He really loves me like you do
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「そうか、紅茶が好きなのか!今度からは私と飲めるように酒を覚えてもらわないとな!」
空港へと向かう車内には、ひどく明るく話す父親の声が途切れることなく聞こえ続けている。
さっきまでいた助手席から後部座席に移動した私には、父親の顔は見えない。
だから、不器用なりに上手に言葉を交わすリヴァイの隣で、運転席のシート越しに父親の後姿を見つめる。
きっと、父親は、無理に笑っているのだと思う。
そして本当は『お前なんかに娘は相応しくない。』と、そう言えたらよかったのにと願っているのだろう。
だから、父親は、言葉を途切れさせないように、必死に話題を作るのだ。
本音を言って、傷つけたくないのは、リヴァイではなくて、きっと私だ。
長かったようで、あっという間に、車は空港のゲートをくぐっていく。
辿り着いたのは、駐車場ではなく送迎スペースだった。
「ターミナルまで一緒に行かないの?」
「母さんが1人で寂しく待ってるからな。早く帰ってやらないと。」
「そっか。」
父親が最後まで見送りをしないで帰るというその理由の真偽は分からない。
でも、私は引きとめることはしなかった。
一度、3人で車を出て、トランクに積んだ荷物を降ろす。
自分のキャリーケースを握りしめた後、私とリヴァイは、父親と向き直った。
「ありがとうね。また家に帰り着いたら、連絡する。」
「あぁ、そうしてくれ。」
「ありがとうございました。助かりました。」
「あぁ、君も気を付けて。
なまえをよろしく頼む。」
どれくらい本気で『よろしく』と言ったのだろうか。
その瞬間、父親の瞳が少しだけ揺れたのに気づいた。
でも、リヴァイが迷いなく頷いた後の、安心したような表情も、父親の本心なのだと思う。
「リヴァイ、先に手続しててくれる?」
「あぁ、分かった。
それじゃ、お父さんも帰り、気を付けてください。」
リヴァイは、父親に軽く会釈をすると、そのまま振り返らずに空港の中へと入っていく。
その背中を見送った後、ひとりになった私は、改めて父親と向き直る。
「パパとリヴァイと三人で車に乗ってるの、すごく楽しかった。」
「そうか、俺もだ。」
「ハハ、それならよかったよ。
次は、連休より前に、2人で休みを合わせて帰ってくるかも。」
「…あぁ、分かった。」
「ねぇ、パパ。」
「なんだ?」
「・・・・ううん、なんでもない。
ただ、ありがとうって言いたくなっただけ。」
「なんだ、おかしなやつだな。
礼を言ってもらいたくてしたことなんて、ひとつもないのに。」
「ふふ、ママも同じこと言ってた。
だから、ありがとう、なの。」
「そうか。なら、素直にお前からの感謝を受け止めるよ。」
「うん、そうして。
————じゃあ、またね。」
「あぁ、気を付けて。会えてよかった。
————リヴァイくんにも、そう伝えておいてくれ。」
頷いた私は、キャリーケースを握り直してから、父親に手を振る。
通り抜けたばかりの自動ドアが閉まる前に、無意識に、私は後ろを振り返る。
父親は、まだこちらを見ていた。
目が合うと、少し照れ臭そうにしながら、父親が小さく手を振る。
だから私も、思いっきり明るい笑顔を向けて、手を振り返した。
空港へと向かう車内には、ひどく明るく話す父親の声が途切れることなく聞こえ続けている。
さっきまでいた助手席から後部座席に移動した私には、父親の顔は見えない。
だから、不器用なりに上手に言葉を交わすリヴァイの隣で、運転席のシート越しに父親の後姿を見つめる。
きっと、父親は、無理に笑っているのだと思う。
そして本当は『お前なんかに娘は相応しくない。』と、そう言えたらよかったのにと願っているのだろう。
だから、父親は、言葉を途切れさせないように、必死に話題を作るのだ。
本音を言って、傷つけたくないのは、リヴァイではなくて、きっと私だ。
長かったようで、あっという間に、車は空港のゲートをくぐっていく。
辿り着いたのは、駐車場ではなく送迎スペースだった。
「ターミナルまで一緒に行かないの?」
「母さんが1人で寂しく待ってるからな。早く帰ってやらないと。」
「そっか。」
父親が最後まで見送りをしないで帰るというその理由の真偽は分からない。
でも、私は引きとめることはしなかった。
一度、3人で車を出て、トランクに積んだ荷物を降ろす。
自分のキャリーケースを握りしめた後、私とリヴァイは、父親と向き直った。
「ありがとうね。また家に帰り着いたら、連絡する。」
「あぁ、そうしてくれ。」
「ありがとうございました。助かりました。」
「あぁ、君も気を付けて。
なまえをよろしく頼む。」
どれくらい本気で『よろしく』と言ったのだろうか。
その瞬間、父親の瞳が少しだけ揺れたのに気づいた。
でも、リヴァイが迷いなく頷いた後の、安心したような表情も、父親の本心なのだと思う。
「リヴァイ、先に手続しててくれる?」
「あぁ、分かった。
それじゃ、お父さんも帰り、気を付けてください。」
リヴァイは、父親に軽く会釈をすると、そのまま振り返らずに空港の中へと入っていく。
その背中を見送った後、ひとりになった私は、改めて父親と向き直る。
「パパとリヴァイと三人で車に乗ってるの、すごく楽しかった。」
「そうか、俺もだ。」
「ハハ、それならよかったよ。
次は、連休より前に、2人で休みを合わせて帰ってくるかも。」
「…あぁ、分かった。」
「ねぇ、パパ。」
「なんだ?」
「・・・・ううん、なんでもない。
ただ、ありがとうって言いたくなっただけ。」
「なんだ、おかしなやつだな。
礼を言ってもらいたくてしたことなんて、ひとつもないのに。」
「ふふ、ママも同じこと言ってた。
だから、ありがとう、なの。」
「そうか。なら、素直にお前からの感謝を受け止めるよ。」
「うん、そうして。
————じゃあ、またね。」
「あぁ、気を付けて。会えてよかった。
————リヴァイくんにも、そう伝えておいてくれ。」
頷いた私は、キャリーケースを握り直してから、父親に手を振る。
通り抜けたばかりの自動ドアが閉まる前に、無意識に、私は後ろを振り返る。
父親は、まだこちらを見ていた。
目が合うと、少し照れ臭そうにしながら、父親が小さく手を振る。
だから私も、思いっきり明るい笑顔を向けて、手を振り返した。