◇第十七話◇歓迎会
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歓迎会に参加しているのは、調査兵団からは、エルヴィン団長、ハンジさんの分隊から私がこれから関わることの多い調査兵達、私の指導係のナナバさんとゲルガーさん、2人が所属している分隊の隊長であるミケさんだった。
もちろん、私は、ハンジさんのそばに座るものだと思っていたのだが、ハンジ班のみんなとはこれから嫌というほど一緒にいることになるのだから、他の人達との交流を深めてきなさいとハンジさんに言われて、私はあちこちの席に顔を出している。
そして、私を捕まえたのは、ピクシス司令だった。
駐屯兵団からは、他にあの駐屯兵と、そして―。
「ピクシス司令、それはさすがにセクハラです。訴えられますよ。」
ピクシス司令からの少し強引なスキンシップから助けてくれたのは、銀髪のショートカットで眼鏡をかけた小柄な駐屯兵。
小柄な身体とは対照的に、見るからに芯がありそうなしっかりとした女性だ。
「ピクシス司令が失礼した。
私はリコ・ブレツェンカ。駐屯兵団で精鋭班所属だ。
調査兵団と駐屯兵団は関わりも多い。今回は駐屯兵団の代表として参加させてもらっている。」
「よろしくお願いします。
なまえ・みょうじです。」
「トロスト区での作戦では、我々調査兵団の兵士が大勢君に助けられたそうだな。
この場を借りて、私からも礼を言わせてくれ。」
「いえ…!私は…、そんなんじゃないですから。」
あの日のことでお礼を言われるのは、これでもう何度目だろうか。
その度に、痛くなる胸がツラい。
でも、私はもう兵士になった。
今度は、自分のためじゃなく、助ける誰かのために刃を振るいたい。
そうすればきっと、私はもう胸が痛むことはないと思うから―。
恐縮しているわけではなく、本当にそういうつもりじゃなかったから礼はいらないと言っている私の気持ちを察しようとするわけもなく、あの駐屯兵は、また大げさにトロスト区での私の実力を褒め称えだした。
ピクシス司令もあの日の私を見ていたと聞いている。
ということは、今から考えると恥ずかしい立体起動の操作や巨人の討伐している姿を見ていたということだ。
それを、精鋭にいてもおかしくない実力に見えたね!おれの目に狂いはなかった!とかなんとか、適当なことを言って大げさに褒めたりしないでほしい。
恥ずかしいことこの上ないので、駐屯兵の口を両手で塞いでおいた。
ピクシス司令に、元気がよくてよろしい、と笑われてしまった。
「そうか。君はあの日からそんなに凄かったのか。」
「いえ、そんなことないんです。私はただ―。」
「あの日、あの場所に君がいてくれたら、もしかしたら…。」
さっきまで、背筋を伸ばし、堂々とした雰囲気を醸し出していたリコさんは、なぜかとても悲しそうに目を伏せた。
今にも泣いてしまいそうな彼女は、さっきまでは兵士だったのに、今はか弱い女性に見えた。
「どうかしたんですか?」
「え?あ、いや!なんでもないよ。
さぁ、今日は無礼講だ。楽しいお酒の席にしよう。」
そう言って、リコさんは乾杯を求めてきた。
何かを誤魔化されたのは分かったけれど、それ以上、追及してはいけないことも分かっていたから、私は彼女のグラスに自分のグラスを重ねた。
もしかしたら、そこには、リコさんにとって大切な人のグラスが一緒に重なる未来もあったのもしれない。
そんなことを思いながらー。
もちろん、私は、ハンジさんのそばに座るものだと思っていたのだが、ハンジ班のみんなとはこれから嫌というほど一緒にいることになるのだから、他の人達との交流を深めてきなさいとハンジさんに言われて、私はあちこちの席に顔を出している。
そして、私を捕まえたのは、ピクシス司令だった。
駐屯兵団からは、他にあの駐屯兵と、そして―。
「ピクシス司令、それはさすがにセクハラです。訴えられますよ。」
ピクシス司令からの少し強引なスキンシップから助けてくれたのは、銀髪のショートカットで眼鏡をかけた小柄な駐屯兵。
小柄な身体とは対照的に、見るからに芯がありそうなしっかりとした女性だ。
「ピクシス司令が失礼した。
私はリコ・ブレツェンカ。駐屯兵団で精鋭班所属だ。
調査兵団と駐屯兵団は関わりも多い。今回は駐屯兵団の代表として参加させてもらっている。」
「よろしくお願いします。
なまえ・みょうじです。」
「トロスト区での作戦では、我々調査兵団の兵士が大勢君に助けられたそうだな。
この場を借りて、私からも礼を言わせてくれ。」
「いえ…!私は…、そんなんじゃないですから。」
あの日のことでお礼を言われるのは、これでもう何度目だろうか。
その度に、痛くなる胸がツラい。
でも、私はもう兵士になった。
今度は、自分のためじゃなく、助ける誰かのために刃を振るいたい。
そうすればきっと、私はもう胸が痛むことはないと思うから―。
恐縮しているわけではなく、本当にそういうつもりじゃなかったから礼はいらないと言っている私の気持ちを察しようとするわけもなく、あの駐屯兵は、また大げさにトロスト区での私の実力を褒め称えだした。
ピクシス司令もあの日の私を見ていたと聞いている。
ということは、今から考えると恥ずかしい立体起動の操作や巨人の討伐している姿を見ていたということだ。
それを、精鋭にいてもおかしくない実力に見えたね!おれの目に狂いはなかった!とかなんとか、適当なことを言って大げさに褒めたりしないでほしい。
恥ずかしいことこの上ないので、駐屯兵の口を両手で塞いでおいた。
ピクシス司令に、元気がよくてよろしい、と笑われてしまった。
「そうか。君はあの日からそんなに凄かったのか。」
「いえ、そんなことないんです。私はただ―。」
「あの日、あの場所に君がいてくれたら、もしかしたら…。」
さっきまで、背筋を伸ばし、堂々とした雰囲気を醸し出していたリコさんは、なぜかとても悲しそうに目を伏せた。
今にも泣いてしまいそうな彼女は、さっきまでは兵士だったのに、今はか弱い女性に見えた。
「どうかしたんですか?」
「え?あ、いや!なんでもないよ。
さぁ、今日は無礼講だ。楽しいお酒の席にしよう。」
そう言って、リコさんは乾杯を求めてきた。
何かを誤魔化されたのは分かったけれど、それ以上、追及してはいけないことも分かっていたから、私は彼女のグラスに自分のグラスを重ねた。
もしかしたら、そこには、リコさんにとって大切な人のグラスが一緒に重なる未来もあったのもしれない。
そんなことを思いながらー。