恋、始めます
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待ち合わせのカフェに着いたときには、約束の時間にはまだ15分ほど時間があった。
時間通りに着くつもりだったのに、早く着きすぎてしまったようだ。
あの頃も、彼が約束通りに待ち合わせ場所に来たことなんてなかったのに、それでも私はいつも、30分以上早く来て彼のことを待っていた。
大好きな彼を待っている時間すら、私は愛おしかったのだ。
ジャンがお店に来たときに、私をすぐに見つけられるように入口の近くのテーブルに向かおうとしてー。
「なまえさん!こっちっす!」
奥のテーブルから、ジャンが手招きしながら私を呼んだ。
驚いた。
どうせ、ジャンも遅れてくるのだろうと思っていたからー。
私がテーブルまでやって来ると、ジャンは、とても自然に椅子を引いてくれた。
それからも、メニューを渡してくれて、店員に聞いておいたというおすすめのドリンクも教えてくれる。
彼なんて、いつも私より先に座っていたし、私が少しでもメニューを悩むと面倒くさそうな顔をしていたのにー。
とても自然に、私のために気を遣ってくれているジャンは、それがどれほど素敵なことか、分かっていないのだろうと思う。
でも、私はそれがどれほど素敵なのか、ちゃんと分かってる。
「すっげぇ怖い教授なんすよ。それなのに、そのバカ、授業中に芋食い出して。」
「お芋?」
「そう!蒸かした芋!本気でビックリしましたよっ。」
ジャンは楽しそうに大学生活の話をしてくれる。
口を大きく開けて、背中を反って笑う姿なんて子供みたいだ。
私よりも大人な彼は、いつもつまらなそうに私の話を聞いているだけだった。
その日あったことすら、話してくれることはなかった。
だから私は今も昔も、彼が何を考えて、何をしていたのかを知らない。
「本当だね~。なんで、蒸かした芋なんだろうね?
スイートポテトとかの方が美味しいのに。」
「そういうことじゃないですからっ!
なまえさんって変な人っすよねっ。
仕事中も毎日、何かしらボケてるし、笑わせて…、いや、ほんと癒されるわ~。」
ジャンが可笑しそうにゲラゲラと笑う。
仕事中もよく、私のことを面白いと言って、子供みたいに笑っている。
私はそんなジャンがとても不思議だった。
だって、私とそれなりに長く付き合っていた彼は、そんなこと思っていなかったから。
だから絶対に、私なんかより、ジャンの方が変だ。
でもやっぱり、ジャンは私のことを面白いと言って、子供みたいに背中を反らせて笑うのだ。
だから、気づいたら私も一緒に笑っていた。
時間通りに着くつもりだったのに、早く着きすぎてしまったようだ。
あの頃も、彼が約束通りに待ち合わせ場所に来たことなんてなかったのに、それでも私はいつも、30分以上早く来て彼のことを待っていた。
大好きな彼を待っている時間すら、私は愛おしかったのだ。
ジャンがお店に来たときに、私をすぐに見つけられるように入口の近くのテーブルに向かおうとしてー。
「なまえさん!こっちっす!」
奥のテーブルから、ジャンが手招きしながら私を呼んだ。
驚いた。
どうせ、ジャンも遅れてくるのだろうと思っていたからー。
私がテーブルまでやって来ると、ジャンは、とても自然に椅子を引いてくれた。
それからも、メニューを渡してくれて、店員に聞いておいたというおすすめのドリンクも教えてくれる。
彼なんて、いつも私より先に座っていたし、私が少しでもメニューを悩むと面倒くさそうな顔をしていたのにー。
とても自然に、私のために気を遣ってくれているジャンは、それがどれほど素敵なことか、分かっていないのだろうと思う。
でも、私はそれがどれほど素敵なのか、ちゃんと分かってる。
「すっげぇ怖い教授なんすよ。それなのに、そのバカ、授業中に芋食い出して。」
「お芋?」
「そう!蒸かした芋!本気でビックリしましたよっ。」
ジャンは楽しそうに大学生活の話をしてくれる。
口を大きく開けて、背中を反って笑う姿なんて子供みたいだ。
私よりも大人な彼は、いつもつまらなそうに私の話を聞いているだけだった。
その日あったことすら、話してくれることはなかった。
だから私は今も昔も、彼が何を考えて、何をしていたのかを知らない。
「本当だね~。なんで、蒸かした芋なんだろうね?
スイートポテトとかの方が美味しいのに。」
「そういうことじゃないですからっ!
なまえさんって変な人っすよねっ。
仕事中も毎日、何かしらボケてるし、笑わせて…、いや、ほんと癒されるわ~。」
ジャンが可笑しそうにゲラゲラと笑う。
仕事中もよく、私のことを面白いと言って、子供みたいに笑っている。
私はそんなジャンがとても不思議だった。
だって、私とそれなりに長く付き合っていた彼は、そんなこと思っていなかったから。
だから絶対に、私なんかより、ジャンの方が変だ。
でもやっぱり、ジャンは私のことを面白いと言って、子供みたいに背中を反らせて笑うのだ。
だから、気づいたら私も一緒に笑っていた。