えて、彼を想う私の愛さえも越えて、高い壁の外で独りぼっちで放り出された私を抱きしめてくれた。
そっと唇が離れて、リヴァイが私をベッドに寝かす。
でも、その前にー。
「お腹空いた。」
「…了解だ。」
ため息交じりに言って、リヴァイは寝かせたばかりの私の身体を起こす。
ベッドから降りれば、自然と手が繋がった。
私も、リヴァイも、気づいていないところに、2人が想い合っているという証拠はあちこちに転がっていたのかもしれない。
手を繋いで階段を降りながら、私はリヴァイに朝食のリクエストを出す。
「今朝は和食がいいな。あ、冷蔵庫に私が作ったお味噌汁があるよ。」
「味噌汁は作れねぇんじゃなかったのか。」
「あぁ、あれ、嘘なの。」
「くだらねぇ嘘吐きやがって。」
「テレビで見た美味しいお味噌汁の作り方でやったんだけどね。
なかなか美味しかったよ。」
「なら、今日の朝飯はー。」
階段を降りてキッチンへ向かいながら、リヴァイは、朝ご飯のメニューは何にしようかと、冷蔵庫の中を思い出す。
私はその横で、あれがいいこれがいいと我儘にリクエストを続ける。
これが、私達の毎朝の風景で、明日も明後日も、ずっと変わらない。
いつの間にか、カーテンから覗く朝日さえも眩しいくらいの朝が来ていた。
明るいキッチンで、リヴァイは私の手を繋いだまま、もう片方の手で冷蔵庫を開ける。
夏のこの時期は、朝も暑くて、冷風が顔に当たって気持ちがいい。
「あ、リヴァイ。大事なこと忘れてた。」
冷蔵庫の中と睨めっこして朝食メニューを考えていたリヴァイの肩を軽く叩いた。
首を傾げながら、リヴァイが私を見る。
とても大切なことだ。
毎朝している、あれをまだしてない。
「おはようのキス、してないよ。」
私の忘れものに、リヴァイがクスリと笑う。
「おはよう。」
「うん、おはよう。」
開けっ放しの冷蔵庫の扉の向こうで、私達はおはようのキスを交わす。
新しい朝が来て、今日も世界中のどこかで恋のドラマが始まっているのだろう。
ありふれた恋も、時空を越えた恋も、苦しい恋も、楽しい恋も、どれも大切で、世界でたったひとつだけしかない彼と彼女だけのドラマだ。
あぁ、どうか、すべてのドラマが、素晴らしい最終回を迎えられますようにー。
リヴァイとなまえの最終回も、イアンとリコの最終回も、ハンジとモブリットの最終回も、すべて、彼らだけの大切な想い出として胸に残り続ける。
涙なしでは見られない最終回でも、笑いが絶えない最終回でも、彼と彼女にとっては世界にただひとつの宝物なのだからー。
そして、彼と彼女の最終回から始まった、私達の恋ー。
きっと、これがー。
貴方と私の最終回
エンドロールには、平和な世界で出逢って、お互いに救いを求めるように惹かれ合っていく私達の姿が流れているのかな。
そのどれも愛おしいと思いながら、最後の『happily ever after』の文字が流れるそのときを、貴方の隣で迎えられますようにー。
なまえ様へ
本当のエンドロールをご覧になりたいのならこちらをどうぞー。
→エンドロール
おかえりー。
そう言った私に、リヴァイは呆れたような、悲しいような、怒ったような、複雑な顔をした。
私はゆっくり身体を起こすと、ベッドの縁に座るリヴァイの背中から抱き着いた。
驚いたのか、ビクリとリヴァイが肩を揺らした。
「何やってんだよ、お前は。」
「抱き着いてるよ。」
「違ぇよ。アイツとはもう二度と会えねぇんだぞ。分かってんのか。」
「うん、分かってるよ。」
「なら、なんでついて行かなかった。」
背中を抱きしめられたリヴァイは、振り返ることはしないでただじっと床を見ながら喋っていた。
投げやりな声に、私は今までどれくらいリヴァイを苦しめていたのかを知る。
