◇第二十一話◇触れられない星
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談話室に戻るときも、立体起動装置で空を飛ぶリヴァイ兵長の片腕で腰を抱き上げられた。
小柄なリヴァイ兵長は、私よりも少し背が高いだけ。腰にあたる腕は筋肉質で硬いけれど、決して太くはない。
でも、軽々私を持ち上げて、鳥のように空を飛ぶ。
アンカーの行く先を見てるリヴァイ兵長の横顔の向こうには、柔らかく光る月と降ってきそうな星達。
この幾千に輝く星の一体いくつが、この人に自分の無念を、自分の執念を、自分の願いを、人類の命運を、託したのだろう。
決して大きいとは言えないその背中に、いったいどれほど重たいものを乗せて、残酷なほどに窮屈な空を自由を求めて飛んでいるのだろう。
「いつまでひっついてやがるつもりだ。
人の顔をじーっと見やがって、気持ちわりい。」
リヴァイ兵長に見下ろされ、睨まれる。
いつの間にか談話室のバルコニーに降りていたようだ。
「ごっ、ごめんなさいっ。」
リヴァイ兵長の腰に抱き着いていた腕を慌てて離して、睨みつける怖い瞳から逃げるように目を反らす。
顔中がなぜかすごく熱くて、私は冷たい手で頬を冷やした。
そんな私をリヴァイ兵長はさらに訝し気に見ている。
こっちを見ないで。早く私から目を反らして―。
「おい、熱でもあんのか。」
顔が赤かったのかもしれない。
いや、こんなに顔が熱いのだ。赤いに決まってる。
額に手を伸ばそうとしているリヴァイ兵長から逃げた私は、自分でも思ってもいないことを口走っていた。
「リヴァイ兵長のせいですっ!」
自分で言って驚いた。
急に私が怒鳴るから、リヴァイ兵長も驚いていた。
一体、何がリヴァイ兵長のせいなのだろう。
今夜は冷えるのに古城の屋根の上に連れて行ったことか。
それなのにヒルラには会えなかったことか。
それとも、私の顔が赤くなって、心臓がドキドキして、リヴァイ兵長をまともに見られなくなっていて―。
「寒いのに、外に連れ出して悪かったな。」
「違いますっ!リヴァイ兵長のせいじゃありません!絶対に!!」
申し訳なさそうに言うリヴァイ兵長にすかさず否定した。
そう、違う。
違うのだ。リヴァイ兵長のせいじゃない。
これは、絶対に違う。
さっきとは真逆のことを怒鳴る私に、リヴァイ兵長は驚きを通り越して戸惑っているようだった。
「お、おや、おやすみなさいっ!」
何を言って誤魔化せばいいのかわからず、結局しどろもどろになりながらそう言って、私は逃げた。
リヴァイ兵長から、心臓の音から―。
小柄なリヴァイ兵長は、私よりも少し背が高いだけ。腰にあたる腕は筋肉質で硬いけれど、決して太くはない。
でも、軽々私を持ち上げて、鳥のように空を飛ぶ。
アンカーの行く先を見てるリヴァイ兵長の横顔の向こうには、柔らかく光る月と降ってきそうな星達。
この幾千に輝く星の一体いくつが、この人に自分の無念を、自分の執念を、自分の願いを、人類の命運を、託したのだろう。
決して大きいとは言えないその背中に、いったいどれほど重たいものを乗せて、残酷なほどに窮屈な空を自由を求めて飛んでいるのだろう。
「いつまでひっついてやがるつもりだ。
人の顔をじーっと見やがって、気持ちわりい。」
リヴァイ兵長に見下ろされ、睨まれる。
いつの間にか談話室のバルコニーに降りていたようだ。
「ごっ、ごめんなさいっ。」
リヴァイ兵長の腰に抱き着いていた腕を慌てて離して、睨みつける怖い瞳から逃げるように目を反らす。
顔中がなぜかすごく熱くて、私は冷たい手で頬を冷やした。
そんな私をリヴァイ兵長はさらに訝し気に見ている。
こっちを見ないで。早く私から目を反らして―。
「おい、熱でもあんのか。」
顔が赤かったのかもしれない。
いや、こんなに顔が熱いのだ。赤いに決まってる。
額に手を伸ばそうとしているリヴァイ兵長から逃げた私は、自分でも思ってもいないことを口走っていた。
「リヴァイ兵長のせいですっ!」
自分で言って驚いた。
急に私が怒鳴るから、リヴァイ兵長も驚いていた。
一体、何がリヴァイ兵長のせいなのだろう。
今夜は冷えるのに古城の屋根の上に連れて行ったことか。
それなのにヒルラには会えなかったことか。
それとも、私の顔が赤くなって、心臓がドキドキして、リヴァイ兵長をまともに見られなくなっていて―。
「寒いのに、外に連れ出して悪かったな。」
「違いますっ!リヴァイ兵長のせいじゃありません!絶対に!!」
申し訳なさそうに言うリヴァイ兵長にすかさず否定した。
そう、違う。
違うのだ。リヴァイ兵長のせいじゃない。
これは、絶対に違う。
さっきとは真逆のことを怒鳴る私に、リヴァイ兵長は驚きを通り越して戸惑っているようだった。
「お、おや、おやすみなさいっ!」
何を言って誤魔化せばいいのかわからず、結局しどろもどろになりながらそう言って、私は逃げた。
リヴァイ兵長から、心臓の音から―。