◇最終回◇貴方と私の最終回~おやすみのキス~
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懐かしい調査兵団の兵舎内を、あの頃みたいにリヴァイに手を引かれて歩く私を、すれ違う調査兵達が、幽霊でも見たような顔をして見送っていた。
この世界に私がいたという記憶が、ほとんどの人達の中から消えていることはリヴァイから教えてもらった。
だから、彼らが顔色を真っ青にしたのは、死んだはずのなまえが生き返ったと思ったからだろう。
まるで、あの日の再放送のようだった。
『なまえのためなら何でもするって言っただろ。』
見送りのとき、彼は私の髪をクシャリと撫でた。
これで甘やかす役をリヴァイに押しつけられると意地悪く言って、扉の向こうへ帰っていった彼は、最後、どこか吹っ切れたような笑みを見せた。
こうなることを、彼はきっと分かっていたはずなのにー。
リヴァイの背中に手をまわして抱き着いた私は、汗ばむ胸元に頬を寄せた。
愛し合ったばかりの身体はまだ熱を持っていて、心臓の音をいつもよりも速くしていた。
「本当に、よかったのか。」
今さらだけどー。
リヴァイは、私の髪に口をつけて、聞こえるか聞こえないか分からないくらいの声でそう続けた。
「うん。」
「俺はなまえと一緒になれてよかった。
でも、本当はアイツとデートのはずだったんだろ。」
「それ、嘘だよ。」
「嘘?」
「恋人になろうとしたことはある、…でも、ダメだったの。
だから、今日はデートって言ったのも、私がリヴァイに気づくための嘘だよ。」
「…一緒に暮らしてたんだろ。恋人だったとしても、俺は何も言わねぇよ。」
「ファーランとイザベルも一緒だよ?」
「は?」
「今朝は出張帰りにそのまま会社に行ったからいなかったけど、
たぶん、もう家に帰って来てるよ。」
「…クソっ、あの野郎、全部嘘じゃねぇか…!」
リヴァイが、私を抱きしめたままで悔しそうに文句を言った。
私は可笑しそうにクスクスと笑う。
とても、幸せだ。
それは、リヴァイのおかげで、ずっと守ってくれた彼のおかげだ。
彼の優しさに惹かれそうになることは、本当のことを言うと、何度もあった。
それでも、リヴァイのようには愛せなくてー。
苦しめるだけならと、彼から、恋人になりきれなかった関係を終わりにした。
それでも、永遠に会えない人を愛し続けてしまっている私が寂しくならないようにと、いつもそばにいてくれた。
ファーランとイザベルをあの家に呼んだのもきっと、私が気を遣わないためだったのだと思う。
神様が私のためにキャスティングしてくれたW主演の彼は、本当に、素敵な人だった。
それなのに、私はどうしてもー。
「リヴァイ、好き…。運命よりも、ずっと、リヴァイを愛してる。」
「あぁ、俺も愛してる。運命なんかクソ食らえだ。」
懐かしいセリフが、私の胸を苦しくさせた。
幸せだから、泣きそうだー。
運命に逆らって、私達は出逢って、恋に落ちてしまった。
私達の目の前にはいつも高い壁がそびえていて、世界はいつだってこの恋を祝福はしてくれなかった。
だから、お互いにたくさん傷ついて、傷つけて、それでも求め合った。
どうしたって、愛する気持ちだけは止められなくてー。
「おやすみ。」
「あぁ、おやすみ。」
ベッドの上で1枚の薄いブランケットを分け合って、私達はおやすみのキスを交わす。
今夜もきっと、世界中のどこかで恋のドラマが始まっているのだろう。
ありふれた恋も、時空を越えた恋も、苦しい恋も、楽しい恋も、どれも大切で、世界でたったひとつだけしかない彼と彼女だけのドラマだ。
あぁ、どうか、すべてのドラマが、素晴らしい最終回を迎えられますようにー。
リヴァイとなまえの最終回も、イアンとリコの最終回も、ハンジとモブリットの最終回も、すべて、彼らだけの大切な想い出として胸に残り続ける。
涙なしでは見られない最終回でも、笑いが絶えない最終回でも、彼と彼女にとっては世界にただひとつの宝物なのだからー。
そして、彼と彼女の最終回から始まった、私達の恋ー。
きっと、これがー。
貴方と私の最終回
エンドロールには、残酷な世界で出逢って、傷つけ合って、惹かれ合っていく私達の姿が流れているのかな。
そのどれも愛おしいと思いながら、最後の『happily ever after』の文字が流れるそのときを、貴方の隣で迎えられますようにー。