だから、私はリヴァイの胸の前にまわる腕に少し力を入れて、肩に顎を乗せた。
「指輪が欲しかったから。」
「…は?」
「カレンダーのハートマークの意味、プロポーズってことでしょ?」
後ろから抱き着いたまま、リヴァイの顔を覗き込んだ。
驚いて目を見開いたリヴァイの顔が、どんどん赤く染まっていくのがすごく可愛かった。
「気づいてたなら、言いやがれ…!」
照れ隠しなのか、理不尽に怒りだすから、私は可笑しくてケラケラと笑いながら、リヴァイにギュッと抱きつく。
「だって、どんな顔でサプライズしてくれるのか楽しみだったんだもん。
私だって、笑っちゃわないかドキドキしてたんだよ~。」
「クソが…っ。」
まだ怒っているリヴァイに、軽い調子で「ごめん、ごめん。」と笑う。
プロポーズをしようと思っていた日に、ハンジが時空間移動装置を持ってきたとき、リヴァイはどう思ったのだろう。
どんな気持ちで、負けの決まった賭けを彼に持ち掛けたのだろう。
リヴァイはいつだって、私のためばかりだ。
この2年間ずっと、そうだったー。
「ねぇ、リヴァイ。」
「なんだよ、性悪女が。」
「ありがとう。」
リヴァイの肩に顔を埋めて、ずっとずっと言いたかった感謝を告げる。
それは、今日のことだけじゃなくて、出逢ってから今までずっとすべてのことにー。
「…あぁ。」
「リヴァイのおかげで、ちゃんと終われたよ。さよなら出来た。」
「そうか。」
「好きだよ。」
「…!」
リヴァイの肩が小さく跳ねた。
私は強く抱きしめて、ちゃんと、伝えるー。
「今日までずっとちゃんと好きだったよ。愛してるって言ったのも嘘じゃない。」
「…あぁ、知ってる。」
「でも、ずっと不安だったの。彼に会ったら、私はどうなっちゃうんだろうって…。」
「それも、知ってる。」
「好き、大好き、超好き。愛してる。」
「…馬鹿みてぇだぞ。」
「うるさいな。いいの、言いたいの。
リヴァイだけ、愛してるから。いっぱい、言いたいの。
ねぇ、リヴァイ、世界で一番、愛してるよ。」
「…っ、あぁ…、俺もだ…。」
胸の前にまわる私の腕を握りしめたリヴァイの手も、声も、震えていた。
あぁ、愛おしい。
私は、この世界で出逢えたリヴァイが愛おしい。
「泣いてるの?」
「泣いてねぇ…!ふざけたこと言ってんじゃねぇ!」
からかうつもりで顔を覗き込んで、意地悪く言ったら、怒ったリヴァイが右腕で自分の顔を隠してそらしてしまった。
もしかして、本当に泣いていたのだろうか。
それは、失礼なことを言ってしまった。
「こっち向いてよ。」
「…絶対に向かねぇ。」
「ねぇ、ごめんって。こっち向いてよ。」
「…嫌だ。」
「…分かった…。ごめんなさい…。」
悲しげに言って、リヴァイに抱き着いていた腕を解く。
すぐに振り返ったリヴァイが、顔を伏せてしまった私の両腕を掴んだ。
「諦めるのが早ぇ!」
それでも怒っているリヴァイがおかしくて、作戦勝ちの私は顔を伏せたままで思いっきり吹き出す。
チッと舌打ちをしたリヴァイだって、作戦に乗ってしまったことは理解しているはずだ。
そうやって、私達は2年間を笑いながら過ごしてきたのだからー。
私が顔を上げれば、ひどく不機嫌そうなリヴァイと目が合った。
「ねぇ、リヴァイ。」
「今度はなんだ、クソが。」
機嫌の悪いリヴァイの頬に、そっと触れた。
彼の温もりを忘れた私の手が覚えた、世界で一番愛おしい体温だー。
「今日まで私のそばにいて、ずっと守ってくれてありがとう。」
微笑んだ私を、リヴァイが抱きしめる。
背中にまわる手は、痛いくらいに強く、強く、自分を選んだ私に愛を伝えようとしているみたいだと思った。
「これからだって、俺が守ってやる。俺が、そばにいてやる。」
