◇51話◇消してしまいたい
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退院したばかりだというのに、リヴァイは朝早くから出張に出かけた。
ストヘス区で行われる今回の壁外調査についての報告会議に参加するためだ。
リヴァイの身体が回復し、退院するのを待っていたらしい。
今回の出張は、泊りがけだと聞いている。
いってきますのキスをして、リヴァイが部屋を出て行ってからどれくらい経ったのだろう。
ダルい身体をシーツに包んだまま、ゆっくりと起き上がる。
窓の外はまだ薄暗い。
ベッドから降りて立ち上がった私は、誰もいない部屋で、いまだに何も身に着けていない身体をシーツで隠して、一歩踏み出す。
でも、すぐによろけてしまう。
倒れかけた身体を、壁に手をついて支える。
身体のあちこちが、痛いー。
ぎこちない歩き方で向かうのは、寝室のチェスト横にある全身鏡の前だった。
身体を隠すシーツを放せば、スルリと床に落ちる。
そして、鏡の前に露になるのは、紅い花を幾つも咲かされた私の身体ー。
いや、もうこれが、誰の身体なのかも分からない。
唇が触れるところすべてに、リヴァイがなまえを愛した痕を残された。
離れていてもお前は俺のものだという独占欲かー。
もう二度と放さないという執念かー。
どちらにしろ、私の身体に残ったはずのこの紅い花は、私のために咲いたものじゃない。
私の身体なのに、違うのだ。
気持ち悪いー。
痛いー。
身体が、心が、痛いー。
私のものじゃない痕が身体に残っていて、気持ちが悪いー。
気づいたら私は手を振り上げていた。
見たくなかった。
自分の身体も、リヴァイがなまえを愛した痕もー。
勢いよく振り下ろしたつもりの私の手では、鏡を割れなかった。
ただ、痛かっただけー。
モブリットが言っていたっけ。
私はか弱いと、なまえとは違うのだとー。
あぁ、痛いー。
気持ちが悪いー。
この紅い花を見る度に、リヴァイに全身で愛されたなまえを思い出して、苦しいー。
息が、苦しいー。
私は、胸を押さえてしゃがみ込む。
こういうとき、なまえならきっとリヴァイが抱きしめてくれたのかな。
この世界に、私にはそんな人、いない。
リヴァイを愛す限り、私には一生、そんな人は現れないー。
自分の人生よりもリヴァイを選んだことを、ハンジとモブリットが怖い顔で反対してくれた理由を、私は漸く理解する。
嫌というほどに、理解する。
あぁ、それでもー。
リヴァイを選んだことだけは後悔出来ない私は、頭がおかしいのだろう。
ストヘス区で行われる今回の壁外調査についての報告会議に参加するためだ。
リヴァイの身体が回復し、退院するのを待っていたらしい。
今回の出張は、泊りがけだと聞いている。
いってきますのキスをして、リヴァイが部屋を出て行ってからどれくらい経ったのだろう。
ダルい身体をシーツに包んだまま、ゆっくりと起き上がる。
窓の外はまだ薄暗い。
ベッドから降りて立ち上がった私は、誰もいない部屋で、いまだに何も身に着けていない身体をシーツで隠して、一歩踏み出す。
でも、すぐによろけてしまう。
倒れかけた身体を、壁に手をついて支える。
身体のあちこちが、痛いー。
ぎこちない歩き方で向かうのは、寝室のチェスト横にある全身鏡の前だった。
身体を隠すシーツを放せば、スルリと床に落ちる。
そして、鏡の前に露になるのは、紅い花を幾つも咲かされた私の身体ー。
いや、もうこれが、誰の身体なのかも分からない。
唇が触れるところすべてに、リヴァイがなまえを愛した痕を残された。
離れていてもお前は俺のものだという独占欲かー。
もう二度と放さないという執念かー。
どちらにしろ、私の身体に残ったはずのこの紅い花は、私のために咲いたものじゃない。
私の身体なのに、違うのだ。
気持ち悪いー。
痛いー。
身体が、心が、痛いー。
私のものじゃない痕が身体に残っていて、気持ちが悪いー。
気づいたら私は手を振り上げていた。
見たくなかった。
自分の身体も、リヴァイがなまえを愛した痕もー。
勢いよく振り下ろしたつもりの私の手では、鏡を割れなかった。
ただ、痛かっただけー。
モブリットが言っていたっけ。
私はか弱いと、なまえとは違うのだとー。
あぁ、痛いー。
気持ちが悪いー。
この紅い花を見る度に、リヴァイに全身で愛されたなまえを思い出して、苦しいー。
息が、苦しいー。
私は、胸を押さえてしゃがみ込む。
こういうとき、なまえならきっとリヴァイが抱きしめてくれたのかな。
この世界に、私にはそんな人、いない。
リヴァイを愛す限り、私には一生、そんな人は現れないー。
自分の人生よりもリヴァイを選んだことを、ハンジとモブリットが怖い顔で反対してくれた理由を、私は漸く理解する。
嫌というほどに、理解する。
あぁ、それでもー。
リヴァイを選んだことだけは後悔出来ない私は、頭がおかしいのだろう。