◇第百五十九話◇運命の日が、始まる
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日没直前、調査兵団の兵士達はトロスト区外門側の壁上にいた。
ザックレー総統達への挨拶を終えたエルヴィン団長やリヴァイ兵長達、幹部の調査兵も集まり、いよいよ出発のときはすぐそこまで迫っている。
いつの間にか、眼下にはトロスト区の住人達が大勢集まってきていた。
「なまえのご両親も見送りに来ているのかい?」
訊ねてきたのはナナバさんだった。
私は首を横に振りながら答える。
「帰ってくるのを家で待っているらしいです。
たぶん…、会ってしまったら、引き留めてしまいそうなんだと思います。
自分の選んだ道をしっかり生きなさいと言われました。」
「そうか…。強いご両親だな。」
「引き留めなかったことを後悔させないように、
私はしっかり役目を果たします。そして、生きて帰らなくちゃ。」
「あぁ、そうだ。生きて帰ることを忘れるなよ。」
ナナバさんが私の肩に手を乗せる。
調査兵団に入団してすぐの特訓指導のときから、ナナバさんとゲルガーさんがしきりに言っていたことが、生きて帰るということだった。
巨人を討伐するスキルを手に入れるより、体力や筋力をつけるより、それが何よりも難しいことだということを今の私は知っている。
誰かが大きな声でハンジさんの名前を呼んだ。
それを合図にするみたいに、住人達が調査兵達に激励を飛ばしてくる。
ウォール・マリア奪還の成功を願う声の中に、調査兵達の無事の帰還を願う声も幾つも飛んでいた。
領土の奪還も、無事の帰還もー、なんて、私達調査兵は口が裂けても言えなかったのにー。
「勝手を言いやがる。」
眉を顰めるリヴァイ兵長の目はとても優しかった。
今日が決行日だとバレたのは、どうやらリーブス商会からのようだった。
昨日、リーブス商会からお肉を取り寄せたことで、気づいてしまったのだろうということだった。
まぁ、どっちだっていい。
こんなにも私達調査兵の気持ちを高めてくれる、見送りはきっとないだろうから。
「任せろおおおおおおおおおお!!!」
調子に乗ったジャンとサシャ、コニーが、両手を上げて叫んでいる。
ハンジさん達はとても呆れていたけれど、彼らの気持ちがよくわかる。
だって、エルヴィン団長ですらも左腕を大きく上げて、叫んだくらいだからー。
「ウォール・マリア奪還作戦ー!!開始!!」
エルヴィン団長の号令で、馬と調査兵を乗せたリフトが壁外へ降りていく。
いよいよだー。
人類と巨人達、どちらが生き残るかをかけた戦いがー。
あぁ、でも出来ればー。
「生きて帰ろう。」
リヴァイ兵長が私の手を握った。
私は頷く。
本当に、みんなが生きて帰れたらいいって、思っている。
みんながー。
ザックレー総統達への挨拶を終えたエルヴィン団長やリヴァイ兵長達、幹部の調査兵も集まり、いよいよ出発のときはすぐそこまで迫っている。
いつの間にか、眼下にはトロスト区の住人達が大勢集まってきていた。
「なまえのご両親も見送りに来ているのかい?」
訊ねてきたのはナナバさんだった。
私は首を横に振りながら答える。
「帰ってくるのを家で待っているらしいです。
たぶん…、会ってしまったら、引き留めてしまいそうなんだと思います。
自分の選んだ道をしっかり生きなさいと言われました。」
「そうか…。強いご両親だな。」
「引き留めなかったことを後悔させないように、
私はしっかり役目を果たします。そして、生きて帰らなくちゃ。」
「あぁ、そうだ。生きて帰ることを忘れるなよ。」
ナナバさんが私の肩に手を乗せる。
調査兵団に入団してすぐの特訓指導のときから、ナナバさんとゲルガーさんがしきりに言っていたことが、生きて帰るということだった。
巨人を討伐するスキルを手に入れるより、体力や筋力をつけるより、それが何よりも難しいことだということを今の私は知っている。
誰かが大きな声でハンジさんの名前を呼んだ。
それを合図にするみたいに、住人達が調査兵達に激励を飛ばしてくる。
ウォール・マリア奪還の成功を願う声の中に、調査兵達の無事の帰還を願う声も幾つも飛んでいた。
領土の奪還も、無事の帰還もー、なんて、私達調査兵は口が裂けても言えなかったのにー。
「勝手を言いやがる。」
眉を顰めるリヴァイ兵長の目はとても優しかった。
今日が決行日だとバレたのは、どうやらリーブス商会からのようだった。
昨日、リーブス商会からお肉を取り寄せたことで、気づいてしまったのだろうということだった。
まぁ、どっちだっていい。
こんなにも私達調査兵の気持ちを高めてくれる、見送りはきっとないだろうから。
「任せろおおおおおおおおおお!!!」
調子に乗ったジャンとサシャ、コニーが、両手を上げて叫んでいる。
ハンジさん達はとても呆れていたけれど、彼らの気持ちがよくわかる。
だって、エルヴィン団長ですらも左腕を大きく上げて、叫んだくらいだからー。
「ウォール・マリア奪還作戦ー!!開始!!」
エルヴィン団長の号令で、馬と調査兵を乗せたリフトが壁外へ降りていく。
いよいよだー。
人類と巨人達、どちらが生き残るかをかけた戦いがー。
あぁ、でも出来ればー。
「生きて帰ろう。」
リヴァイ兵長が私の手を握った。
私は頷く。
本当に、みんなが生きて帰れたらいいって、思っている。
みんながー。