◇55話◇3つの想いがすれ違う夜
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モブリットの夜ーーーーー
「あ~…、やってしまった…。」
殴られたままの格好で、頭を抱えた。
余計なことを言って、彼女にヤってもいない罪を着せてしまった。
返事を待つ間だけは、好きなままでいられるからなんてカッコつけたことを言ったけれど、本当は、フラれたくなかっただけなのだ。
だから、今のうちにと思って、こうしてズルいことをして、リヴァイさえも傷つけて、彼女が自分を選ぶしかなくなるように仕向けてー。
リヴァイの夜ーーーーー
「クソ…ッ!」
怒りに任せて、拳で壁を殴った。
シンと静まり返る薄暗い執務室に、鈍い音が響く。
モブリットの部屋のバルコニーで、頬を染めていた彼女の横顔が頭から離れない。
あんな顔が出来る女だったのか。
見たことない、知らない誰かみたいでー。
『彼女が何者か、一緒に考えて欲しいの?』
彼女が何者かって。そんなの、分かってる。
彼女は、なまえだー。
『ちゃんと今の彼女を見てやってくれって、言ったじゃないか…!!』
見ていた。ちゃんと今の彼女を見て愛している。
だから、急いで帰ってきたのだからー。
出張に出る前、行ってくるのキスにさえ怯えていた彼女は、抱かれてる間もずっと泣きそうでー。
早く帰って、彼女を抱きしめてやりたかった。
愛してると言ってやりたかった。
無理をさせて悪かったと謝って、優しく抱きしめてやろうと思って。
誰にも渡したくない。
愛してるから。
そうだ。なまえを、愛しているー。
愛しているのだー。
なまえの夜ーーーーー
「はぁ~~…。」
ベッドの縁に座って、背中から倒れる。
見慣れない天井を見上げながら、慣れない感情で胸がいっぱいだった。
自分を認めてもらうことが、こんなに嬉しいことだなんてー。
モブリットのキスを思い出して、一気に熱を上げて真っ赤になったはずの顔を両手で隠す。
ここには誰もいないのに、なんだか恥ずかしくて。
誰にも、見られてはいけない気がしてー。
リヴァイが好きだ。愛してる。
自信を持って、それだけは言える。
でもー。
モブリットの気持ちが嬉しかった。
優しくて温かくて、大きな腕の中にいられたらー。
そんな風に一瞬だって思ってしまった、そんな自分が、恥ずかしい。悲しい。虚しい。
これからずっと永遠に、リヴァイだけを愛していくのだと信じたから、この世界に残ることを決めたのにー。
リヴァイがどんな夜を過ごしているのかも知らないで、私は一晩中ずっとー。
「あ~…、やってしまった…。」
殴られたままの格好で、頭を抱えた。
余計なことを言って、彼女にヤってもいない罪を着せてしまった。
返事を待つ間だけは、好きなままでいられるからなんてカッコつけたことを言ったけれど、本当は、フラれたくなかっただけなのだ。
だから、今のうちにと思って、こうしてズルいことをして、リヴァイさえも傷つけて、彼女が自分を選ぶしかなくなるように仕向けてー。
リヴァイの夜ーーーーー
「クソ…ッ!」
怒りに任せて、拳で壁を殴った。
シンと静まり返る薄暗い執務室に、鈍い音が響く。
モブリットの部屋のバルコニーで、頬を染めていた彼女の横顔が頭から離れない。
あんな顔が出来る女だったのか。
見たことない、知らない誰かみたいでー。
『彼女が何者か、一緒に考えて欲しいの?』
彼女が何者かって。そんなの、分かってる。
彼女は、なまえだー。
『ちゃんと今の彼女を見てやってくれって、言ったじゃないか…!!』
見ていた。ちゃんと今の彼女を見て愛している。
だから、急いで帰ってきたのだからー。
出張に出る前、行ってくるのキスにさえ怯えていた彼女は、抱かれてる間もずっと泣きそうでー。
早く帰って、彼女を抱きしめてやりたかった。
愛してると言ってやりたかった。
無理をさせて悪かったと謝って、優しく抱きしめてやろうと思って。
誰にも渡したくない。
愛してるから。
そうだ。なまえを、愛しているー。
愛しているのだー。
なまえの夜ーーーーー
「はぁ~~…。」
ベッドの縁に座って、背中から倒れる。
見慣れない天井を見上げながら、慣れない感情で胸がいっぱいだった。
自分を認めてもらうことが、こんなに嬉しいことだなんてー。
モブリットのキスを思い出して、一気に熱を上げて真っ赤になったはずの顔を両手で隠す。
ここには誰もいないのに、なんだか恥ずかしくて。
誰にも、見られてはいけない気がしてー。
リヴァイが好きだ。愛してる。
自信を持って、それだけは言える。
でもー。
モブリットの気持ちが嬉しかった。
優しくて温かくて、大きな腕の中にいられたらー。
そんな風に一瞬だって思ってしまった、そんな自分が、恥ずかしい。悲しい。虚しい。
これからずっと永遠に、リヴァイだけを愛していくのだと信じたから、この世界に残ることを決めたのにー。
リヴァイがどんな夜を過ごしているのかも知らないで、私は一晩中ずっとー。