◇第二十八話◇友人の応援
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「リヴァイ兵長にキスされたーーーーーっ!?!?!?」
目をこれでもかというほどに見開いて、驚きすぎて叫び出したルルの口を慌てて両手で塞いだ。
「ちょっとっ、声が大きいよっ!
それに、されたかも!だってばっ。」
私は、今日の散歩であった出来事をルルに全て話した。
キッチンでのペトラとのことは勘違いだと言われたこと、それがすごく嬉しかったこと、キスを、されたかもしれないこと―。すべてを。
「寝込みを襲われたってことね。
リヴァイ兵長も男だったのね。やるわね。」
「だから、違うってばっ!」
「はいはい、照れなくていいから。」
「そうじゃなくてっ。とにかく、私も寝ぼけててわかんないし。」
「でも、手は繋いでたんでしょう?」
「手は…うん、繋いでた。なんでだろう…。」
「それはもうね、リヴァイ兵長がね。」
ムフフと悪い妄想に取りつかれているようにしか見えないルルは、人の話も聞かないで、本当に楽しそうに盛り上がっている。
私も、今夜は、楽しい恋の話になると思っていた。
「で、そんなことがあったのに、どうしてそれが
好きになるのをやめる宣言に繋がるわけ?」
「それは…。」
私は、談話室でのペトラとの会話をルルに教えた。
確かにあのとき、ペトラは、キスをしようとしていたのだと言った。
目に入ったゴミをとってあげていただけだと言ったリヴァイ兵長。
冗談だと誤魔かしはしたものの、キスをしようとしていたと言ったペトラ。
どちらが事実なのかは分からない。
でも、なんとなくだけれど、2人は私が思ったような恋人同士というわけではないような気がする。
何かのすれ違いが2人の間にあるのかもしれないけれど、それは私が考えることではない。リヴァイ兵長とペトラの問題なのだ。私は外野だ。
「でも、だからってどうして、なまえがリヴァイ兵長を諦めないといけないの?」
「別に諦めないといけないとかじゃないんだけど。」
「じゃあ、なに?」
「前に、ハンジさんに聞いたことがあるの。
ペトラが私を助けようとしてくれていたって。」
「助けようと?」
「実際に、悪口を言われてるときに、助けてもらったこともあるの。」
ルルも知っている通り、私は調査兵団の中で異例の新兵として浮いた存在だった。
良くない噂が流れていることも知っていたし、面と向かって悪口を言われたこともある。
今は、ルル達が噂を一蹴してくれたおかげで、調査兵の人達と仲良くさせてもらっているけれど、当時はとてもツラかった。
上官や先輩として私の世話をしてくれているハンジさん達以外に私の味方はいない、家族とも離れ離れになって、私は本当にひとりぼっちになったのだと、そんな風に思っていた。
でも、ハンジさんから聞いたのだ。
そんな私のことを気にかけ、どうしようもなく心配になってハンジさんに助けてあげてくれと懇願してきた調査兵がいたことを。
それが、ペトラだということをー。
「私、ペトラの恋を応援したい。」
絞りだした声。両手で包むようにティーカップを持つ手に力が入って震える。
翼の飾りがついた綺麗なティーカップ。リヴァイ兵長が入団祝いにくれた大切なもの。
『人類最強のくせに潔癖で毒舌で、
でも、とっても優しい上官からの入団祝いとして頂きます。』
そんなことを言って、このティーカップを受け取ったんだっけ。
いつの間にか、好きな人から貰った宝物になっていたけれど、最初の立ち位置に戻さないといけない。
だって、リヴァイ兵長への恋心を胸に持っている限り、私はペトラの恋を純粋に応援できない。
大切な友人が、恋をする瞳でリヴァイ兵長を見る度に、自分を嫌いになるのはツラい。
あぁ、恋ってこんなに苦しいんだったっけ。
「じゃあ、私はそんななまえを応援するよ。」
ルルは、前にしてくれたみたいに、私を包み込むように抱きしめた。
「うん、ありがとう。」
「どういたしまして。」
私の頭を優しくポンポンと叩いて、ルルはニコリと微笑んだ。
目をこれでもかというほどに見開いて、驚きすぎて叫び出したルルの口を慌てて両手で塞いだ。
「ちょっとっ、声が大きいよっ!
