◇45話◇私が死んだ日、惨い嘘で彼を地獄に縛りつけた
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病室の扉を勢いよく開いた。
飛び込むように中に入れば、エレンも含めてリヴァイ班のみんながもう集まっていた。
その向こうに、ベッドに座り、医師や医療兵達の診察を受けているリヴァイがいる。
目を覚ましたリヴァイを見た途端に、毎日そばにいた彼を遠くに感じた。
私はそばに行ってはいけないような気がしてー。
開いた扉に気づいたリヴァイが私を見て、目が合う。
ドキンー。
痛いくらいに鳴った心臓が、何を意味していたのか、分からなかった。
リヴァイを騙すことになる恐怖とか、なまえへの罪悪感とか、理由ならいくらでもあったと思う。
でも、やっぱり、私は、リヴァイが生きていることが嬉しかった。
「リヴァイ…っ。」
ベッドに駆け寄った。
包帯だらけの身体に思わず抱き着こうとして、指が触れる直前で気づく。
リヴァイと目と目が合って、痛くないように、頬に触れる。
眠っているリヴァイの頬を撫でたことがある。
でも、それとは違う。
あぁ、生きているー。
安心できる温もりが、そこにあってー。
私は涙を零す。
「泣くな。」
リヴァイが、私の頬に触れる。
細く華奢な指が、涙を拭う。
その感触がまた、私を泣かすのだ。
嬉しくてー。
自分は、彼に涙を拭ってもらえるような女じゃないと、涙が止まらなくてー。
いつの間にか、診察をしていた医師や医療兵は後ろにさがっていた。
リヴァイの手が、私の肩に触れる。
そして、そのまま、抱き寄せられた。
久しぶりのリヴァイの腕の中だー。
痛くないように、でも、もっと触れたくて、私は彼の肩にそっと手を乗せてしがみつく。
目が覚めたら、最初に何を伝えればいいのだろうかとずっと考えていた。
なまえらしい言葉は何だろうかと、いろんな台詞を思い浮かべていた。
でも、いざその時になったら、言葉なんて何も出て来なくて、私はリヴァイの腕の中で、泣くばかりだった。
そんな私の頭をリヴァイの手が優しく撫でてくれた。
大丈夫だよー、そう言っているみたいに。
私は、自分のことばかりで、我儘で、最低で、惨くてー。
天使の元へ行きたかったリヴァイを地獄に呼び戻してしまった悪魔なのにー。
一度、堅く目を閉じて涙を堪える。
そうして、瞳を開ければ、ゆっくりと身体を離した。
私は今から、あの日のように、リヴァイの目をまっすぐに見て、嘘を吐く。
「リヴァイ、愛してる。」
涙の痕が頬に残ったまま、私はリヴァイに告げる。
視線が重なったまま、リヴァイの切れ長の瞳が少しずつ、ゆっくりと見開かれていった。
「私、思い出したよ。まだ全部じゃないけど、全部を思い出せるか分かんないけど…。
でも、リヴァイへの気持ちは変わらないよ。」
「本当か…?」
信じられないという表情で、食い入るように私の瞳の奥を見つめながら、リヴァイが頬を撫でる。
温もりを感じながら、目の前にいるなまえを確かめようとしているみたいだった。
「もう、どこにも行かない。リヴァイの為だけに生きるよ。
だから、お願い…。リヴァイも生きて。私を置いて、どこにも行かないで…。
私の、そばにいて…っ。」
言いながら、胸が苦しくなって、痛くなって、堪えていた涙が、私の瞳から一粒、二粒、零れ落ちていく。
一瞬、リヴァイが唇を噛んだのが見えて、そのまま力強く抱きしめられた。
あぁ、本当にー。
ごめんなさい。
私は最低だ。
だって、嬉しいのだ。
リヴァイが、抱きしめてくれて。
騙されて、くれてー。
嬉しいなんて―。
「あぁ…!そばにいる…!どこにも行かねぇよ…!
