He really loves me like you do
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リヴァイの実家に寄る為に、空港まで少し遠回りして、父親が車を走らせる。
今までは、父親が空港まで送るのは、私だけだった。でも、今日からは違う。
きっと、もう少しすれば、空港までの遠回りがいつもの道になるのだろう。
そして、それにようやく慣れた頃、遠回りはなくなって、私とリヴァイは、父親の運転する車に、最初から一緒に乗るようになるのかもしれない。
車窓の向こうを、見慣れた景色がいくつも通り過ぎていく中、私と父親は共に無口だった。
ふたりきりになるのは、久しぶりだ。
でも、きっと、私達が口を開かない理由は、もっと別のところにある。
前回の長期休暇は、ほとんど実家で過ごした。
私が実家にいなかったのは、リヴァイの家族への初めてのご挨拶をしに行って、そのまま泊まらせてもらった1日だけだ。
でも、今回の長期休暇は、10日あった6日を、リヴァイの実家や、遊びに出かけた先のホテルで過ごした。
リヴァイと出逢った日から、少しずつ、私と家族の関係は、変わり始めている。
きっとそれは、リヴァイも同じ。
「あちらのご家族には、良くしてもらってるのか。」
不意に、父親が口を開いた。
普段から無口な父親が、沈黙に堪えられなくなったとは思えない。
きっと、ずっと、心配してくれていたのだろう。
そして、勇気を出して、今、私に訊ねたのだと思う。
「うん、とっても。リヴァイのお母さんは、すごく美人なの。
彼も綺麗な顔をしてるし、きっと、お母さんに似たんだと思う。
優しくて温かくて、少し天然なところもあって、可愛い人だよ。
私を、本当の娘みたいに可愛がってくれるの。」
「そうか。よかったな。」
「それから、叔父さんは、ちょっと怖いの。」
「怖い?」
「彼と違って背も高くて、目つきも怖いから、あ…それはリヴァイと同じね。
とにかく、初めて会った時は圧倒されちゃった。
でも、喋ってみると、すごくお茶目で、それが面白くて笑っちゃうの。」
「そうか。楽しそうだな。」
「リヴァイの家族と一緒にいると、私はいつも笑ってるの。
2人とも、パパとママに、少し似てる気がする。だから、かな。
まだ少し気を遣っちゃうけど、私らしくいられてると思う。」
私は丁寧に話した。
父親に彼らの素敵さを伝えたかったのだ。
リヴァイの実家で過ごしながら、思ったのだ。
彼は、私と同じような環境の中で育っていた。
それは、両親が揃っているとか、片親だとかは関係なく、ただ、愛情に包まれた家庭でとても大切に命を育まれてきたことだ。
リヴァイの母親は、彼に本当の愛を教えたのだと思う。そして、叔父さんは、彼に本当の優しさを教えたのだ。
だから、リヴァイは心から誰かを愛することが出来る人だし、強く誰かを守ることも出来る。
初めて心から愛した男性の根幹になった人達を、心から尊敬しているし、これからは私も大切にしたいと思えた。
たぶん———。
「リヴァイは、私の運命の人だと思う。」
言ってしまってから、ハッとした。
心の声が漏れたとは違う。
ただ、私が確信し始めているこの気持ちを、父親にも知って欲しいと思ったのだ。
でも、僅かに眉を顰め、口を閉ざしてしまった父親を見て、時期早々だったかもしれないと反省した。
それでも、やっぱり私は、父親に知っていてほしい。
「彼のおかげで、私は今、すごく幸せだよ。」
「…そうか。それは、よかった。」
父親が言う。
眩しそうに細められた目は、フロントガラスの向こうに続く見慣れた道を、まるで記憶に刻もうとしているかのように、じっと見据えていた。
今までは、父親が空港まで送るのは、私だけだった。でも、今日からは違う。
きっと、もう少しすれば、空港までの遠回りがいつもの道になるのだろう。
そして、それにようやく慣れた頃、遠回りはなくなって、私とリヴァイは、父親の運転する車に、最初から一緒に乗るようになるのかもしれない。
車窓の向こうを、見慣れた景色がいくつも通り過ぎていく中、私と父親は共に無口だった。
ふたりきりになるのは、久しぶりだ。
でも、きっと、私達が口を開かない理由は、もっと別のところにある。
前回の長期休暇は、ほとんど実家で過ごした。
私が実家にいなかったのは、リヴァイの家族への初めてのご挨拶をしに行って、そのまま泊まらせてもらった1日だけだ。
でも、今回の長期休暇は、10日あった6日を、リヴァイの実家や、遊びに出かけた先のホテルで過ごした。
リヴァイと出逢った日から、少しずつ、私と家族の関係は、変わり始めている。
きっとそれは、リヴァイも同じ。
「あちらのご家族には、良くしてもらってるのか。」
不意に、父親が口を開いた。
普段から無口な父親が、沈黙に堪えられなくなったとは思えない。
きっと、ずっと、心配してくれていたのだろう。
そして、勇気を出して、今、私に訊ねたのだと思う。
「うん、とっても。リヴァイのお母さんは、すごく美人なの。
彼も綺麗な顔をしてるし、きっと、お母さんに似たんだと思う。
優しくて温かくて、少し天然なところもあって、可愛い人だよ。
私を、本当の娘みたいに可愛がってくれるの。」
「そうか。よかったな。」
「それから、叔父さんは、ちょっと怖いの。」
「怖い?」
「彼と違って背も高くて、目つきも怖いから、あ…それはリヴァイと同じね。
とにかく、初めて会った時は圧倒されちゃった。
でも、喋ってみると、すごくお茶目で、それが面白くて笑っちゃうの。」
「そうか。楽しそうだな。」
「リヴァイの家族と一緒にいると、私はいつも笑ってるの。
2人とも、パパとママに、少し似てる気がする。だから、かな。
まだ少し気を遣っちゃうけど、私らしくいられてると思う。」
私は丁寧に話した。
父親に彼らの素敵さを伝えたかったのだ。
リヴァイの実家で過ごしながら、思ったのだ。
彼は、私と同じような環境の中で育っていた。
それは、両親が揃っているとか、片親だとかは関係なく、ただ、愛情に包まれた家庭でとても大切に命を育まれてきたことだ。
リヴァイの母親は、彼に本当の愛を教えたのだと思う。そして、叔父さんは、彼に本当の優しさを教えたのだ。
だから、リヴァイは心から誰かを愛することが出来る人だし、強く誰かを守ることも出来る。
初めて心から愛した男性の根幹になった人達を、心から尊敬しているし、これからは私も大切にしたいと思えた。
たぶん———。
「リヴァイは、私の運命の人だと思う。」
言ってしまってから、ハッとした。
心の声が漏れたとは違う。
ただ、私が確信し始めているこの気持ちを、父親にも知って欲しいと思ったのだ。
でも、僅かに眉を顰め、口を閉ざしてしまった父親を見て、時期早々だったかもしれないと反省した。
それでも、やっぱり私は、父親に知っていてほしい。
「彼のおかげで、私は今、すごく幸せだよ。」
「…そうか。それは、よかった。」
父親が言う。
眩しそうに細められた目は、フロントガラスの向こうに続く見慣れた道を、まるで記憶に刻もうとしているかのように、じっと見据えていた。