肌寒さを感じて、私は目を覚ました。
寝起きのぼんやりとした視界に、皴の寄った白いシーツが映る。
昨日の夜は、リヴァイの仕事が終わるまで、何をするわけでもなくただ隣に座っていた。
だって、彼が私のことを愛してる時間がまるで夢のようだったから、眠ってしまったら、起きたら現実が戻って来てしまう気がしてー。
だから、あぁ、やっぱりー。
白いシーツに触れると、ひんやりと冷たかった。
そこに、誰かがいたはずの温もりは残っていない。
肌寒い夜、私はリヴァイの腕の中で眠ったはずなのにー。
ズキズキと痛む胸を誤魔化したくて、夢だということにしてしまいたかった。
それなら、リヴァイに独りにされたと思わなくて済むからー。
あぁ、でもー。

「書類を部屋に持って帰ったのかな。」

身体を起こしながら、私はわざと口に出して、自分に言い聞かせる。
昨日のことのすべてを夢にしたくない。
明日からもずっと、リヴァイのそばにいるためにー。