なまえがいねぇ世界なんて、俺は行きたくなんかねぇんだから…!」
「…っ。約束だよっ。」
「あぁ、約束だ…!お前も、もう二度と、どこにも行くなよ…!」
「行かないよっ。ずっと、リヴァイのそばにいる…っ。」
リヴァイが、なまえを強く抱きしめる。
だから、私はリヴァイに縋りついて泣く。
貴方の為に生きていくよー。
これはなまえの本当の願いで、私の我儘で、素直な気持ちで、リヴァイを地獄に縛りつける呪いの言葉だー。
人生で私が吐いた最も悲しい嘘がひとつ更新された。
今日まで生きてきた私の人生捨てても構わないくらいに愛おしい人に、この世で最も惨い嘘を吐いたのだー。
リヴァイに、生きてほしいと懇願した今日、私は、惨い嘘で自分を殺したー。
ただ、リヴァイのそばにいたくて。
私は、愛してはいけない人を、愛してしまったからー。
飛び込むように中に入れば、エレンも含めてリヴァイ班のみんながもう集まっていた。
その向こうに、ベッドに座り、医師や医療兵達の診察を受けているリヴァイがいる。
目を覚ましたリヴァイを見た途端に、毎日そばにいた彼を遠くに感じた。
私はそばに行ってはいけないような気がしてー。
開いた扉に気づいたリヴァイが私を見て、目が合う。
ドキンー。
痛いくらいに鳴った心臓が、何を意味していたのか、分からなかった。
リヴァイを騙すことになる恐怖とか、なまえへの罪悪感とか、理由ならいくらでもあったと思う。
でも、やっぱり、私は、リヴァイが生きていることが嬉しかった。
「リヴァイ…っ。」
ベッドに駆け寄った。
包帯だらけの身体に思わず抱き着こうとして、指が触れる直前で気づく。
リヴァイと目と目が合って、痛くないように、頬に触れる。
眠っているリヴァイの頬を撫でたことがある。
でも、それとは違う。
あぁ、生きているー。
安心できる温もりが、そこにあってー。
私は涙を零す。
「泣くな。」
リヴァイが、私の頬に触れる。
細く華奢な指が、涙を拭う。
その感触がまた、私を泣かすのだ。
嬉しくてー。
自分は、彼に涙を拭ってもらえるような女じゃないと、涙が止まらなくてー。
いつの間にか、診察をしていた医師や医療兵は後ろにさがっていた。
リヴァイの手が、私の肩に触れる。
そして、そのまま、抱き寄せられた。
久しぶりのリヴァイの腕の中だー。
痛くないように、でも、もっと触れたくて、私は彼の肩にそっと手を乗せてしがみつく。
目が覚めたら、最初に何を伝えればいいのだろうかとずっと考えていた。
なまえらしい言葉は何だろうかと、いろんな台詞を思い浮かべていた。
でも、いざその時になったら、言葉なんて何も出て来なくて、私はリヴァイの腕の中で、泣くばかりだった。
そんな私の頭をリヴァイの手が優しく撫でてくれた。
大丈夫だよー、そう言っているみたいに。
私は、自分のことばかりで、我儘で、最低で、惨くてー。
天使の元へ行きたかったリヴァイを地獄に呼び戻してしまった悪魔なのにー。
一度、堅く目を閉じて涙を堪える。
そうして、瞳を開ければ、ゆっくりと身体を離した。
私は今から、あの日のように、リヴァイの目をまっすぐに見て、嘘を吐く。
「リヴァイ、愛してる。」
涙の痕が頬に残ったまま、私はリヴァイに告げる。
視線が重なったまま、リヴァイの切れ長の瞳が少しずつ、ゆっくりと見開かれていった。
「私、思い出したよ。まだ全部じゃないけど、全部を思い出せるか分かんないけど…。
でも、リヴァイへの気持ちは変わらないよ。」
「本当か…?」
信じられないという表情で、食い入るように私の瞳の奥を見つめながら、リヴァイが頬を撫でる。
温もりを感じながら、目の前にいるなまえを確かめようとしているみたいだった。
「もう、どこにも行かない。リヴァイの為だけに生きるよ。
だから、お願い…。リヴァイも生きて。私を置いて、どこにも行かないで…。
私の、そばにいて…っ。」
言いながら、胸が苦しくなって、痛くなって、堪えていた涙が、私の瞳から一粒、二粒、零れ落ちていく。
一瞬、リヴァイが唇を噛んだのが見えて、そのまま力強く抱きしめられた。
あぁ、本当にー。
ごめんなさい。
私は最低だ。
だって、嬉しいのだ。
リヴァイが、抱きしめてくれて。
騙されて、くれてー。
嬉しいなんて―。
「あぁ…!そばにいる…!どこにも行かねぇよ…!
なまえがいねぇ世界なんて、俺は行きたくなんかねぇんだから…!」
「…っ。約束だよっ。」
「あぁ、約束だ…!お前も、もう二度と、どこにも行くなよ…!」
「行かないよっ。ずっと、リヴァイのそばにいる…っ。」
リヴァイが、なまえを強く抱きしめる。
だから、私はリヴァイに縋りついて泣く。
貴方の為に生きていくよー。
これはなまえの本当の願いで、私の我儘で、素直な気持ちで、リヴァイを地獄に縛りつける呪いの言葉だー。
人生で私が吐いた最も悲しい嘘がひとつ更新された。
今日まで生きてきた私の人生捨てても構わないくらいに愛おしい人に、この世で最も惨い嘘を吐いたのだー。
リヴァイに、生きてほしいと懇願した今日、私は、惨い嘘で自分を殺したー。
ただ、リヴァイのそばにいたくて。
私は、愛してはいけない人を、愛してしまったからー。