「うん、ずっとね。」
リヴァイの背中に手をまわして、私も強く抱きしめた。
そして、そっと身体を離して、もう数えきれないくらいに重ねてきたキスを交わす。
次第に深くなっていくキスに心を溺れさせながら、私の頭にはまるでダイジェストみたいに、リヴァイに出逢ってから今日までのすべてが駆け巡っていた。
運命に導かれて、私達は出逢って、恋に落ちることを止められなかった。
それでも運命に抗おうと藻掻いた私が高く築いた壁の向こうで、リヴァイはいつも必死に愛を叫んでくれた。
壁を壊して、壁を越えて、彼を想う私の愛さえも越えて、高い壁の外で独りぼっちで放り出された私を抱きしめてくれた。
そっと唇が離れて、リヴァイが私をベッドに寝かす。
でも、その前にー。
「お腹空いた。」
「…了解だ。」
ため息交じりに言って、リヴァイは寝かせたばかりの私の身体を起こす。
ベッドから降りれば、自然と手が繋がった。
私も、リヴァイも、気づいていないところに、2人が想い合っているという証拠はあちこちに転がっていたのかもしれない。
手を繋いで階段を降りながら、私はリヴァイに朝食のリクエストを出す。
「今朝は和食がいいな。あ、冷蔵庫に私が作ったお味噌汁があるよ。」
「味噌汁は作れねぇんじゃなかったのか。」
「あぁ、あれ、嘘なの。」
「くだらねぇ嘘吐きやがって。」
「テレビで見た美味しいお味噌汁の作り方でやったんだけどね。
なかなか美味しかったよ。」
「なら、今日の朝飯はー。」
階段を降りてキッチンへ向かいながら、リヴァイは、朝ご飯のメニューは何にしようかと、冷蔵庫の中を思い出す。
私はその横で、あれがいいこれがいいと我儘にリクエストを続ける。
これが、私達の毎朝の風景で、明日も明後日も、ずっと変わらない。
いつの間にか、カーテンから覗く朝日さえも眩しいくらいの朝が来ていた。
明るいキッチンで、リヴァイは私の手を繋いだまま、もう片方の手で冷蔵庫を開ける。
夏のこの時期は、朝も暑くて、冷風が顔に当たって気持ちがいい。
「あ、リヴァイ。大事なこと忘れてた。」
冷蔵庫の中と睨めっこして朝食メニューを考えていたリヴァイの肩を軽く叩いた。
首を傾げながら、リヴァイが私を見る。
とても大切なことだ。
毎朝している、あれをまだしてない。
「おはようのキス、してないよ。」
私の忘れものに、リヴァイがクスリと笑う。
「おはよう。」
「うん、おはよう。」
開けっ放しの冷蔵庫の扉の向こうで、私達はおはようのキスを交わす。
新しい朝が来て、今日も世界中のどこかで恋のドラマが始まっているのだろう。
ありふれた恋も、時空を越えた恋も、苦しい恋も、楽しい恋も、どれも大切で、世界でたったひとつだけしかない彼と彼女だけのドラマだ。
あぁ、どうか、すべてのドラマが、素晴らしい最終回を迎えられますようにー。
リヴァイとなまえの最終回も、イアンとリコの最終回も、ハンジとモブリットの最終回も、すべて、彼らだけの大切な想い出として胸に残り続ける。
涙なしでは見られない最終回でも、笑いが絶えない最終回でも、彼と彼女にとっては世界にただひとつの宝物なのだからー。
そして、彼と彼女の最終回から始まった、私達の恋ー。
きっと、これがー。
貴方と私の最終回
エンドロールには、平和な世界で出逢って、お互いに救いを求めるように惹かれ合っていく私達の姿が流れているのかな。
そのどれも愛おしいと思いながら、最後の『happily ever after』の文字が流れるそのときを、貴方の隣で迎えられますようにー。
なまえ様へ
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