それに、されたかも!だってばっ。」
私は、今日の散歩であった出来事をルルに全て話した。
キッチンでのペトラとのことは勘違いだと言われたこと、それがすごく嬉しかったこと、キスを、されたかもしれないこと―。すべてを。
「寝込みを襲われたってことね。
リヴァイ兵長も男だったのね。やるわね。」
「だから、違うってばっ!」
「はいはい、照れなくていいから。」
「そうじゃなくてっ。とにかく、私も寝ぼけててわかんないし。」
「でも、手は繋いでたんでしょう?」
「手は…うん、繋いでた。なんでだろう…。」
「それはもうね、リヴァイ兵長がね。」
ムフフと悪い妄想に取りつかれているようにしか見えないルルは、人の話も聞かないで、本当に楽しそうに盛り上がっている。
私も、今夜は、楽しい恋の話になると思っていた。
「で、そんなことがあったのに、どうしてそれが
好きになるのをやめる宣言に繋がるわけ?」
「それは…。」
私は、談話室でのペトラとの会話をルルに教えた。
確かにあのとき、ペトラは、キスをしようとしていたのだと言った。
目に入ったゴミをとってあげていただけだと言ったリヴァイ兵長。
冗談だと誤魔かしはしたものの、キスをしようとしていたと言ったペトラ。
どちらが事実なのかは分からない。
でも、なんとなくだけれど、2人は私が思ったような恋人同士というわけではないような気がする。
何かのすれ違いが2人の間にあるのかもしれないけれど、それは私が考えることではない。リヴァイ兵長とペトラの問題なのだ。私は外野だ。
「でも、だからってどうして、なまえがリヴァイ兵長を諦めないといけないの?」
「別に諦めないといけないとかじゃないんだけど。」
「じゃあ、なに?」
「前に、ハンジさんに聞いたことがあるの。
ペトラが私を助けようとしてくれていたって。」
「助けようと?」
「実際に、悪口を言われてるときに、助けてもらったこともあるの。」
ルルも知っている通り、私は調査兵団の中で異例の新兵として浮いた存在だった。
良くない噂が流れていることも知っていたし、面と向かって悪口を言われたこともある。
今は、ルル達が噂を一蹴してくれたおかげで、調査兵の人達と仲良くさせてもらっているけれど、当時はとてもツラかった。
上官や先輩として私の世話をしてくれているハンジさん達以外に私の味方はいない、家族とも離れ離れになって、私は本当にひとりぼっちになったのだと、そんな風に思っていた。
でも、ハンジさんから聞いたのだ。
そんな私のことを気にかけ、どうしようもなく心配になってハンジさんに助けてあげてくれと懇願してきた調査兵がいたことを。
それが、ペトラだということをー。
「私、ペトラの恋を応援したい。」
絞りだした声。両手で包むようにティーカップを持つ手に力が入って震える。
翼の飾りがついた綺麗なティーカップ。リヴァイ兵長が入団祝いにくれた大切なもの。
『人類最強のくせに潔癖で毒舌で、
でも、とっても優しい上官からの入団祝いとして頂きます。』
そんなことを言って、このティーカップを受け取ったんだっけ。
いつの間にか、好きな人から貰った宝物になっていたけれど、最初の立ち位置に戻さないといけない。
だって、リヴァイ兵長への恋心を胸に持っている限り、私はペトラの恋を純粋に応援できない。
大切な友人が、恋をする瞳でリヴァイ兵長を見る度に、自分を嫌いになるのはツラい。
あぁ、恋ってこんなに苦しいんだったっけ。
「じゃあ、私はそんななまえを応援するよ。」
ルルは、前にしてくれたみたいに、私を包み込むように抱きしめた。
「うん、ありがとう。」
「どういたしまして。」
私の頭を優しくポンポンと叩いて、ルルはニコリと微笑んだ。