なまえ様へ
本当のエンドロールをご覧になりたいのならこちらをどうぞー。
→エンドロール
この世界に私がいたという記憶が、ほとんどの人達の中から消えていることはリヴァイから教えてもらった。
だから、彼らが顔色を真っ青にしたのは、死んだはずのなまえが生き返ったと思ったからだろう。
まるで、あの日の再放送のようだった。
『なまえのためなら何でもするって言っただろ。』
見送りのとき、彼は私の髪をクシャリと撫でた。
これで甘やかす役をリヴァイに押しつけられると意地悪く言って、扉の向こうへ帰っていった彼は、最後、どこか吹っ切れたような笑みを見せた。
こうなることを、彼はきっと分かっていたはずなのにー。
リヴァイの背中に手をまわして抱き着いた私は、汗ばむ胸元に頬を寄せた。
愛し合ったばかりの身体はまだ熱を持っていて、心臓の音をいつもよりも速くしていた。
「本当に、よかったのか。」
今さらだけどー。
リヴァイは、私の髪に口をつけて、聞こえるか聞こえないか分からないくらいの声でそう続けた。
「うん。」
「俺はなまえと一緒になれてよかった。
でも、本当はアイツとデートのはずだったんだろ。」
「それ、嘘だよ。」
「嘘?」
「恋人になろうとしたことはある、…でも、ダメだったの。
だから、今日はデートって言ったのも、私がリヴァイに気づくための嘘だよ。」
「…一緒に暮らしてたんだろ。恋人だったとしても、俺は何も言わねぇよ。」
「ファーランとイザベルも一緒だよ?」
「は?」
「今朝は出張帰りにそのまま会社に行ったからいなかったけど、
たぶん、もう家に帰って来てるよ。」
「…クソっ、あの野郎、全部嘘じゃねぇか…!」
リヴァイが、私を抱きしめたままで悔しそうに文句を言った。
私は可笑しそうにクスクスと笑う。
とても、幸せだ。
それは、リヴァイのおかげで、ずっと守ってくれた彼のおかげだ。
彼の優しさに惹かれそうになることは、本当のことを言うと、何度もあった。
それでも、リヴァイのようには愛せなくてー。
苦しめるだけならと、彼から、恋人になりきれなかった関係を終わりにした。
それでも、永遠に会えない人を愛し続けてしまっている私が寂しくならないようにと、いつもそばにいてくれた。
ファーランとイザベルをあの家に呼んだのもきっと、私が気を遣わないためだったのだと思う。
神様が私のためにキャスティングしてくれたW主演の彼は、本当に、素敵な人だった。
それなのに、私はどうしてもー。
「リヴァイ、好き…。運命よりも、ずっと、リヴァイを愛してる。」
「あぁ、俺も愛してる。運命なんかクソ食らえだ。」
懐かしいセリフが、私の胸を苦しくさせた。
幸せだから、泣きそうだー。
運命に逆らって、私達は出逢って、恋に落ちてしまった。
私達の目の前にはいつも高い壁がそびえていて、世界はいつだってこの恋を祝福はしてくれなかった。
だから、お互いにたくさん傷ついて、傷つけて、それでも求め合った。
どうしたって、愛する気持ちだけは止められなくてー。
「おやすみ。」
「あぁ、おやすみ。」
ベッドの上で1枚の薄いブランケットを分け合って、私達はおやすみのキスを交わす。
今夜もきっと、世界中のどこかで恋のドラマが始まっているのだろう。
ありふれた恋も、時空を越えた恋も、苦しい恋も、楽しい恋も、どれも大切で、世界でたったひとつだけしかない彼と彼女だけのドラマだ。
あぁ、どうか、すべてのドラマが、素晴らしい最終回を迎えられますようにー。
リヴァイとなまえの最終回も、イアンとリコの最終回も、ハンジとモブリットの最終回も、すべて、彼らだけの大切な想い出として胸に残り続ける。
涙なしでは見られない最終回でも、笑いが絶えない最終回でも、彼と彼女にとっては世界にただひとつの宝物なのだからー。
そして、彼と彼女の最終回から始まった、私達の恋ー。
きっと、これがー。
貴方と私の最終回
エンドロールには、残酷な世界で出逢って、傷つけ合って、惹かれ合っていく私達の姿が流れているのかな。
そのどれも愛おしいと思いながら、最後の『happily ever after』の文字が流れるそのときを、貴方の隣で迎えられますようにー。
なまえ様へ
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