◇7話◇調査兵団兵舎
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彼女の洋服を数着詰め込んだバッグを抱えたリヴァイの後ろを、私は目を伏せて歩いていた。
彼らに連れられて、戻ってきたくなかった調査兵団兵舎にやって来ている。
あのアパートメントの部屋は私の部屋ではないし、彼らも私を目の届くところに寝泊まりさせたいらしい。
リコは任務というのがあるということで、別行動になってしまった。
隣を歩くモブリットが、時々、体調が悪いのかと聞いてくるくらいに私は青い顔をしているのだと思う。
これからどうなってしまうのだろうー。
不安と恐怖が私の心のほとんどを占めていた。
けれど、まだ、彼らが誘拐犯で、私はどこかに連れ去られているのだという考えもなくなっているわけではない。
だって、そうじゃないのなら、今のこの状況をどう説明すればいいのか、私には分からなかった。
彼らと同じ制服を着た男女が通り過ぎる度に、リヴァイとハンジの後ろをどんよりとした空気を纏って歩く私を、訝し気な顔で見ていく。
長い廊下を歩き続けていると、すごく背の高い男の人とすれ違った。
後ろには金髪の綺麗な男の人とリーゼントの男の人もいる。
大男は、彼らと話しながら通り過ぎようとして立ち止まると、いきなり腕を掴んできた。
「キャァ…っ。」
私が思わず小さな悲鳴を漏らすと、リヴァイ達も驚いた様子で立ち止まり振り返る。
何が起こっているのかよく分からなかった。
スンスンー。
大男は、怯えて逃げ腰で首をすくめる私の首元に顔を埋めて、匂いを嗅ぎだした。
あぁ、もう本当に怖い。意味が分からない。
「…なぜだ。なまえの匂いがする。」
何度も首を傾げながら、匂いを嗅ぎ続けた男が漸く離れた。
そして、訝し気に言ってから、私の顔を覗き込んだ。
反応は、ハンジ達が見せたのと全く同じだった。
大男に続いて私の顔を覗き込んだ金髪の綺麗な男の人とリーゼントの人も同じだった。
「壁外任務から帰ったら、兵舎の様子がおかしかったのはこのせいか。」
大男が顎を擦りながら、私を凝視する。
金髪の綺麗な男の人とリーゼントの人は、どういうことかとリヴァイとハンジを問いただす。
もうこの反応にも慣れたけれど、ショックと恐怖、不安を煽られるばかりだ。
「何て説明したらいいか私達にも分からないんだけど、
昨日の夜、突然現れたっていうか、空から降って来たっていうか…。」
「…よく分からんが、なまえは生きていたということか。」
「それが私にもよくー。」
「生きてるからこうしてここにいるんじゃねーか。行くぞ。」
リヴァイは不機嫌そうに言うと、チラリと私を見てから歩き出した。
妄想男は大嫌いだけれど、ここで、私を死んだ人間として考えている彼らの話を聞くのはもっと嫌だった。
だから、私は、大男達の視線を気にしつつ、リヴァイの背中を追いかけた。
彼らに連れられて、戻ってきたくなかった調査兵団兵舎にやって来ている。
あのアパートメントの部屋は私の部屋ではないし、彼らも私を目の届くところに寝泊まりさせたいらしい。
リコは任務というのがあるということで、別行動になってしまった。
隣を歩くモブリットが、時々、体調が悪いのかと聞いてくるくらいに私は青い顔をしているのだと思う。
これからどうなってしまうのだろうー。
不安と恐怖が私の心のほとんどを占めていた。
けれど、まだ、彼らが誘拐犯で、私はどこかに連れ去られているのだという考えもなくなっているわけではない。
だって、そうじゃないのなら、今のこの状況をどう説明すればいいのか、私には分からなかった。
彼らと同じ制服を着た男女が通り過ぎる度に、リヴァイとハンジの後ろをどんよりとした空気を纏って歩く私を、訝し気な顔で見ていく。
長い廊下を歩き続けていると、すごく背の高い男の人とすれ違った。
後ろには金髪の綺麗な男の人とリーゼントの男の人もいる。
大男は、彼らと話しながら通り過ぎようとして立ち止まると、いきなり腕を掴んできた。
「キャァ…っ。」
私が思わず小さな悲鳴を漏らすと、リヴァイ達も驚いた様子で立ち止まり振り返る。
何が起こっているのかよく分からなかった。
スンスンー。
大男は、怯えて逃げ腰で首をすくめる私の首元に顔を埋めて、匂いを嗅ぎだした。
あぁ、もう本当に怖い。意味が分からない。
「…なぜだ。なまえの匂いがする。」
何度も首を傾げながら、匂いを嗅ぎ続けた男が漸く離れた。
そして、訝し気に言ってから、私の顔を覗き込んだ。
反応は、ハンジ達が見せたのと全く同じだった。
大男に続いて私の顔を覗き込んだ金髪の綺麗な男の人とリーゼントの人も同じだった。
「壁外任務から帰ったら、兵舎の様子がおかしかったのはこのせいか。」
大男が顎を擦りながら、私を凝視する。
金髪の綺麗な男の人とリーゼントの人は、どういうことかとリヴァイとハンジを問いただす。
もうこの反応にも慣れたけれど、ショックと恐怖、不安を煽られるばかりだ。
「何て説明したらいいか私達にも分からないんだけど、
昨日の夜、突然現れたっていうか、空から降って来たっていうか…。」
「…よく分からんが、なまえは生きていたということか。」
「それが私にもよくー。」
「生きてるからこうしてここにいるんじゃねーか。行くぞ。」
リヴァイは不機嫌そうに言うと、チラリと私を見てから歩き出した。
妄想男は大嫌いだけれど、ここで、私を死んだ人間として考えている彼らの話を聞くのはもっと嫌だった。
だから、私は、大男達の視線を気にしつつ、リヴァイの背中を追いかけた。