その夜が、漸く明ける
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内門の向こう側はまだ騒がしいが、トロスト区に残っていた巨人は調査兵団がすべて討伐した。
何が起こったのかはまだ分からないが、とにかく開いた穴を塞げたおかげで想像しうる最悪の事態は防げたようだが、地獄はまだ終わっていない。
まずは、逃げ遅れた人がいないかの捜索や殉職した駐屯兵や訓練兵達の遺体の確認がある。
調査兵達は、今回の惨劇が起きた原因の調査もすることになるだろう。
きっと、忙しくなる。
その証拠に、リヴァイはまだ病室にやって来れていない。
一応、エルドから、逃げ遅れて怪我をしていたなまえをオルオとペトラが救助して、調査兵団兵舎医療棟の病室に運ばれたことは伝えてある。
後始末がある程度落ち着けば、きっと血相を変えてやってくるだろう。
でも、その前に、なまえが目を覚ました。
「赤ちゃんは!?赤ちゃんはどこ!?」
目を覚ましてすぐ、身体の状態を確認しようとした医師を無視して、なまえが最初にしたのは自らのお腹に触れることだった。
そして、凹んだお腹に驚くと、すぐに起き上がろうとした。
「赤ちゃんに会わせて!どうして、どうしていないの…!?
いや…っ、いやぁーーー!!」
必死に抑え込む医師やオルオ、エルド達に抵抗して、なまえは泣き叫んでいた。
なまえとは古い付き合いだ。
元恋人も数人知っているくらいには、たくさんの彼女を見てきた。
けれど、髪を振り乱し、我を忘れて声を荒げるなまえは初めてだった。
「大丈夫!大丈夫ですよ!赤ん坊も助かりました!!
少し産まれるのが早かったからまだ小さくて、処置をしてもらってるところです!!」
声を荒げるなまえに負けないくらいに大きな声で、オルオが叫んだ。
その途端に、騒いでいた声がピタリと止まる。
「ほんとう…?」
なまえは、瞬きを忘れた大きな瞳でオルオを見つめる。
不安と希望が、涙で濡れた彼女の瞳の中でゆらゆら揺れている。
「本当ですよ。身体は小さいけど、元気だったって聞いてます。
産まれる前が少ししんどかったから、今はゆっくり休ませてるんです。
落ち着いたら会えますから、安心してください。」
落ち着いた声色でエルドが説明してやれば、なまえは漸く信じることが出来たらしい。
「よかった…。よかった…っ。」
泣きながら空っぽになったお腹を抱きしめて、なまえは何度もそう繰り返していた。
そこへ、病室の扉を蹴破る勢いで飛び込んできたのは、リヴァイだった。
「なまえ!!」
顔面真っ青なリヴァイは、ベッドの上になまえを見つけるとすぐに駆け寄り、勢いはそのままに彼女を抱きしめた。
一応、エルドから状態は聞かされていたのだが、きっとあの慌ただしさの中では、話の半分もしっかりと伝わっていなかったのだろう。
なまえが生きている———そのことだけを確かめるように、リヴァイは何度も何度も彼女を抱きしめ直していた。
「リヴァイ兵長、そんなに強く抱きしめたら
なまえさん、息が出来ないですよ。」
「…!すまない…。」
エルドが指摘すると、リヴァイは申し訳なさそうに身体を離した。
そんな彼らを見せつけられて、ペトラは誰にも気づかれないようにそっと病室を出た。
何が起こったのかはまだ分からないが、とにかく開いた穴を塞げたおかげで想像しうる最悪の事態は防げたようだが、地獄はまだ終わっていない。
まずは、逃げ遅れた人がいないかの捜索や殉職した駐屯兵や訓練兵達の遺体の確認がある。
調査兵達は、今回の惨劇が起きた原因の調査もすることになるだろう。
きっと、忙しくなる。
その証拠に、リヴァイはまだ病室にやって来れていない。
一応、エルドから、逃げ遅れて怪我をしていたなまえをオルオとペトラが救助して、調査兵団兵舎医療棟の病室に運ばれたことは伝えてある。
後始末がある程度落ち着けば、きっと血相を変えてやってくるだろう。
でも、その前に、なまえが目を覚ました。
「赤ちゃんは!?赤ちゃんはどこ!?」
目を覚ましてすぐ、身体の状態を確認しようとした医師を無視して、なまえが最初にしたのは自らのお腹に触れることだった。
そして、凹んだお腹に驚くと、すぐに起き上がろうとした。
「赤ちゃんに会わせて!どうして、どうしていないの…!?
いや…っ、いやぁーーー!!」
必死に抑え込む医師やオルオ、エルド達に抵抗して、なまえは泣き叫んでいた。
なまえとは古い付き合いだ。
元恋人も数人知っているくらいには、たくさんの彼女を見てきた。
けれど、髪を振り乱し、我を忘れて声を荒げるなまえは初めてだった。
「大丈夫!大丈夫ですよ!赤ん坊も助かりました!!
少し産まれるのが早かったからまだ小さくて、処置をしてもらってるところです!!」
声を荒げるなまえに負けないくらいに大きな声で、オルオが叫んだ。
その途端に、騒いでいた声がピタリと止まる。
「ほんとう…?」
なまえは、瞬きを忘れた大きな瞳でオルオを見つめる。
不安と希望が、涙で濡れた彼女の瞳の中でゆらゆら揺れている。
「本当ですよ。身体は小さいけど、元気だったって聞いてます。
産まれる前が少ししんどかったから、今はゆっくり休ませてるんです。
落ち着いたら会えますから、安心してください。」
落ち着いた声色でエルドが説明してやれば、なまえは漸く信じることが出来たらしい。
「よかった…。よかった…っ。」
泣きながら空っぽになったお腹を抱きしめて、なまえは何度もそう繰り返していた。
そこへ、病室の扉を蹴破る勢いで飛び込んできたのは、リヴァイだった。
「なまえ!!」
顔面真っ青なリヴァイは、ベッドの上になまえを見つけるとすぐに駆け寄り、勢いはそのままに彼女を抱きしめた。
一応、エルドから状態は聞かされていたのだが、きっとあの慌ただしさの中では、話の半分もしっかりと伝わっていなかったのだろう。
なまえが生きている———そのことだけを確かめるように、リヴァイは何度も何度も彼女を抱きしめ直していた。
「リヴァイ兵長、そんなに強く抱きしめたら
なまえさん、息が出来ないですよ。」
「…!すまない…。」
エルドが指摘すると、リヴァイは申し訳なさそうに身体を離した。
そんな彼らを見せつけられて、ペトラは誰にも気づかれないようにそっと病室を出た。